福山雅治を突き動かす原動力とは?滝川クリステル いま、一番気になる仕事

シンガー・ソングライターとしてデビューし、今年25周年を迎えた福山さん。リスナーを楽しませることに余念がなく、46歳となった現在も第一線で活躍。時代を先行くマインドは、どのように生まれているのか、その秘密に迫ります。

ゲストになれない。完全なホスト体質です

(左)シャツ¥99,000(サンローラン バイ エディ・スリマン/イヴ・サンローラン TEL:0570-016655)、パンツ・ブーツはスタイリスト私物 (右)ドレス¥85,000(TADASHI SHOJI TEL:03-5413-3278)、ピアス¥12,600、リング¥17,900(スワロフスキー・ジュエリー/スワロフスキー フリーダイヤル:0120-10-8700)

期待には応えて、予想は裏切る

滝川 今年3月末、足かけ23年間パーソナリティを務められたラジオ番組『魂のラジオ』が最終回を迎えました。新しい活動に期待が高まっていますが、ご自身は今、どんなお気持ちですか?

福山 『魂ラジ』終了はやはり寂しいですね。毎週リスナーに語りかけ、それに対してリアクションをもらう。その関係性や時間が、自分にとってセラピーみたいなものだったんだなあと、終わってしみじみ感じています。

滝川 ラジオってファンとの距離感が近いメディアですよね。

福山 僕はふだん、仕事以外でほとんど喋らない。職業病だと思いますけど、ステージやテーマがないと何を話していいかわからない(笑)。もっとも8月にライブツアーがあるので、今はその準備に追われてるので昼夜喋りまくっていますが。

滝川 今度のライブはデビュー25周年を祝した過去最大規模だとか。福山さんってラジオでもライブでも、すごくサービス精神が旺盛ですよね。

福山 毎回来てくれる人もいれば、初めていらっしゃる人もいますから、『期待には応え、予想は裏切る』ということを考えています。基本がホスト体質なんですよ。ゲストになれない。今も、ここ、テーブルにコップの水滴が残ってるでしょう。すごく拭きたい(笑)。

滝川 全然気になりませんでした(笑)。家もピカピカですか?

福山 自分ではピカピカだと思ってます。もし、ずっと一緒にいる人だったら疲れると思いますよ。「またクリステルが散らかしてる!」っていちいち目くじらたてられたら嫌でしょ?

滝川 相当怒られそう(笑)。

福山 四六時中、頭のなかがいろいろなことでぐるぐるしているので、家に帰ったら強制的にスイッチをオフするようにしています。シャワーを浴びて、ビール飲んで、ネットサーフィンして。でも結局、何か探してしまう。エロサイトで好みの子を見つけたら、すかさずプロフィールやインタビューを検索したり(笑)。

滝川 探究心旺盛なんですね。でもちょっと気持ちわかります。

福山 滝川さんはオンオフ、ちゃんと分けられてます?

滝川 日常だと難しいんですけど、自然の中にいる時はかなりオフになれます。仕事でカメラがまわっていても、どこかオフってる自分がいるんですよ。

福山 だから魅力的なんですね! カメラの前でオフになれるってすごい強みですよ。「仕事なんだから、一発面白いこと言わなくちゃ」とか、思わないですか?

滝川 目の前にいる相手は、自然や動物だから......。そういえば、よく自然体っていわれます。

福山 自然体じゃなくて自然そのもの(笑)。野生動物が画として強いのは、カメラ関係なくオフりまくってるからですよ。視聴者へのサービス精神ゼロ。でもつくりものではないからこそ、見ていて引きこまれる。滝川さんも野生動物と一緒です(笑)。

滝川 すごい分析をされてしまいました(笑)。いつもそうやって人を見ているんですか?

福山 分析します。「この人はどうしたら喜んでくれるか」。そればかり考えて生きてます。

滝川 それは子供の頃から?

