オーラルケアの風雲児! シャリオン角田哲平の“輝かしい挑戦”とは?

「世界中に笑顔を増やしたい」との思いから、シャリオンを設立した角田哲平。最先端のオーラルケア商品の開発や発展途上国での「歯磨き教室」開催など、従来の型にはまらない試みは、オーラルケア業界に新たな市場を切り拓く。

成功する経営者は歯が命!

誰もが憧れる、白く美しい歯。健康的で白い歯は自信を生みだし、最高の笑顔をつくる。

誰もが笑顔になれる社会を実現するため、最先端のオーラルケア・ホワイトニング事業を展開し、世界最高の「笑顔のメーカー」を目指しているのが、角田哲平率いるシャリオンだ。

2015年創業という6年目のベンチャーながら、目覚ましい成長を遂げ、業界に革新を起こし続けている。その躍進の原動力となっているのが、セルフホワイトニングシステム「WHITENING NET」だ。

利用者はたまご型のポットに座り、独自開発のホワイトニング溶液を歯に塗布しブラッシング。歯を白くしながらオーラルケアもできるという仕組みだ。既存事業の空きスペースを活用して設置できるという、低コストで導入しやすいビジネスモデルも話題となり、現在ではアジア6ヵ国、日本国内では5500以上の美容サロンやジム、会社の福利厚生などでこのサービスを導入している。

シャリオンを30歳の若さで立ち上げた角田。そのリーダーシップや行動力は学生時代から培われてきたものだという。

「クラスの学級委員やサッカーチームのキャプテン、応援団長など昔から人をまとめる立場になることが多かったですね。あと、高校から空手を始めたのですが、18歳で出場した九州大会ではベスト4までいきました。とにかく負けず嫌いで、やると決めたからには全力でぶつかっていきたい性分なんです」

新人時代からトップセールスを記録

地元の大学で経営学を学んだ角田は、営業職に魅力を感じるようになり、建設資材を扱う商社に就職。入社直後からトップセールスを記録し、社内に張りだされる営業成績のグラフも、用紙からはみ出すくらい突出していたという。

“すごい営業マンがいる”という噂は社外にも広まり、入社4年目には東京の情報通信系の企業からヘッドハンティング。扱う商材は通信やWEB関連の機器に変わったが、そこでもトップセールスを記録し続けた。

「営業成績を上げるために大切なのは、徹底的な準備です。普段からロールプレイングに励み、相手がこう質問してきたら、こう返すという引きだしをできる限り用意しておく。成績が悪い営業マンはその引きだしが少ないから、咄嗟の対応ができない。営業は“その場で決めてもらうこと”がすべてなんです」

万全な準備は、セールストークに限ったことだけではない。営業マンにとって、身だしなみは重要な要素だ。

「見た目に清潔感があることはとても大事です。清潔感のある人は、それだけで相手にいい印象を与えますよね。特に、私は歯については学生時代から人一倍気をつかっていました。白い歯を維持するために1日数回、食後は必ず歯を磨く。もちろん、デンタルフロスやマウスウォッシュも欠かしたことがありませんでした」

週2回通うパーソナルトレーニング。「バーベルやダンベルを上げる瞬間は、仕事のことを忘れられる。無心になれる時間も大切です」

オーラルケア業界でベンチャー起業を決意

そんな歯磨きの習慣が、社会人になってからは思うように続けられなくなった。出張も増え、忙しい出先での昼食後は、衛生的とはいえない公園のトイレなどで歯を磨く日々が続いた。

不便に感じながら過ごしているうちに、ふと立ち寄ったドラッグストアで衝撃的な出合いがあった。ドラッグストアの一角にオーラルケア用の機器が置かれており、セルフサービスで使うことができるという。角田は迷わず試してみた。

「直感しましたね。どこでも手軽に自分でできるオーラルケア。これはきっと大きな事業になるぞって。すぐに起業を決意し、勤めていた会社に辞意を伝えました」

’15年、角田はシャリオンを設立。フランス語で、人を大事にするという意を持つ「シャルテ」とライオンを意味する「リオン」を組み合わせ、命名した。みんなの笑顔のため、どんな困難も乗り越えていくという決意表明だった。

早速角田は、機器の製造工場を探す。技術の高い中国の工場で試行錯誤を重ねて完成させたWHITENING NETは、コンパクトサイズが売り。ドラッグストアやネイルサロンの一角など、1畳程度のスペースに設置することが可能だ。店側は本業のビジネスだけでなく、ホワイトニング目的の客を呼びこむことができるなど、設置店へのメリットは大きい。

