【独占インタビュー】すべてにおいて一流を求める武豊が考える究極のモノ作りとは?

JRA騎手の武豊が10月15日、KASANEが製作したオートクチュールのようなゴルフクラブブランド「MUQU」(ムク)とアンバサダー契約を結んだ。ゲーテWEBでは、契約発表イベントで武豊をインタビュー。本業の競馬のみならず、クルマや時計、そしてゴルフクラブにおいても、さまざまなモノに対して一流を求める競馬界のレジェンドが考える究極のモノ作りとは一体——。


一流ジョッキーがなぜ究極を求めるのか?

(左から)アルペン岡本真一郎ゴルフ商品部部長、武豊、KASANE迫田邦裕代表取締役

なぜ、一流ジョッキーの武豊が、ゴルフクラブと契約を結んだのか。それは、究極のモノ作りを追求する「MUQU」というブランドのコンセプトに惚れ込んだからだという。

競馬で使うステッキ、ゴーグル、ブーツ、鐙など本業で使う道具に関しても選びに選び抜いて究極のモノを求めて来たが、趣味であるゴルフにおいても、それは同じ。「MUQU」は、50年間自動車のドア周りに装着される雨漏り防止のゴム部品「ウェザーストリップ」の金型製造をしてきたエムエス製作所が、その技術を利用して完成させたゴルフクラブだ。純粋無垢な鉄からフルミドルで作られ、素材となる鉄は選び抜かれたものからオートクチュールのようにセレクトできる。そして、CAD設計という特殊な技術により、100分の1の精度で鉄を寸分の狂いなく削り出して、自分だけのアイアンを生み出す。

ゴルフのベストスコア「75」という腕前を持つ武豊。ゲーテWEBでは、アンバサダー契約発表イベントでインタビューに成功した。

——実際に完成品を見た印象を聞かせて下さい。

綺麗だなというのが第一印象。かっこいいですね。あとは、早くゴルフ場で打ちたいな。行きたくなりますね。いいスコアが出てほしいと思うし、早く楽しみたいですね。ただいいスコアを出すだけじゃなくて、MUQUにはプラスアルファがあるんじゃないかなと思っていて。「自分だけのもの」とか「所有している喜び」とかね。高級品ですし、ひとつひとつ色々な人の労力がかかって作られているものだから。自分が使うというのが不思議な感じがします。アマチュアゴルファーって、みんな競い合うように「これどう?」とか「それ何使ってるの?」というふうに道具を自慢するし、やっぱり好きなんですね。早くその場も来て欲しい。黙ってこれを使っていて仲間から「それどこの?」ってなるのが楽しみです。

——どこに一番惹かれましたか?

やっぱり、オーダーメイドなので世界にひとつしかないものが出来上がるというワクワク感ですね。日本のモノ作りにも興味がありますし、MUQUの技術を使って競馬でも何か専用のものができないかな?と考えてしまいました。

——そもそも、ゴルフを始めたのはいつですか?

子供の頃、ジョッキーだった父がゴルフ好きで、家にネットがあって遊びでやってきたのが始まりですね。18歳で騎手としてデビューして、先輩や父からゴルフを覚えた方がいいと言われて本格的に始めました。初ラウンドは「99」。若い頃に岡本綾子さんと回った時、「あなた本気でプロを目指した方がいい」と言われた時は驚きましたね。

——ベストスコアは?

「75」です。20年以上前ですけど、すごく調子が良くて、「37」「38」で回りました。70台は何度か出したことがあるんですけど、最近は80〜90台ですね…。またこうやってMUQUを使うことになったら、またゴルフ熱も自分の中でさらに上がりそうだし、もう一度スコアメイクもしてみたいなという気分にもなりますね。

——いつもは、どんな人と一緒にゴルフをするのですか?

今季で引退したイチロー選手とは、オフの時に年に1回ゴルフをしてましたね。彼は始めるのが遅かったのか、打ち方も右利きだし、そんなに上手くない(笑)。うれしくなるよね、あのイチローがファールチップするんだから。ただ、ゴルフクラブを持って走る姿は、イチローそのもの。最近、ゴルフ熱が上がってきているみたいだし、このオフは久しぶりに一緒に回りたいですね。

——タイガー・ウッズともまわったことがあると聞きました。

テレビの企画で2回、まわったことがあるんです。ショートホールで1回だけタイガーの内につけたことがあるのは自慢です。ただ、僕がパーで、向こうはバーディー。勝てると思ったらだめですね。

——そのタイガーの復活はやっぱり刺激を受けましたか?

そうですね。タイガーはやっぱりスーパースター。ゴルフファン以外でもみんなやっぱりタイガーが好きだし、それだけの人なんだと思う。復活は勇気づけられましたし、活躍している姿を見て「よし、頑張ろう」となりました。僕の方が全然年上なんですけどね。

——ジョッキー仲間で、この人はゴルフが上手い、下手という人はいますか?

幸(みゆき)英明ジョッキーは本当に上手いですね。アンダーでまわりますから。彼は騎手として出場記録を作った年に、年間200ラウンドもまわったそうです。騎手は平日に早朝の調教が終わった後に時間がありますからね。一方で、ルメール騎手は毎週レッスンにも行っているそうなんですけど、上手くない(笑)。僕の記録を抜くぐらい競馬の実績は今や国内ナンバー1ですが、それは関係ないんですね。ルメールにもMUQUをワンセット作らせようかな(笑)

——本日の契約発表イベントも、東京競馬場で騎乗後に来ましたね。いつも分刻みのスケジュールなのですか?

きょうはたまたま。イレギュラーですね。でも、競馬ってゴールをしたら「次」のことを考えなければならない。もちろん負けたら悔しいし、反省するけど、そこにそんなに時間はかけない。きっちりやることをやったら、もう終わりなので。

——最後に少しゴルフとは話が変わりますが、先日の凱旋門賞について。フランスに行く前には騎乗が取りやめになったと聞いていましたが、現地についたら乗っていましたね。

乗れましたね。やっぱり行ってみるもんですね。やっぱりそこにいたから乗れたし、諦めて日本にいたら乗れなかった。フランスに行く前は、凱旋門賞とは違う1レースだけしか騎乗できない予定で、行かないという選択肢もあったんですけど、「いや、行く」と言って行った結果が5レースも出ていた。凱旋門賞は世界で12頭しか出ていませんし、やっぱり行動してみるものだと改めて思いました。たとえ1レースだけでも、やっぱりその日にロンシャンにいたいという気持ちがありますからね。結果は6着だったので、それで満足してはいけないですけど、騎乗できたのは、やっぱり嬉しかったですね。長年ヨーロッパに通い続けたかいもあったのかなと思って。

【正規販売店】MUQUオフィス、GOLF5プレステージ新宿店、松坂屋名古屋店、Cool Clubs JAPAN。武豊とのコラボレーションアイアンは10セット限定。セット販売のみで¥2,500,000


Text=鈴木 悟(ゲーテWEB編集部) Photograph=吉田タカユキ


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KASANE MUQUオフィス TEL:052-880-2620