巨匠・操上和美が捉えた偉人たち③【志村けん&尾崎 豊】

クロムハーツのノートカバーで作られた“アルバム”は操上が自分自身のために作ったもの。ページをめくると、今は亡き偉人たちの命が輝いていた。

コメディアン 志村けん(1950-2020)

1991年7月9日撮影/雑誌『SWITCH』1991年11月号

短い時間のなかで探った人気コメディアンの“裏”
突然の訃報に言葉を失ったのは操上も同様だ。撮影を手がけたのは’90年代で、志村さんの全盛期。仕事の合間だったため撮影時間は短かったという。「すごく勘のいい人で臨機応変に動いてくれ、気持ちいい撮影だったことを憶えています」。志村さんの印象は「ダンディで哀愁がある人。とてもシャイなのに、カメラを向けると抜群の存在感を発揮する。表情の裏に潜んでいる“何か”を必死で撮ろうとしていました」(操上)

ミュージシャン 尾崎 豊(1965-1992)

1988年7月14日撮影/雑誌『ROCKIN’ON JAPAN』1988年9月号

若さと苦悩を1枚に収めたい。撮影から1ヵ月後にまさかの……
カリスマである尾崎さんをどう撮るか。操上は撮影前に悩んだという。「尾崎が抱えている思い、尾崎が挑んでいる戦いをどう表現すればいいか考えました。若さとそれゆえの苦悩、その両方を1枚で撮りたかった」。撮影した印象は、「カッコいいけど普通の若者。だからこそ大変だろうなと思った」。その撮影から1ヵ月後、突然この世を去った。「まだ記憶も鮮明だったので、訃報を聞いた時は信じられませんでした……」(操上)

Photograph=操上和美 Text=川上康介