「商品に自信もあり、すぐに結果が出るかと思いきや、はじめは苦労しました。でも、東京ビッグサイトで行われた美容系の展示会に出展したところ、状況が一変。WHITENING NETがテレビ局のスタッフの目に留まり、TBSの情報番組『がっちりマンデー!!』で紹介されることになったんです。放送直後から、とんでもない数の問い合わせが殺到しました」

成功に満足することなく次の“ゼロイチ”を目指す

思ってもみなかった幸運もあり、WHITENING NETが軌道に乗った角田。だがそれに満足することなく、次々に新規事業を立ち上げていく。

「BtoBの次は、BtoC事業を始めたいなと。歯磨き粉、歯ブラシ、フロスといったオーラルケア商品のブランド『美歯口(びはく)』を立ち上げ、ネット販売を始めました。現在の主力商品になっているのが、『30DAYSホワイトニングキット』。30日分の歯磨き粉と歯ブラシのセットで、歯磨き粉はパックに小分けされています。毎日開封して使用するため、清潔。日本はもちろん、衛生管理が行き届いていない発展途上国にもニーズがあると思っています」

欧米に比べると、日本でさえ、歯に対する意識は低い。定期的に検診を受けている人はわずか2%で、歯周病患者も多い。

そこで、角田はオーラルケア雑誌の創刊や『美歯NAVI』という地上波初の歯のテレビ番組を制作。雑誌では著名人のインタビューやファッション特集を掲載、テレビでは豪華ゲストが出演し、楽しみながら歯の大切さを学べる機会をつくった。

「世の中にないものを作りだすのが好きなんです。『世界でいちばん、笑顔をつくろう』というシャリオンの理念にかなったオーラルケア事業であれば、どんどん新しいことをやってみたい。僕自身、常に新しいアイデアを探していますし、部下にもそれを求めています。彼らからのアイデアを、しっかりとくみ上げられる。そんな組織に成長していきたいですね」

とはいえ、ゼロからイチを生みだすことは簡単ではないはず。角田流の発想術を聞いた。

「常にアンテナを張りめぐらせて、情報を集めることでしょうね。例えば、歯磨き粉。僕の自宅には、海外のものも含めて100種類以上の歯磨き粉があります。使ったことがない歯磨き粉を見つけたらすぐに購入して試してみる。何にでも興味を持ち、実際に体験し、知見を貯めていくことがとても大切だと思います」

シャリオンは国内外を問わず、子供たちを対象に歯磨き教室を開催している。2020年2~3月にはカンボジアの孤児院を訪問。カンボジアの家庭には歯磨きの習慣がなく、30人中20人が虫歯になっているというデータも。角田は現地の子供たちに歯磨きをレクチャーしながら、虫歯予防の大切さを伝えた。

また、シャリオンはオーラルケアを通じて発展途上国への支援も積極的に行っている。今年の2〜3月には、カンボジアの孤児院で「歯磨き教室」を開催し、子供たちに虫歯予防の大切さを伝えた。

「カンボジアを含め、アジアはオーラルケアに対する意識がまだまだかなり低い。そんな状況を少しでも改善したいんです。将来的にはこういった活動をもっと発展させて、アジア各国に学校をつくりたいとも考えています。オーラルケアの大切さを伝え、生活水準の向上につなげていく。歯を綺麗にすることで世界中に笑顔を咲かせていきたいんです」

角田流 営業の極意3ヵ条!

1.案件の“持ち帰り”はダメ。その場で「即決」を目指せ!
セールスの場で「持ち帰って、検討します」と言われる営業マンは成績が伸びない。相手のどんな質問にも答えられるよう、商談の想定問答と情報収集を徹底。「即決」が好成績のカギだ。

2.「自分がナンバーワン」との自信を持って戦いに挑め!
相手は自信のないセールスマンから商品を買わない。「ナンバーワンの担当者から買いたい」と思っている。「成績トップの私が言うのだから間違いありません」くらいの強気で現場に挑むこと。

3.清潔さをアピールする服装やオーラルケアも抜かりなく!
清潔感のある見た目も、営業現場での大切な礼儀作法のひとつ。特に口元は相手の目線が集まりやすいので、入念なケアが必要。食後の歯磨きはもちろん、ホワイトニングも意識したい。

Teppei Tsunoda
1984年福岡県生まれ。九州産業大学経営学部卒業。地元の商社に入社し、その後東証一部上場企業に転職、トップの営業成績をあげる。2015年にシャリオンを設立し、オーラルケア商品の製造、開発、販売を行う。同社のサービスを導入する加盟店は、現在約5500店。
https://charion.co.jp/


Text=川岸 徹 Photograph=古谷利幸、吉田タカユキ