金融界のカリスマ松本大が“愛され社長”である理由

東大から外資系証券で大活躍して、ベンチャーで大成功。経歴からは近寄りがたい切れ者の印象を持つが、その実態は、かなりのゆるキャラ。でもそれこそが彼が愛される理由なのだ。

『返り血の匂いがする』といわれた時代もあった

ゴールドマン・サックス証券時代は、伝説のトレーダーとして莫大な利益を上げ、30歳にして最年少のゼネラル・パートナーに。だが、数十億円といわれる上場益を目の前にしながら、独立して、35歳でインターネット証券界に進出。以来、マネックス証券は、金融界で常に注目を集める存在であり続けている。 しかも、2014年9月にはテレビ東京の大江麻理子キャスターとの結婚を発表した松本大社長。どうしても、キレッキレのエリート社長を想像してしまうが、社内の女性たちの評判を聞くと、どうもそうではないらしい。 「飲み会で社員と一緒になって、割り箸を鼻の穴に入れていた」、「立ち食いそばに行ったりする」など。証言の数々は、彼がゆるキャラ的"愛され社長"であることを教えてくれる。

「えっ!? そんなにゆるいかなあ。これでもゴールドマン時代は、いつもNYの本社とやりあっていて、怒鳴ったり喧嘩したりが普通。当時の仲間には『お前からは返り血の匂いがする』と言われたくらい(笑)。15年前のマネックスの立ち上げの時期も同じようなもの。気を張ることで、プレッシャーを跳ね返していたのかもしれません。

ゆるいだけじゃないよ 「難しいことを誰にでもわかる言葉で説明できる」、「社員全員の名前、顔、仕事内容を理解している」「新人の頃、飲み会で悩みを相談したら『俺もそうだったよ』と自分の経験を語ってくれました」「どんな質問も嫌がらず、丁寧に答えてくれます」

まあ、でもこの10年くらいは、確かに穏やかになったかも。自分で動かなくても、周りがしっかりやってくれるので、暴れる必要がなくなりましたし。性格も自分の周りにクッションができたような感覚があります」 女性社員の証言を聞く限り、彼女たちにとって松本社長のクッションは相当柔らかいようだ。 「自分を理解してくれる仲のいい親戚のオジサンという印象です。すごい人だとわかっているんですが、なんだか可愛いんですよ」(女性社員) 可愛いオジサンは、愛される。彼のような切れ者なら、そのギャップも魅力的なのだろう。

Text=川上康介 Photograph=吉場正和

*本記事の内容は14年11月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)