元NMB48須藤凜々花の「りりぽんのスキスキ委員会」#3

2017年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にNMB48を卒業した須藤凜々花。彼女がテレビや取材では言い切れなかったこと、捻じ曲げられて伝わってしまったこと、そういったものを赤裸々にではなく、丁寧に書いていく連載コラム。


恋占いは片想い専用だ。

両想いになれば、自立しなければならない。

恋が実る待ち受け画像も、今はエリカ様に変わっている。

結婚してからは、彼と一緒に毎日寝ている。

前回話したように、私にとって最上級に尊い行為が、彼と添い寝することであり、その意味で私は今とても幸せで満たされているはずなのだ。

でも、なんだかとってもさみしい。

一緒に寝ているのに、一緒に寝たくなるのだ。

彼よりも、エリカ様と目が合う。

ベッドの中でブルーライトに照らされながら検索した。

「付き合っているのにさみしい」

ーーーーー

彼はとても優しい。

でも、私はその優しさにさみしさを感じる時がある。

まだ結婚する前に、こんなことがあった。

彼の家に泊まりに行くと、

二人分のバスタオルをコインランドリーに持っていくのがお約束だった。

乾燥されるのを待っている間に、家で夜ご飯を食べる。

そしていつも、「あぁ、めんど」と言いながら彼はコインランドリーにバスタオルを取りに向かうのだ。

そんな彼に私は、「一緒に行くー!」と言った。

そうすると、「俺一人で行く方が早いから待ってろ」と言われる。

はーい。

これがワンセットだった。

優しい。

そしてさみしい。

結婚してから、今まで無関心であった料理に熱心になった。

動画でレシピを紹介してくれるアプリを見ながら、

夜ご飯の献立を考えるのが日課になった。

そんな私を見た彼が、

「もっと自分のために生きろ! 料理すんな! 勉強していいよ! 本を読め! ほい!」

とスマホを取り上げた。

優しい。

でも、さみしい。

「おやすみなさい」

今日も二人で布団に入る。

私が彼の二の腕を掴む。

「あつい」

と言われた。

手を離して離れた。

「怒んな」

と言われた。

「怒ってないよ」

と言った。

そして、さみしいと言った。

勇気を出して、さみしいと言葉にした。

そしたら涙が出てきた。

「なんでかわかんないけどさみしい泣え〜ん泣」

まるで幼児。

彼は困った顔で、泣くな〜、と私の脇をくすぐった。

私は笑った。

彼を思って泣いて、彼を想って笑った。

私はどうかしてしまった。

感情的で足の弱い女に憧れて、

彼にかわいいと思われたくて、

「一人で立てないよぉ」と演技のできない私は、

自分の両足を折った。

私は本当は一人で生きていけるのに。

彼がいない人生は意味がない、という素直で恐ろしい感情を、原液で飲み込んでしまった。

私はよく、彼に「子供だ」とか「自立しろ」と言われる。

その度に、理不尽なことを言われている気持ちになる。

可愛げのある女になりたくて頑張っているのに。

もっと私を見てほしい。

ガン見してほしい。

このさみしさから逃れたい。

「泣く」というキラーカードを使ってしまった私は、

もう一つのキラーカードを早急に切ることにした。

実家に家出した。

二日間。

家に帰って「ごめん」と言った。

彼は黙って、私が持って帰ったhip-hopのCDをスマホに取り込んでくれた。

優しい。

かわいい。

「女は決して自分の自然な姿を見せない。

なぜならば女は、

自然から生みつけられたままでも

きっと人から好かれるものだ、

といういうふうに考えることのできる男ほどのうぬぼれがないからである。」

byゲーテ

私は今でも、こんなにかっこいい彼が私のことを好きであるなんて信じられない。

「失礼なやつだな」と彼は言う。

失礼だけどそう思う。

だから私は、休日でもすっぴん風メイクを欠かさない。

私は私を愛しているけれど、それ以上に私の向上心を愛しているのだ。

努力の努は、女が又、力をつけると書く。

今日も強い私は、か弱くあるために自分の両足を折るのだ。


Photograph=斉藤大嗣 Stylist=平みなみ Hair & Make-up=竹中真奈美
衣装=ベルスリーブワンピース¥27,000(HENZA LOS ANGELES/ヘンザ ロサンゼルスTEL03・6721・0566)


「りりぽんのスキスキ委員会」#2


「りりぽんのスキスキ委員会」#1.5


須藤凜々花
須藤凜々花
1996年東京都生まれ。2013年「第1回AKB48グループドラフト会議」において、NMB48に加入。NMB48の12thシングル「ドリアン少年」ではセンターを務める。’17年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にグループを卒業、現在に至る。著書『人生を危険にさらせ!』(堀内進之介との共著、幻冬舎)。
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