Francfranc髙島郁夫の深すぎるサーフィン&故郷・福井愛!

サーファー仲間と行ったメキシコの地。そして自身のオリジンである福井の存在。豊かなライフスタイルを探求し続けるFrancfranc代表取締役社長執行役員 髙島郁夫氏が思い出を振り返る。


心身を解き放つ、髙島氏の至高の場所とは?

半世紀近くもの間、世界中の粋を見続けライフスタイルを提案している髙島郁夫氏。特に多く訪れる土地は、かつてビジネスの拠点としていたこともある香港や、視察や商談で訪れるヨーロッパだ。イタリアで工芸家具作家のクラフトマンシップの虜になったり、「先週パリでデザイナーの森田恭通くんと食べた白トリュフの手打ちパスタ、あれはパスタの概念が変わるほど衝撃だった」と新たな食体験に巡り合ったり。

そんな旅慣れた髙島氏が、自らの考え方をリセットさせられたかのような体験をしたディスティネーションを2つ挙げた。ひとつは盟友でもあるZETTON代表の稲本健一氏と行った「カボ サーフ ホテル&スパ」。サーフトリップを目的としたホテルにはあまりないタイプの、ラグジュアリーで大人のためのホテルだ。

「サーフィンができればそれでいい、という居心地は二の次のようなB&Bホテルはサーフスポットでよくみかけるけれど、ここは抜群に気分がいい。朝食のレベルも高く、レンタルボードのセレクトも絶妙。トータルでセンスがいい」

サーフィンをこよなく愛する彼だが、サーフトリップの場合、自分好みのしっくりくる宿がなかなか見つからなかった。このサーフリゾートホテルに出会ってから、芯から寛ぎ心身を解放できることを知ったのだ。

そしてもうひとつのディスティネーションは日本にあった。

生まれ故郷の福井である。田んぼが広がる風景、冬の雪景色。その原体験を遡るようにして今、思うのは、福井という自分のオリジンで「何かしたい。新しい形が発信できるかも」ということ。いいものなのに廃れていくモノや地域を見て、何かできるのではないか、やり方があるんじゃないかな、と考える。

「自分が60年以上生きてきた今だからこそ、新しい何かができるかもしれない。文化、歴史だって世の中にもっと発信していけるし、資源もある。本来の価値を見出し、送り出すことができるのではないだろうか」

彼は今、古民家を現代的にリノベーションし、地元の若いアーティストや起業家との交流の場にしたいと思っている。器やインテリアも、自分の目で納得したものだけを置く。地元にあるものと研ぎ澄まされた新しい感性が合体したら、もっと魅力的な観光の国になるのに……と。

「地方でも気づいている若手はいるんです。自分のオリジンといえる場所で、新たな才能のサポートをしていきたい」

歳の離れた経営者やアーティストとの交流も多く、彼らの柔軟な思考にとても刺激を受けているという。

「福井にはいい和紙問屋がたくさんあるんだ。それを取りまとめている杉原商店という企業がすばらしいギャラリーを持っていてね。そのギャラリーは同じく福井出身の水谷壮市さんがデザインで入っていてプレゼンテーションもかっこいい。こういった“すばらしいけど埋もれているもの”をグローバルへと繋げることができるなら、日本ってまだまだポテンシャル持ってるよな、と考えることがある」

そんな彼が時々訪れる福井での好きな場所、それは「養浩館(ようこうかん)」という、かつての藩主・松平家の別邸であり、文化遺産である日本家屋だ。

「昔の殿様もこんなことしてたのかな、と畳に寝転がって、ぼんやり考え事をするのが気分いいんだ」

最後に、2019年に行きたい場所を尋ねてみると、スマートフォンで撮った写真を見せながらこういった。

「飛行機の上から見たプーケット近郊の海に行きたいね。インスタグラムにもアップしたのだけど、ものすごいいい波が来るスポットで。場所はもう特定できたから、次はそこに行ってやるぞ! と思っている。おそらくクルマなら2時間くらいで行けるんじゃないかな」

やはり髙島氏にとって、旅とサーフィンは切り離せないようだ。


FumioTakashima
Francfranc 代表取締役社長執行役員。1956年福井県生まれ。Francfrancを中
心にインテリアショップを展開。11月23日に京都・祇園に新ブランド『Master Recipe』1号店をオープン。


Text=三井三奈子 Photograph=Getty Images