せっかくのPRタイムを無駄遣いする! 自民党の“昭和型”派閥政治

各界のトップランナーたちのコメントには、新時代をサバイブするヒントが隠れている。当コラムでは、ビジネスパーソンのための実践言語学講座と題して、注目の発言を独自に解釈していく。111回目、いざ開講!

党員が選んだという正統性がなければ、強力な政治を進める上でハンディになる―――自民党次期総裁指名選挙について、候補の一人である石破茂元幹事長

安倍総理大臣の突然の辞任発表で、風雲急を告げることになった永田町。安倍政権の“正統後継者”として菅義偉官房長官が有力視されるなか、ライバルと目される石破茂元幹事長が国会議員の比重が大きい「簡易型」の総裁指名選挙に異議を唱えた。

「党員投票はやるべき。党員の権利を尊重しないと。党員が選んだという正統性がなければ、強力な政治を進める上でハンディになる」

若手からもフルスペックの選挙を求める声が上がるなか、選挙方式を一任された形の二階俊博幹事長は、「理想としては」党員投票をすべきとしながらも、地方人気の高い石破氏に不利とされる「簡易型」で推し進めようとしている。

「政治の空白をもたらしてはならないという広く多くの国民からの要望、命令が当然ある」

「両院議員総会には地方の代表も参加するから、党員のご意見は承ったということにする」

安倍後継をめぐるドタバタを見ていると、今の自民党がいかに世の中の空気を読めていないかがよく分かる。派閥の論理がまかり通り、密室でネゴシエーションを行い、総理の座を自党の既得権益であるかのように扱っている。新政権に期待をしていた人たちも「どうせ菅さんでしょ」となったら、自民党の政策に興味を持つこともしないだろう。せっかくのPRタイムを手放してしまっているのだ。

平成どころか、昭和型の古い政治劇。何より残念なのは、候補者にあがる人たちがすべて60歳オーバー、70歳オーバーであるということ。この未曾有のコロナ禍は、最新の医学やテクノロジーを持って立ち向かわなければならない難局だ。気力、体力が充実していなければ、乗り切っていけるとは思えない。高齢だから気力、体力がないというつもりはない。その経験値が必要になるタイミングも間違いなくあるだろう。でも、だからこそ最前線の現場は不眠不休で働ける若手に任せるべきではないだろうか。

20年後、30年後の日本のあり様を考えるべきは、今の30~50代の人間だろう。昭和の論理を振り回しているような方々には、ぜひ後方支援に回っていただきたい。少なくとも、「なるべく多くの人の意見を聞く」という民主主義の基本をないがしろにしても平気な方々は、第一線から退いてほしいと思う。


Text=星野三千雄