全国の日本酒の蔵を100ヵ所巡ったが経営者がオススメする日本酒とは?【お酒コレクション】

「生涯の友」「人生を豊かにしてくれる宝」……。酒を表現する言葉は数あれど、共通する思いは「酒のない人生などありえない」だろう。酒をこよなく愛する男たちの熱狂と、自身の秘蔵酒を披露する。


山形精密鋳造 代表取締役社長・木塚勝典

自動車部品の鋳物鋳造を主力とする山形精密鋳造代表取締役社長の木塚勝典氏は、日本酒好きが高じて全国100近くの蔵元を回ったという。

「20代の頃から出張が多く、今でも年間120泊します。国内はもちろん東南アジアやドイツなどさまざまな国へ赴き、中国は白酒、ドイツはケルシュなど地酒を飲んできましたが、やはり一番は日本酒。大吟醸から荒ばしりなど、ひとつの銘柄で幅広い味が楽しめるのがいい」

木塚勝典の秘蔵コレクション。右から油長酒造(奈良)の「風の森」。赤武酒造(岩手)の「赤武」。そしてラベルが反転してあるものが富久千代酒造(佐賀)の通称「裏鍋島」。流通量が限られた隠し酒だ。

泡盛が主流の沖縄と焼酎が主流の鹿児島、宮崎を除く都道府県の日本酒はほぼすべて飲んだ。インタビューの場である木塚氏の行きつけの店「板前割烹ぎん鱗」では女将すら氏を日本酒の師匠と仰ぐ。氏の薦めで入手できた酒も少なくないそうだ。

「最初はフルーティでふくよかなもの、2杯目からはキレのある辛口を。また、同じ銘柄でも季節や料理によって、冷やから常温など日本酒の温度を変えて飲むとまた違った味わいになりますよ。繊細な風味が抜けてしまいますので、お燗はあまりお薦めしません。また、水と米は時とともに変化していくもの。杜氏から聞いた薀蓄を思いだしながら、味の変化を楽しむのも日本酒の魅力ですね」


木塚勝典が1杯目に飲みたい銘柄

惣邑 ¥1,650(720ml)
「十四代で知られる米、『羽州誉(うしゅうほまれ)』を使用。早摘みを思わせるドライさと甘味が特徴です」


Katsunori Kizuka
1967年生まれ。ヒノデホールディングス取締役常務執行役員、栄製作所代表取締役社長、眞工金属代表取締役、ジャム・インターナショナル代表取締役。国内外を問わず飛び回り、年間およそ120泊、蔵元はのべ100ヵ所近く訪問。

Text=編集部 Photograph=越智達也