【シリーズ秘書】「秘書経験が非常に役立っている」トップオブ秘書が"起業"という選択をした理由

今や、秘書は単なる助手ではない。極めて進化した形は起業やフリーランス。そんな「秘書2.0」たちを知れば経営者たちも新たな働き方を見つけられるはずだ。


起業、フリーランスは当たり前の秘書という職業

グローバル企業の重役秘書のなかでも数少ない「国際秘書検定(CBS)」資格ホルダー。年間十数%の合格率という狭き門を突破した秘書のなかの秘書、中村順子さんが行き着いた先は「起業」だった。

「新卒で就いた秘書アシスタントが私の原点。結婚を機に、大手通信企業で派遣秘書として本格的な秘書業務を担当しました。4年半の間、数人のボスに仕えた後は、国内大手IT商社社長秘書、外資大手IT企業副社長秘書を務め、秘書極めた集大成としてCBSの資格を取得しました」と中村さん。超難関の資格を突破することで、自信と手ごたえを感じたという。

経営者や重役の傍かたわらで秘書業務をするうち、「ゆくゆくは起業したい」と思いを馳せるようになり、キャリアアップに励んだ。そして女性のライフスタイルやワークスタイルの向上を願い、2017年にエリアに特化した家事代行サービス会社「HomeysLLC」を設立する。

「常に間近で経営者を見ているとどんな方にもそれぞれに、『勝ちパターン』があることに気づきました。今でも事業方針に迷った時、『あの方ならどうするだろうか』と考えることがありますね。また、側近との接し方や使い方も非常によい勉強でした。人に任せるなら"甘え上手"が断然トク。自分でやってしまいたくなることも、うまく人に頼るのは経営者にとっても、任されるほうにとっても、大切なことだと考えます」

今年で起業2年目。現在の事業内容は、「秘書経験が非常に役立っている」そう。

「クライアントは経営者や企業にお勤めのご夫婦が多いのですが、そういったご家庭のライフスタイルや志向、どのように接するのがよいのか、何を求めていらっしゃるのかがよく理解できます。それは私がビジネスを行ううえでの最大の武器だと思うのです」


中村順子
Homeys LLC代表取締役社長。1983年生まれ。大手企業で秘書経験を積んだ後、家事代行サービスで起業。現在はパソナグループなどで秘書およびワインに関する講師も務める。

Text=三井三奈子 Photograph=井出眞諭、西村裕介