【小山薫堂×小池アミイゴ】羽田空港で見たあの言葉の意味は? 旅する日本語①「恋草」

今から飛行機に乗ろうと、羽田空港の出発チェックインロビーで頭上を見上げると、 壁面に巨大なアートギャラリーが広がっているのに気づくはず。それは、旅と日本語をテーマにした「旅する日本語」展、放送作家・脚本家の小山薫堂さんが耳慣れないけれど美しい日本語をもとに、旅にまつわる小さな物語を執筆し、 イラストレーターの小池アミイゴさんが絵画を描いたアートプロジェクトだ。このシリーズは、ふたりが作品に込めた想いを綴ったアナーザーストーリー全11集。


恋草

小説家を目指していた弟は、
足繁く空港に通っていた。
旅に行くわけではない。
出発ゲートと到着ゲートで繰り広げられる
出会いと別れをひたすら観察する・・・
そして物語の種を探すのだ。
結局、彼を小説家にするほどの
物語の種は見つからなかったけれど、
空港で働く女性に一目惚れ。
お嫁さんを見つけることができた。
やっぱり空港では
毎日たくさんの物語が生まれているのだ。

【こいぐさ】
恋の思いが激しく燃え上がる様子を、草の生い茂るのにたとえていう。


Kundo's Another Story
空港は出会いと別れの場。空港に行くと誰もがワクワクする気持ちがあると思ういます。そういうところで人が出会うと化学反応が起こるような……スキー場でよくあるように、空港でも恋が生まれるんじゃないかなと思いました。

空港っていうのはやっぱり特別な場所なんですよね。旅情感が心のバリアがほどく場所みたいなイメージ。誰かと仲良くなれるとか、誰とでも気軽に話せるとか、そういう気分になるから、空港では恋が生まれやすいんじゃないかな……そう思ってこの物語を書きました。


Amigo's Story
福岡という街が好きで通いつめていた時、福岡空港の近くに、空港を俯瞰できる公園があって、そこから空港を眺めていた日があった。たしか、2005年。僕の奥さんは福岡の人で、この後しばらくして恋に落ちた。

この恋草のストーリーを読んですぐに、夕焼けのふわぁっとした空気に包まれた風景が蘇り、「あの時の風景だ」と絵に描いた。“お嫁さんを見つけることができた” という一文が、僕の体験と一致した。


旅する日本語展 2018
国内線第1旅客ターミナル2階南北出発チェックインロビーにて「11」の日本語をテーマにした放送作家・脚本家の小山薫堂による旅の物語と、イラストレーターの小池アミイゴが色鮮やかな絵画を展示中(2019年の3月31日まで)。旅の物語と写真を全国から募集する「旅する日本語投稿キャンペーン」も、7月2日から開始予定。詳しくは公式HPまで。
https://event.tokyo-airport-bldg.co.jp/tabisuru/


Text=加藤久美子(ゲーテWEB編集部)

対談 小山薫堂×小池アミイゴ


小山薫堂
小山薫堂
放送作家、脚本家。1964年熊本県生まれ。『料理の鉄人』など多くのTV番組を企画。脚本を手がけた映画『おくりびと』では、アカデミー賞外国語映画賞受賞。名レストランの経営手腕にも注目が集まる。
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