【小山薫堂×小池アミイゴ】羽田空港で見たあの言葉の意味は? 旅する日本語⑨「奇偉」

今から飛行機に乗ろうと、羽田空港の出発チェックインロビーで頭上を見上げると、 壁面に巨大なアートギャラリーが広がっているのに気づくはず。それは、旅と日本語をテーマにした「旅する日本語」展。放送作家・脚本家の小山薫堂さんが耳慣れないけれど美しい日本語をもとに、旅にまつわる小さな物語を執筆し、 イラストレーターの小池アミイゴさんが絵画を描いたアートプロジェクトだ。このシリーズは、ふたりが作品に込めた想いを綴ったアナーザーストーリー全11集。


奇偉

ミュージシャンを目指していた
彼のプロポーズの言葉は
「君のために必ず全国ドームツアーを
成功させます」だった。
そんな大き過ぎる夢は消えてしまったけれど、
すっかりアウトドアなパパになった彼は、
今、休みのたびに子供たちを
キャンプに連れてってくれる。
ドーム型テントを携えて!
これはある意味、
家族にとって最高のドームツアーかもしれない。

【きい】
比類なく立派である・こと(さま)。


Kundo's Another Story
ちょうどキャンプのことを考えていた時。野球のドームが見える景色を思い出して、そこからドーム型テントの物語が閃きました。

ドームから連想される、ビックな夢のイメージ。それとパパということを考えた時に、何か大きな成功を収めるよりも、家族を楽しませることの方がパパとしては立派なんじゃないかと思ったんです。


Amigo's Another Story
ドーム球場とキャンプ場を同一画面に並べて描ける場所は、福岡しか思いつきません。

足繁く通った福岡の、ドームとキャンプ場のある能古島の距離感などを考えていると、この物語のパパの言ってることがどうにも九州男児っぽいなと。思い当たる友人の顔がいくつも浮かんできてね、それがやはり福岡の人なわけです。

実在する風景にファンタジーを与えつつも、実在の家族を描きこんだ絵です。


旅する日本語展 2018
国内線第1旅客ターミナル2階南北出発チェックインロビーにて「11」の日本語をテーマにした放送作家・脚本家の小山薫堂による旅の物語と、イラストレーターの小池アミイゴが色鮮やかな絵画を展示中(2019年の3月31日まで)。旅の物語と写真を全国から募集する「旅する日本語投稿キャンペーン」も、7月2日から開始予定。詳しくは公式HPまで。
https://event.tokyo-airport-bldg.co.jp/tabisuru/

Text=加藤久美子(ゲーテWEB編集部)

小山薫堂
小山薫堂
放送作家、脚本家。1964年熊本県生まれ。『料理の鉄人』など多くのTV番組を企画。脚本を手がけた映画『おくりびと』では、アカデミー賞外国語映画賞受賞。名レストランの経営手腕にも注目が集まる。
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