いま、なぜ福岡なのか? 世界中を旅する本田直之が福岡という都市の魅力を語る

イギリス発のグローバル情報マガジン『MONOCLE(モノクル)』が発表する「世界の住みやすい街」で、毎年上位にランキングされるのが福岡だ。世界中からの観光客も急増、人口の増加率が東京を抜いてもっとも高く、スタートアップ・シティとしても知られる福岡の魅力を、福岡を舞台にチャレンジしている人たちに聞いた。


福岡のもつ“奥行き”が人を惹きつける

レバレッジコンサルティング代表の本田直之さんは、一年のうち5ヵ月をハワイで、3ヵ月を東京、2ヵ月を日本の地方、のこり2ヵ月をヨーロッパを中心にアジアなどを旅している。

ハワイでは、スマートフォンで仕事をこなしながら、その合間に趣味のサーフィンに興じる。食通としても知られ、国内外を問わず旅先では、飲食店の新規開拓を忘れない。目利きとしても支持され、グルメ関連の著書も上梓したほどだ。

およそ60ヵ国を渡り歩いた本田さんが、ここ数年間でとくに注目しているのが福岡である。

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「福岡はハワイによく似ている。空港からのアクセスが至便で、自然も豊か。コンパクトシティだから人とのつながりもすぐに広がります。また、カジュアルだけどレベルの高い飲食店が多いのも共通している。福岡は、東京より物価が安いため、個人店でも個性を発揮できるんです」

これらの要素が相乗効果となって、地域独自の魅力や文化が醸成されるのだという。

「福岡市の市長に高島宗一郎氏が就任してから、エッジの立った人や感度の高い人が次々と福岡に拠点を移している印象です。東京を目指さないスタンスが外の人間には、魅力的に映るのでしょう。国内を見渡してもこれだけ“奥行き”のある地域はめずらしいですよ」

現在、本田さんと福岡を深く結びつけているのがグルメイベントの「DREAM DUSK」だ。

2016年から毎年開催されているこのイベントは、福岡市東部のリゾートホテル「ザ・ルイガンズ」を舞台に、予約の取れない人気店から5人のシェフが集結。各々の得意分野を生かしたフルコースを提供するほか、福岡の人気店10店舗が出店するアウトドアランチも開催している。本田さんは、企画から総合プロデュースまでを担当。美食の祭典への水先案内人として尽力した。

「イベントは、採算度外視。利益を優先していては、お客さんを満足させることはできません。スタッフもシェフも熱意があるから、労力を惜しまない。こういう挑戦的な企画を実現できるのも、福岡ならでは」

今年で4回目を迎える「DREAM DUSK」。食通の間で話題となり、年々予約がとりづらくなっているという。このイベントによって、福岡の“奥行き”がよりいっそう深まることは間違いないだろう。

Naoyuki Honda 
米のベンチャー企業への投資育成事業を行う。これまで訪れた国は60ヵ国以上。現在は、日本各地を訪れその文化を探求している。近著に『トップシェフが内緒で通う店150』『The Hawaii's Best Restaurants』がある。