【サイバーエージェント流】仕事の悩み相談⑤ 「エンジニアや外国人スタッフとの意思疎通が難しいです…」

1998年の創業以来、インターネットに特化した広告事業を展開し、業界最大手に成長したサイバーエージェント。現在は「AbemaTV」をはじめとするメディア事業やゲーム事業などでも、時代に合った有益なサービスを提供している。そんな成長・拡大を続ける日本のIT界を代表する元気な企業、サイバーエージェントのインターネット広告事業部門の若手営業幹部に、多くの企業、管理職が抱える悩みを相談。第5回は、エンジニアなど専門性の強いスタッフや外国人雇用者と上手なコミュニケーションを取る方法について聞いた。

回答者:淵之上弘(36歳)

サイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括

職種・国籍は気にしない

僕は2008年にサイバーエージェントに中途入社し、インターネット広告事業本部にて営業に従事。現在は営業部門、グローバル部門、オペレーション・テクノロジー部門の統括を務めています。チームには営業はもちろん、スタッフ職やエンジニアもいる。グローバル部門も担当していますので、国籍もさまざま。中国、韓国、台湾、インド、アメリカ……。職種も、人種・国籍も多様なんです。

「エンジニアなどの職人気質の人や外国人とコミュニケーションを取るのはたいへんでしょう」と言われることもあります。でも、困難に感じたことはありません。エンジニアも外国人も同じ人間。人としては、何も変わらないと感じています。

エンジニア職にいえることは、当然ながら営業と彼らとは合理が異なるということ。営業には数値で示される目標がありますから、そこに達するまでの道筋をロジカルに描きやすい。でも、エンジニアは物を生み出すのが仕事。直感的なひらめきも要求されます。

その違いを解消するには、納得感のある目標設計と、会話を重ねることです。それらがしっかりと論理的に伝わり納得してもらえたら、理解はとても早いです。

僕は営業の出身ですから、エンジニアの会話についていけないことも多い。専門的な用語や仕組みなど、よくわからないですから(笑)。でも、価値観や目標は共有することができる。

僕は会話の際に、サイバーエージェントに入社したきっかけを聞くようにしています。「どうしてサイバーエージェントに入ったのか?」。みんな、当初は高い目標を持っているものです。「日本一のエンジニアになりたい」「日本一もしくは世界一のサービスを創りたい」というような答えが返ってきます。それから、「いまもその気持ちは変わらない」のかを確かめます。本気度を探り出すんです。

力を発揮できる「適材適所」を意識

当初の思いがブレていないのに、仕事がうまくいっていない人は、仕事内容が合わないというケースが多いんです。ひと口にエンジニアといっても、タイプは千差万別ですから。

僕のモットーは「適材適所」です。これは尊敬する先輩に聞いた話で、僕自身いまでも意識していることなのですが、適材適所を陸上競技にたとえたとき、100メートル走が速い人、フルマラソンに向いている人、競歩が得意な人がいる。人には向き不向きがあります。

メンバーをきちんと見て、100M走が速い人にフルマラソンをさせてないか? いまの仕事が、その人にとって最も活躍できるフィールドであるか。100M走が得意な人には、短距離走をやってもらうことが一番活躍できるし成長ができます。    

それを確認するのも僕の役目です。各個人の強み・個性を生かすマネジメントになっているかを考え、改善しなければならないと判断したときは、配置換えやほかの業種に修業に出すなどの手を打ちます。

外国人メンバーとの向き合い方も基本は同じです。ただし、“お国柄” というのか“文化の違い”を感じることはあります。ストレートな言い方を好みますし、しっかりと自分をアピールすることができる。

例えば、日本人は話の流れや場の空気を読みながら話をしますが、それを、「空気が読める」と捉えるのか、それとも「はっきりとものを言わない」「意思がない」と捉えるのか、受け取り方は変わってきます。逆もしかりですね。

日常と非日常を使い分ける

対話を重要視しているので、毎日、ランチや飲み会が続いています。週に4~5日は飲み会ですが、飲まない人向けには食事がメインになる店を選ぶなど、相手に合わせて使い分けています。

飲み会は3~4人が理想ですね。人数が多過ぎるとしっかりと話ができないし、1対1は相手が構えてしまいます。話しやすい雰囲気にするため、飲み会に呼ぶメンバーの構成も考えています。

チーム全体の施策としては、「プロフェッショナルⅠO」というイベントを年2回のペースで開催しています。さまざまな分野のプロフェッショナルメンバーから、「営業の極意とは?」「エンジニアがスタートダッシュを決める方法」など、テーマを設けて話をしてもらうことで、社内に溜まっているプロフェッショナルのノウハウを引き出し、組織成果に還元させることが目的です。

参加者は70~80名で、会場は社外のホールなどを借りて行います。社内の会議室で行うことも可能ですが、大事な内容を話すときや決めるときには、社外の会場をおすすめします。というのも、会社の合宿などもそうですが、場所を変えると場所とセットで記憶に残ります。「あの場所で、あの話、したよな」と、日常と異なることで共通認識として残ります。社内の会議室では、いつ、どんな話をしたのか、記憶が曖昧になりやすいです。

大事なことを決めるミーティングや合宿、規模の大きなイベントも、できる限り日常と異なる会場でやると良い。「日常と非日常を使い分ける」。これが僕のおすすめです。

Hiroshi Fuchinoue
2008年、サイバーエージェント入社。インターネット広告事業本部にて営業に従事。日本最大手のクライアントを長きにわたり担当。営業マネージャー、局長を経て、2014年に統括に就任。リスティング広告、ディスプレイ広告、インフィード広告などのコンサル組織の責任者やオペレーション部門を担当し、現在は営業部門、グローバル部門、オペレーション・テクノロジー部門における営業とスタッフ職、エンジニアの統括を務める。


Text=川岸 徹 Photograph=鈴木拓也

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