CCC 増田宗昭 自分を解放すること それがコンディションの安定につながる

 「どこにいても、こんな感じで寝転がれば、“スー・ハー・スー”の3秒で眠れるんですよ(笑)」日々多忙を極めるカルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長 兼 CEO の増田宗昭社長のコンディショニングの秘訣は?

 なんと昼寝!
「毎日、どんな予定があっても昼寝だけは欠かしません。ランチのあとに10分でもいいから昼寝をするだけで、午前中に使った頭がリフレッシュされ、すっきりした状態で午後の仕事に向かえる。うちの会社には社長室はないですが、僕専用の仮眠室があります。仮眠室がなかった頃は、非常階段に段ボールを敷いて寝ていて、守衛さんに怒られたこともありました(笑)。今は移動中も眠れるよう、車もフルフラット仕様になっています」
 この昼寝の習慣は、1983年、TSUTAYA創業の頃からずっと続いている。
「当時は、店の屋上とか近所のバス停のベンチとかでも寝ていました。目が覚めたら雨でずぶ濡れになっていたり、バス停に行列ができていたり、驚いたこともありますね(笑)」
 ということは、カルチュア・コンビニエンス・クラブの社員も昼寝はOK?
「もちろんまったく気にしません。うちの会社は、仕事さえちゃんとやっていれば、あとは何でもOKですから。ひとつだけ、酒を飲んだらオフィスやお店などの仕事場に入ってはいけないというルールはあります。ほかの社員に迷惑がかかるから」
 増田社長は、関西弁でよく喋り、よく笑う。撮影のためにいきなり寝転がってくれるサービス精神の持ち主でもある。無理をせず自然体でいることが、何よりも自分のコンディションを整えるために重要だと語る。

「精神的に安定したいと思ったら、自分を解放すること。自分を押し殺して安定するなんて無理ですよ。いつも自分らしくいれば、それが安定につながるんです。僕は、仕事でもスピーディーな決定を心がけています。ベストを求めて無理して考え続けることは、ベストな決定にたどりつかないだけでなく、ストレスにもなる。その時その時の判断で“ベター”を選択する。迅速な意思決定は会社にとっても重要だし、頭のなかに問題を残さないことにもつながります」
 睡眠時間は毎日6時間以上。30分以上かけて朝食をとり、そのあとにトイレ、風呂というのが毎日のルーティン。会議は、8時半からスタートする。
「学生時代にレスリングをしていたおかげで、自分の身体の声を聞くことができるんです。食べたい時に食べたいものを食べ、眠くなったら寝る。空腹や寝不足の状態で、まともな判断ができるはずありませんから」
 週に3回は、ランニング1時間を含むトレーニングも行う。ホノルルマラソンに毎年参加しているスポーツマン。とても64歳とは思えない引き締まった身体と肌ツヤと、パワフルでポジティブなオーラは、近くにいるだけで力をもらえそうだ。
「趣味は多いけど、やっぱり仕事が一番楽しい。自分がスッキリ生きているせいかな。いつも他の人にも心地よい空間を創(つく)れないかと、考えていますよ」
 増田社長の“自然体経営”を支える昼寝。これなら簡単に真似できるかも!?

Muneaki Masuda
1951年、大阪府生まれ。同志社大学卒業後、鈴屋に入社。販促、不動産開発などを担当する。83年に同社を退社、地元・枚方市にTSUTAYAの前身、蔦屋書店を開業。85年にビデオレンタル業務を行うカルチュア・コンビニエンス・クラブを設立。現在は、TSUTAYA事業のほか、地方自治体と協力した図書館運営やTポイント事業など、多くの事業を手がける。

Text=相田冬二、川上康介、須永貴子、サトータケシ、坂口さゆり
Photograph=有高忠之、雨田芳明、江森康之、柏田芳敬

*本記事の内容は15年2月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)