福山 たぶん。よく覚えてるのが、父親にタバコのおつかいを頼まれた時のことです。当時はまだ子供がタバコのおつかいに行けて、頼まれた銘柄が近所の店になかったので、遠くまで買いに行ったら、帰るのが遅くなって母親にすごく怒られたんです。でもその時、父が母を制して「そげんこと言うな。雅治はな、根性があるとたい」って言ってくれてそれがすごく嬉しくて。父は僕が17歳の時に亡くなったんですけど、褒めてくれたそれが自分にとって最初の成功体験だったと思う。そこから、相手に喜んでもらいたいというのが、生き方の軸になったんじゃないかと。

滝川 子供の頃、あまり褒められなかったんですか?

福山 ええ、父にも母にも。だから今でも褒められベタだし、褒めるのも下手だと思いますよ。

滝川 私もそうかも......。でもこういうお仕事をしていると、やたら褒め倒されることもありますよね?

福山 居心地悪いですねー。でも身近なスタッフ内で「福山は褒められるのが苦手らしい」という噂が浸透すると、褒められなくなってくるんですよ。すると、「今回の新曲の褒めポイントはここです!」と自分でアピールしたくなってくる(笑)。

滝川 褒めろよ、と(笑)。

福山 滝川さんも褒められベタが浸透するといつかそのモードになりますよ。「今日のポイントは、白いドレスの素肌っぽい透け感よ!」って言いたくなる時が来ます。

滝川 そうですか(笑)。では褒めるのが下手というのは? 

福山 「もっと頑張った時に褒めたほうが喜ぶんじゃないか」とか考えてしまう。特に男同士だと負けたくない気持ちもありますから、安易には褒めない。基本がホスト体質なので、空気を読むようにはしてますが。

滝川 負けたくない気持ち? それは仕事でですか?

福山 基本、全方位・全男性に負けたくないですよ。街を歩いていて、滝川さんみたいな美女を連れてる男がいたら「あいつ絶対に借金がある」とか「足がくさい」とか、妄想で貶(おとし)めます。

滝川 ほんとですか(笑)。

福山 「絶対失敗するに決まってる」とか(笑)。女性はないですか?

滝川 素敵な男性と歩いている女性に対して、足がくさいとか考えたことはないです(笑)。

福山 男性はそれが仕事の原動力にもなっていると思いますよ。

滝川 福山さん、野生動物のオスには嫉妬しないんですか?

福山 はい?

滝川 あるがままにオフっている彼らに対して、嫉妬とか......。

福山 さすが滝川さん、面白いっす(笑)。まあ僕だってシルバーバック(雄の成獣)になれるものならなりたいですよ。ファミリーを守ってる姿はカッコいいなあと思うけど。それは嫉妬というよりは畏敬(いけい)の念かな。

滝川 昨年(2014年)『ホットスポット 最後の楽園season2』の収録でシルバーバックに会いに行かれたんですよね。私も番組ゲストに呼んでいただき、いいなあ~と思いながらお話を聞いていました。そもそもなぜ、野生動物に惹かれるようになったんですか?

福山 最初は15年くらい前だったと思うんですが、ある特番の収録でケニアの国立公園に行ったんです。そこにはヌーやシマウマがいると聞いていて、初めは「シマウマは日本の動物園にもいるよね」って思ってたんですけど......もうね、初めて見たシマウマの常に命がけでサヴァイヴしている美しさにひどく感動してしまって。それからです。

滝川 『ホットスポット』が始まったのは2011年ですから、だいぶたってからなんですね。

福山  勝手に運命を感じている話があるんです。好きだった『プラネットアース』という番組のナビゲーターが、緒形拳さんだったんです。緒形さんとは92年にドラマ『愛はどうだ』で一度だけ共演させていただいて、芝居の根幹を教わったと本当に感謝していて。それからご無沙汰していたのですが、2008年に、十数年ぶりにライブに来てくださって。

