日々修正を重ねる二刀流、大谷翔平の復活劇が始まる!~ビジネスパーソンの言語学105

各界のトップランナーたちのコメントには、新時代をサバイブするヒントが隠れている。当コラムでは、ビジネスパーソンのための実践言語学講座と題して、注目の発言を独自に解釈していく。105回目、いざ開講!

「どのタイミングでも、今日より明日が、打てるようになっている、投げられるようになっているっていう感覚でいたい」ーーー開幕前の調整登板にのぞんだMLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手

2年前のメジャーデビューの時のことを思い出した。オープン戦でなかなか結果がでなかったロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は、シーズンが始まるといきなり二刀流で大活躍。途中、故障での離脱があったものの、終わってみれば104試合に出場し、打者として打率・285、22本塁打、投手としては4勝2敗、防御率3・31という堂々の成績を残し、メジャー史上初の「10登板、20本塁打、10盗塁」まで達成した。

そして右肘のトミー・ジョン手術、左膝蓋骨の手術を経ての今シーズン。コロナ禍で開幕が大幅に遅れ、紅白戦の調整登板では四球を連発していた。「錆びついた」と酷評する米メディアもあったが、大谷選手のなかではそれも想定内。文字通りの調整だったようだ。3度目の実戦登板では、5イニング相当を5安打無失点、6三振を奪うピッチングを披露した。

「全体的にバランス良く投げられましたし、追い込んでからの変化球も、いまひとつのもありましたけど、全体的には前回より進歩している。カウント球も、追い込んでからの直球も、コースにいくボールもしっかりありましたし、良かったかなと思います」

「(打者としては)まずまずいいと思います。ボールも見えてますし、そのなかで、何本かヒット、ホームランも1本出ましたけど、そんなに出すぎていないのもすごくいいかなと思います」

26歳、メジャー3年目とは思えぬ余裕すら感じさせる。自信を持って、過信はせず。この自己分析能力、修正能力こそが大谷が大谷たる部分だ。その根源となっているのが、彼のたゆまぬ努力であることは言うまでもないだろう。調整期間が短かったことについて訊ねられた彼は、こう答えた。

「個人的にはオフシーズンもそこまで、抜くっていう感覚ではないですし、1日1日うまくなるために練習している感じなので。どのタイミングでも、今日より明日が、打てるようになっている、投げられるようになっているっていう感覚でいたいと思っていたので、特にそこに関しては、短かったからっていうのはないかなと思います」

身体能力はずば抜けているし、もちろん野球の才能にも恵まれている。だが、結局大谷選手を支えているのは、「今日より明日」という努力の積み重ねなのだ。故障があろうと、コロナ禍があろうと、自分のやるべきことをしっかりと見据え、そしてそれをやり続けられることが、彼の最大の能力といえるだろう。

世界にはストレスがあふれ、暗いニュースばかりが飛び込んでくる。こんな時期だからこそ彼のような存在には光り輝いてほしい。どんな困難も努力で乗り越えられるということを証明してほしいと、心から思う。


Text=星野三千雄