【倉科カナ】「究極のインドア派、自己アピールも苦手。でも……」 <画像全16点>

2009年から連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ注目を集め、その後は多くのドラマ、映画に出演。現在、映画『あいあい傘』で主演を務める倉科カナさんに女優という仕事についてインタビューを行った。


役を演じていないと自分が存在していないように思える時がある

「女優の仕事は正解もセオリーもなく、"なぜ上手くできないの"と考え始めたら、底なし沼みたいな自己否定に陥ります。辛くて他の職種の求人情報を見ることもしょっちゅう(笑)。思い留まるのは、自分にも予測不能な感情が生まれる瞬間が好きだから。今回の映画では全編でそれを感じました」

倉科カナがそう語る主演最新作『あいあい傘』。演じたさつきは、25年前に家を出た父親との再会を果たす女性だ。脚本を読み「これは自分の役だ」と確信したのは、自身も同じ境遇にあったからだという。

「今回はほぼ役作りせず、"父に会いたい"という思いだけ抱えて現場に入りました。父への愛情と腹立ち、待ち続けた母への思いを抱えるさつきは、父の今の家族を簡単には認められない。そういう複雑な心情がどこで、どんな形で溢れだすか、その瞬間までわからない場面も多かったですね」

時に思いを爆発的に吐露するさつきに比べ、倉科本人はどこか控えめ。究極のインドア派で、自己アピールも苦手だ。

だが30代になった今は、やりたいことは自分から少しずつ発信し、新たな挑戦を求めて外に出ることも意識している。そこには彼女なりの覚悟があるようだ。

「役を演じていないと自分が存在していないように思える時があります。自分と、女優の自分は、ふたつでひとつ。自分の日常が空っぽなら、女優としても枯渇してしまう。辛くてもずっと続けてゆきたい。女優は私の生きがいですから」

Kana Kurashina
1987年熊本県生まれ。2009年から連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ注目を集め、その後は多くのドラマ、映画に出演。主な出演作に映画『夢売るふたり』『ジ、エクストリーム、スキヤキ』『3月のライオン』などがある。
トップス¥28,000(MMA/M incorporated103・3498・6633)、ピアス¥34,000、リング¥38,000(ともにflake/flake103・5833・0013)


『あいあい傘』
小さな田舎町で平穏に暮らす玉枝と六郎のもとに現れた女性は、25年前に六郎が捨てた娘・さつきだった。父娘の再会と夫婦の秘めた思いを、笑いと涙と温かい人情で描くホームドラマ。
監督・脚本:宅間孝行
出演:倉科カナ、市原隼人、立川談春、原田知世ほか
配給:S・D・P
全国公開中

Text=渥美志保 Photograph=井出眞諭 Styling=多木成美(CONTEMPORARY CORPORATION)  Hair & Make-up=野中真紀子(éclat)