滝川 その頃って、すでに......。

福山 緒形さんは病気のことは公表せず、いろいろな所に顔を出していたそうです。僕は何も知らず「『プラネットアース』を辞める時は後継者に指名してください!」なんて軽口を叩き......その年に緒形さんは癌で亡くなられました。そのあと『ホットスポット』のオファーが来たのは、たぶん偶然だと思います。でも緒形さんがつないでくれた御縁なのかも、と勝手に思っています。

滝川 『ホットスポット』は、絶滅危惧種と、その地域に住む人間との関係性を紹介していく番組ですよね。まさに自然と人間との共存が根本のテーマ。

福山 自分に何ができるだろうかと考えたら、僕の場合はまず音楽であり、それからメディアに出て広報マンとして事実を広めることなんですよね。実際、昨年リリースしたアルバム『HUMAN』は、自然と人間の関係をかなりストレートに表現に落としこんでいます。そうしたい、そうせざるをえないメンタリティーになってしまって。

滝川 なりますよね。実際に足を運んで、一般に知られていない事実を直視してしまったら。

福山 ふたりで自然番組できたらいいですよね。もちろん特番でもいいんですけど、広く知ってもらうには、継続することが一番だと思うんです。

滝川 ええ、ぜひ。関心がない人への働きかけについて、私もずっと考えています。福山さんが一緒なら力が倍増しそう。......もっとうかがいたいのですが、お時間となってしまいました。

福山 続きは、新番組『クリステル&フクヤマ』で(笑)!

Masaharu Fukuyama
1969年長崎県生まれ。90年シンガー・ソングライターとしてデビュー。音楽活動のほか、俳優、ラジオパーソナリティ、カメラマンなど幅広い分野で活躍。8月には自身最大規模のスタジアムライブを大阪と横浜で、そして8月29日、30日には6年ぶりとなる故郷長崎にてライブを開催した。また25周年記念シングル「I am a HERO」が発売中。

Christel Takigawa
1977年フランス生まれ。『グローバルディベートWISDOM』(NHK BS1)ほかに出演。WWFジャパン顧問、世界の医療団 親善大使。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・顧問。一般社団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル代表。http://www.christelfoundation.org/

Christel's Monthly Column

恒例の試合後、カメラのレンズにするサインをお借りしました。全仏最後となった錦織選手の試合は、センターコート。アウェー感が強く、強いプレッシャーを感じたそうです。

皆さん全仏オープンテニスはご覧になりましたか? 数あるスポーツのなかでも、テニスは一番の中継泣かせといわれています。まず時間が読めない。1時間で終わる試合もあれば、天候による中断で日をまたぐこともあります。ゲーム開始時間の発表も、前日にようやくわかるという状況です。私は今回約3週間フランスに滞在しましたが、もし日本の選手が早々に敗退したら、同時に帰国することになったでしょう。

それでも現地で錦織選手の応援ができるならと、今回初めてスポーツ番組のメーンキャスターを経験させていただきました。テニスは小学生の頃から家族全員で親しんできたスポーツ。錦織選手ともテニスの友人を通して7年ほど前に知り合い、彼がリハビリ休養中、左手テニスでラリーをしてもらったこともあるんですよ。それだけに準々決勝は見ているだけで緊張して、背中がガチガチに。悔しくて、対戦相手のツォンガを応援していた親戚にはしばらく連絡しなかったくらい。でもこうして錦織選手の軌跡を追えることが嬉しい。今は身体をいたわり、次の大会に向けて調子を整えてほしいです。そしてタイトル獲得の瞬間には、私も絶対に立ち会いたいですね。


滝川クリステル
滝川クリステル
Christel Takigawa 1977年フランス生まれ。WWFジャパン 顧問。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 顧問。一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル代表。現在、『教えてもらう前と後』(TBS系)でMCを務める。2018年、2度目となるフランス国家功労勲章「シュヴァリエ」を受章。インスタグラム:@christeltakigawa
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