元NMB48須藤凜々花の「りりぽんのスキスキ委員会」#1.5

2017年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にNMB48を卒業した須藤凜々花。彼女がテレビや取材では言い切れなかったこと、捻じ曲げられて伝わってしまったこと、そういったものを赤裸々にではなく、丁寧に書いていく連載コラム。


ひそかに清く自己を保存せよ。
自分の周りは荒れるに任せろ。
by ゲーテ

うん、今日も荒れてますね。

入籍した4月13日の次の日から夫と同居し始め、ほぼ一ヶ月が経ちました。
毎日が新鮮で、とても面白いです。
何より自分自身の成長に驚く日々です。

例えば、
ハンバーグに必須な謎の調味料“ナツメグ”(致死量あり。こいつはやばい。)を買うかどうかを30分スーパーで悩んだり、
三角コーナーやお風呂の排水溝に被せたネットを週一で取り替えたり、
カーテンを洗ったり、(カーテンを外す時に一本付けるところ折った。プラマイゼロ。)
からになっても冷凍庫で冷やされ続けるアイスの箱を捨てたり……、
それを黙ってできる女になったのです。

決して褒められず、知られずとも、ただ黙々と。これが愛のなせる技か。これは“常に褒められたい病”の自分史上中々凄いことだ。
そしてこれは私だけではありません。

クローゼットを開ける度にハンガーとS字フックが増えていたり、
amazonから天然水がたくさん届いていたり、
いつの間にかWi-Fiが繋がっていたり、
洗濯機のフィルターが掃除されていたり、
夫がしてくれた事に気づく度、感謝の気持ちでいっぱいになります。

そして同時に、それら以外の認知しきれなかった思いやりがまだあるんだろうなと思うと辛くなります。

認知されないことがあるということは、認知できていないことがあるということで、それはつまり“永遠に失われる部分”があるということです。
毎日を一緒に過ごすことが、相手を知り尽くすことにはならない訳で、油断するととんでもないことになる。

永遠の愛を誓った相手をやがて大嫌いになる。これは凄いことだ。
好きな人の前で油断できるようになるって素敵だけれど、
相手からの思いやりを汲み取り続ける努力を忘れたら…。

やっぱり結婚は怖い。

そして皆様、前回は焦らしてすみませんでした。

“マリッジブルー”ならぬ“マリッジバッド”に陥った理由の説明を放棄して終わらせてしまったのですが、
正直、自分の感情に論理が追いついていなかったのです。
しかし私は自分のどんな直感も愛しています。どんな直感も。

「婚姻届を区役所の前で、彼の前で破りたい。そしたらもう一回書いてくれるだろうか。怒るのかな。そしたらなぜ怒るのだろう。理解できないことをしたから怒るのかな。紙を守るために私を怒るのかな。」「結婚するのが怖い。逃げたい。」「未来の私よ、今の私の気持ちをどうか忘れないでね。」

大好きな人と婚姻届を出しに行く道中、場違いに込み上げてきたこれらの直感も、余さず受け止めました。

そして、バグりました。

そんな中絞り出した”マリッジバッド”になった理由の結論が、
前回言った
①長期的関係になること
②我慢すること
③自由が制限されることへの実感
これら三つの要因から出てきた不安、及び恐怖によるものだということです。

落ち着いてきた今、腑に落ちきった感があるのでホッとしています。

早速①について。
私は、
短期的関係=お付き合い
長期的関係=結婚
だと思っています。

この二つの違いは、
短期的関係=明日会えるかどうかが心配
長期的関係=明日会えるのが嬉しくならないかどうかが心配
という点です。

お付き合いしている時は次にいつ会えるかが何より大事で、今を生きている感じがします。しかし、結婚は死ぬまで一緒にいる前提です。
これからずっと生活していくという現実は、不安のハードルを下げます。

「この人は店員さんに当たりがきついから将来DVをするかもしれない」
「食の好みが違うから苦労するかもしれない」
「彼は若いからまだ遊びたいかもしれない」
家庭のこれからを思うあまり、目の前の今を、自ら断ち切ってしまいやすい状況になるのです。

長期的関係になると、
「こういう所嫌い」
と気軽に言えない。
なぜなら、指摘された方は関係性を保つために、直し“続け”なきゃならない。面倒くさい。性格的に合わない。ずっと一緒にいるなら楽にいられる人の方がいい、となるから。

かと言って指摘しなかったら、今度はこちらが我慢し“続け”なきゃならない。
“ここ嫌い”=“離婚したい”につながってしまう。つらみ。

②我慢すること

私は「結婚は我慢だ」という言葉が嫌いです。我慢したくないし、我慢されたくないからです。
かわいい女の子の画像や動画で我慢して誇らしげにされるよりも、他の人とエッチをして罪悪感で(精神的に)死んでほしいです。

過激なことを言いました。

しかし、①でも言ったとおり、我慢する場面がたくさんあるのは事実です。
それでも、結婚は我慢じゃないと思い続けなきゃならないと思います。
なぜなら、我慢していることすら忘れてしまうからです。これが私にとって一番怖いです。

例えば、「どうしてそんなに元気ないの?」という言葉。元気なのに元気が無くなるから嫌いなのですが、彼に言われました。婚姻届を出す前に(笑)。

好きな人に言われる嫌いな言葉はなかなか趣深いものがあります。
自然と、全細胞がその言葉を好きになろうと努力し始めるんです。
これは素敵なことだと思います。

好きな人ができて、確実に好きなものが増えました。普通に素晴らしい。
でも、これは我慢に感じないけれど、我慢に入るのではないか?と思い始めました。

こういうことが積み重なって、今まで自分の嫌いだったものやこだわりが消え去って、自分が自分で無くなるのではないか。しかもそれに気づくことは死ぬまでない。怖い。つらみ。

③自由が制限されることの実感

これは、一番深そうにみえて浅い理由です。
単純に、家計簿をつける為に自分の買った物を報告しなきゃいけない。
買い物で失敗できなくなる。
買い物に善悪の基準ができる。
つらみ。

以上3つがマリッジバッドの要因でした。

ふぅ〜、スッキリした。

今、区役所の前で結婚に怯えていた時の私に言いたいのは、

あなたのおかげで結婚が楽しいです。

ありがとう!!!!

もう少しで結論が出てよく眠れるよー!!!!

ということです。

私はよく、
「結婚をナメてる」
「人生をナメてる」
と言われます。

その人たちに言いたいです。

これを読んで。笑

今日もここにド派手に自己を保存します。

荒れろ荒れろー。笑

次回は、これらをどう乗り越えたか、
そろそろ結婚の良いところを伝えていきたいと思ってます!!笑

またねー!

スキスキ委員会委員長りりぽん


Photograph=斉藤大嗣 Stylist=平みなみ Hair & Make-up=竹中真奈美
衣装=ベルスリーブワンピース¥27,000(HENZA LOS ANGELES/ヘンザ ロサンゼルスTEL03・6721・0566)


須藤凜々花
須藤凜々花
1996年東京都生まれ。2013年「第1回AKB48グループドラフト会議」において、NMB48に加入。NMB48の12thシングル「ドリアン少年」ではセンターを務める。’17年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にグループを卒業、現在に至る。著書『人生を危険にさらせ!』(堀内進之介との共著、幻冬舎)。
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