キッズライン経沢香保子「家事・育児の常識を変える!」【女性起業家】

SNSやインターネット技術が発展した現在、かつてないほど女性が起業しやすい時代が訪れた。豊かな感性や打たれ強いしなやかさ、そして、現状を打破する行動力を持つ女性起業家たちのビジネスに迫る。


出産した人全員が使える、育児のインフラを目指す

女性起業家を語るうえで欠かせない人物といえばこの人、経沢香保子さん。26歳の時に女性マーケティングに特化したトレンダーズを起業、2012年には当時最年少女性社長として東証マザーズに上場を果たした彼女が、トレンダーズを離れ「B to Bではなく、ダイレクトに社会を変える仕事がしたい」と挑んだ2度目の起業。それが「ベビーシッター事業」だ。

2児の母で第一子が障害を持って生まれたことにより、ベビーシッターを利用したことが始まりだった。男女平等社会でも女性にとって大きなボトルネックになるのが育児であることを自ら体感。そんな彼女が立ち上げたキッズラインは、高価格で自由度が低いシッターのイメージを劇的に変えた。

登録から予約まですべてをインターネットで可能にし、運営コストをかけず低価格を実現。当日予約や登園を断られる病児にも対応し、利用者の利便性を追求。さらに「育児師」の資格制度を確立し、安心面の向上も図る。利用のハードルを下げただけではなく、キッズラインが画期的なのは新たな雇用も生みだしたことだ。

「働く時間も時給も自分で設定でき、主婦の方や子育てを終えたシニアなど、多様な働き方が可能。家事育児スキルが市場価値を生み、すでに月商100万を達成したサポーター(シッター)もいるんです」

家事代行サービスや日本初のマイクロファイナンス機関、グラミン日本との提携も開始。すでに約10万世帯が登録し、総依頼件数は70万回を超えた。

「でもまだまだ。出産した人全員に登録してもらうのが目標」と経沢さん。「キッズラインは、必要な人全員が使う"育児のインフラ"にしたいんです。起業家とは、社会にインパクトを与えるのが仕事。いつか歴史の教科書に『この時、育児革命が起こった』なんて、載りたいですね(笑)」


キッズラインはここが違う! 3つの特徴

保育資格「育児師」をメジャーに
「ベビーシッターのプロフェッショナルを育てる」と、個別保育に必要な知識とスキルを身につける新たな資格「育児師」のオンラインプログラムをこの夏開講。実は堀江貴文氏のネーミングだという。

ベビーシッターで100万円プレイヤー
元専業主婦の経験を活かし、月100万円を売り上げる敏腕シッターも登場。「時給は自分で設定可能。メインは1,300~1,500円ですが、病児や深夜対応など2,000円以上でも依頼が絶えないシッターもいらっしゃいます」

業界最安値で質を保つ
「シッターを富裕層のものではなく、誰でも使えるインフラにしたい」と、入会金や年会費も必要なし。すべてのサポーターには利用ごとに必ず評価がつき、インターネットの価格メリットと情報の透明性を実現。


経沢香保子の仕事における三種の神器

Kahoko Tsunezawa
慶應義塾大学卒業後、リクルート、楽天を経てトレンダーズ創業。女性向けサービスを立ち上げ、東証マザーズ上場を実現。2017年カラーズ(現キッズライン)を創業。『すべての女は、自由である。』(ダイヤモンド社)など著書多数。 https://kidsline.me/


Direction=島田 明 Photograph=丸谷嘉長(カウンタック写真部) Text=牛丸由紀子 Hair & Make-up=豊田まさこ