飲食業界のアニキ西山知義「ウイスキーは相手と向き合うお酒」【経営者の酒の流儀】

酔ってざっくばらんに話せば、普段見えない素顔が見えてくる。酒席でチャンスを掴む人や資金調達する人、縁をつなぐ人もいれば、アイデアの元にしている人もいる。彼らにとって酒とはどのような存在なのか?第一線で活躍する酒LOVERの酒の流儀に迫る!


「ウイスキーは語り合うお酒。いろんな結びつきが生まれます」

ダイニングイノベーション代表取締役会長 西山知義

高い天井に続く壁を埋めつくすのは、国内外から集められた1,200種類を超えるウイスキー。その品揃えに外国人のゲストも多く、深夜まで人が途切れることのないのが、ここ「トウキョー ウィスキー ライブラリー」だ。

「ともすればマニアックになりすぎたり、敷居が高いと思ってしまうウイスキーを、もっとカジュアルな雰囲気で楽しめるバーを作りたかったんです」と言うのは、この店の仕かけ人である西山知義氏。

飲食業界の重鎮として活躍する一方で、その人望の厚さで経営者仲間からは"アニキ"と慕われる西山氏だが、彼らとの席にももちろんお酒は欠かせない。この取材前夜も経営者たちと会食が。ある業界トップの方に話が聞きたいという後輩のため、その場ですぐその人物に連絡すると本人が会食の場へ。西山氏以外は初対面ながらも仕事の話も含め、かなり盛り上がったそうだ。

「昼間オフィスで『人を紹介して』と言われても、スケジュールが詰まっている経営者にそんな簡単に会うことはできない。でも夜なら声もかけやすいし、自分も『食事の後に寄るよ』と気軽に行ける。約束していなくても、連絡を取り合い常にいろんな人と会っていますね」

酒の席ゆえ、出てくる話題も仕事からプライベートまで幅広い。でもだからこそ、それがビジネスの大きなヒントにつながるという。

「本音も出るし、悩みも出ればそこにアドバイスもある。そもそもお酒を一緒に飲むという行為が"アイスブレイク"。ガチガチのビジネスの場じゃ、そんな話にはならないですよね」

もちろん、お酒を無理して飲む必要はない。しかし、最初から「飲めないので」と席を拒否してしまうのは、見えない大きなチャンスを逃しているかもしれない。 

そんな酒席でも、他のお酒に比べウイスキーはより親密度が増すと西山氏は言う。

「食事しながら飲むワインと違って、基本的にお酒だけを味わうウイスキーは、ある意味、人と語り合うためのお酒だと思います。ごくごく飲むビールとも違う。時間をかけて飲む1杯は、相手とゆっくり向き合い、より深い話ができると思います」 

数十年の熟成を経て香る、魅惑の液体が生むのは、人との出会いと新たな気づき。味わいの喜びとともに得られるその蓄積こそが、ビジネスの経験と人脈へとつながっていくのだ。

Tomoyoshi Nishiyama
1966年東京都生まれ。焼き肉レストラン「牛角」をはじめ数々の外食チェーンを育て上げ、2013年にダイニングイノベーションを新たに設立。「やきとり家すみれ」「焼肉ライク」など、創業6年で国内外に200店舗を達成した。


TOKYO Whisky Library
TEL:03-6434-1163
住所:東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2F
営業時間:月~土曜 18:00~L.O.翌2:00、日曜・祝日・最終日17:00~L.O.23:00 
休み:無休


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Text=牛丸由紀子 Photograph=五十嵐 真