84歳、写真家・操上和美とタッグを組んだ仕事仲間が明かす、そのズバ抜けた仕事術とは?

84歳、写真家・操上和美と時に喜び、時に苦悩した戦友ともいえる仕事人だからこそ垣間見えた、操上の人間力。 業界トップレベルの仕事仲間が語る、その卓越した仕事術とは?

照明技師・石井大和

Q. 操上さんとの仕事で好きな作品は?

A. 「婦人服・レリアンの広告。風景と光と自由を求め、毎年、ルーマニアやマレーシア、タイなどさまざまな国を訪れました。操上さんと、その国々の照明技師や照明助手と一緒に撮影したことは、これまでにない貴重な経験でした」

Q. 操上さんとの印象的なエピソードは?

A. 「操上さんは、撮影現場でその場に居たくなるような空気(光)をつくります。一度、腰にコルセット、足にギプス、手に松葉杖を持って撮影現場に現れたことがありました。しかしいつもと変わらず、その場の空気と被写体の関係性を考えて、テンションを高めるか、緩めるかを一瞬で読み取りながら撮影。あのバケモノ(操上さん)のパワーはどこから来ているのかいつも不思議に思っています。操上さんが持つ推進力、集中力、判断力、持続力、スピードには学ぶことばかり。そして経験と能力があっても偉ぶらない。いつも仕事そのものを楽しんでいる。簡単に真似ることはできないけれど、真似したい」

Q.  操上さんが行なっている習慣で、ご自身でも取り入れていることは?

A. 「その場に居たくなるような良い空気(光)をつくっているところ。僕自身の緊張感を保ち、撮るためのリズムや流れを止めないように心がけています」

Q. 操上さんは、どんな仕事人だと思いますか?

A. 「前を向いて行く力、集中力、判断力、持続力、そしてスピード、すべてに学ぶものがあります」

Q. 心に残っている操上さんの言葉は?

A. 「いつも、前を向いて行こう」

Ishii Masakazu
1947年福岡県生まれ。’71年に広告制作プロダクションの日本天然色映画社に入社。独立後も数多くの広告の照明を担当。操上の初監督作『ゼラチンシルバーLOVE』にも携わる。


アートディレクター・川口清勝

Q. 操上さんとの仕事で好きな作品は?

A. 「2012年に開催された操上さんの個展『portrait of a moment』のポスター。一緒につくらせていただいたのですが、憧れの操上さんの過去作品をプロジェクターで、東京の名も無いロケーションに投影し、それを操上さんが撮影した一枚」

Q. 操上さんとの印象的なエピソードは?

A. 「炭酸飲料のペプシの撮影で、俳優のジュード・ロウを撮影した時のこと。ラスベガスのスタジオはかなり規模が大きく、スタッフでごった返していました。そんなスタッフがわんさかいるなか、ジュード・ロウが登場。デカい体格のアメリカのスタッフに紛れるJapanese操上和美。しかし、スタジオ内を見渡したジュード・ロウは、スタッフをかきわけ迷うことなく、操上さんの元へ。ふたりは向かいあって、強く握手を交わしました。そして互いに初対面でしたが、すぐさま撮影がスタート。この撮影を通して、操上和美の存在感を前にして、前置きや紹介は陳腐であることを知りました」

Q.操上さんが行なっている習慣で、ご自身でも取り入れていることは?

A. 「『やりたい!』と思ったことがあれば、迷わずに『やる!』ということ」

心に残っている操上さんの言葉は?

A. 「『そんなの、全然OK!』と、いつも強く励ましていただいてます」

Q.  操上さんをひと言で表すと?

A. 「ジェントルマンを演じる、一流の不良」

Seijo Kawaguchi
1962年東京都生まれ。’85年多摩美術大学卒業後、電通クリエイティブ局を経て、’99年にクリエイティブエージェンシーTUGBOATに参加。多摩美術大学の教授も務める。

Photograph=操上和美(作品) Text=編集部