1年の半分は海外で過ごすトラベラー本田直之が感動したハワイ、北海道、京都

酒造りや漁を仲間と体験し、共有する。住み慣れたハワイで楽園に出合う。年の5ヵ月をハワイ、3ヵ月を東京、2ヵ月を日本の地域、2ヵ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅する本田直之氏。そんな本田氏にとって"感動を生む場所"とは?


ハワイ・ラナイ島で保護猫の楽園に出合う

1年の半分以上を海外で過ごす本田直之氏が心を揺さぶられた体験。それはそのうち5ヵ月を過ごすハワイで見つけた、ラナイ島にある『聖地』と、日本滞在中に毎年訪れる北海道、そして京都だ。

「前々から気になっていたラナイ島の『キャットサンクチュアリ』は、いつか行きたいと思っていた場所。ラナイ島はハワイ主要諸島のなかではとても小さく、ホテルもフォーシーズンズしかない。僕が昔働いていたオラクルの、ラリー・エリソン会長が島ごと購入し、自然環境にやさしい島へとどんどん進化しているのです。島にはラナイの固有種の野鳥が卵を産む場所があるのですが、そこで卵や鳥を野良猫が食べてしまう。その鳥を保護しつつも猫にとってもいい形にならないものか、ということでできたのがキャットサンクチュアリです」

手つかずの自然が多く残るラナイ島。このキャットサンクチュアリでは、600匹の猫がのびのびと暮らす。「島の鳥獣保護と不幸な野良猫を増やさないこと、そして人々は猫と触れ合って癒やされる。そんな三方よしの場所」

ここは一般の人に開放されていて、運営はドネーションで賄われている。住んでいる約600匹の猫たちは、どこで見かける猫よりも健康的に見えるのが印象的だという。本田氏も大の猫好き。20歳になるアビシニアンを飼っているが、もし次に飼うなら保護猫だね、と家族と相談している。世界的にみても、最近のムーブメントとして『飼うなら保護猫』という流れがあり、メインランドからもここに猫を譲り受けに来る人が絶えない。

「キャットサンクチュアリだけでなく、ラナイ島自体が素敵な島。人もほとんどいなくて、手付かずの魅力がある。僕はランニングが趣味だから、海沿いの絶景の中を走るのだけど、美しい断崖絶壁を眺めて走る爽快感は他で体験できません」

北海道・知床ウトロで秋鮭漁に同行

日本国内で本田氏が特別だと感じる場所は、毎年訪れる知床だ。有名鮨職人たち20人くらいでウトロでの秋鮭漁に行き、漁がどのように行われているかを学び、漁師とコミュニケーションを図る。

「世界遺産の中で漁業をしている」という贅沢に驚き、「こんなに美しいところで仕事できるなんて」と羨む。通常、漁船に乗せてもらうことはあり得ないが、「友人である札幌にある寿司の名店、一幸(いっこう)の工藤順也が船主と親しく、その縁で乗せてもらっている。漁を見せてもらうのは大変に貴重な機会。そのお返しではないが、夜は職人が魚を捌き、漁師と食卓を囲む。資源豊かなウトロは敢えて自分たちから漁業を発信することがなかったが、僕らはそれを何らかのカタチで手伝うことができれば」

知床の海ではフィンランドのミストサウナを設営し、みんなで愉しむ。アウトドアでサウナとは斬新だが、本場フィンランドでは珍しくないスタイルだ。今、第一線の経営者たちがサウナにはまっているそうで、「フィンランドのサウナはメディテーション的な意味合いもあるクリーンでクリエイティブなイメージ。これも日本にいいカタチで普及させたい」と語る。

知床の海では、フィンランドの薪ストーブのテントサウナを設営し、ロウリュをしながらみんなで愉しむ。

日本酒づくりも、仲間とシェア!

日本の真摯なものづくりを学ぶという意味では、毎年、京都・伏見の松本酒造での日本酒づくりへの参加も特別な体験である。

「大事なのは、お金を払いさえすれば誰でもできることではなく、経験と知識と人とのつながりがあるからこそ可能な体験だということ。そのようなアクションが最終的には地域や若い人材への還元となったり、自分自身の学びになる」

そんな本田氏はこの春、新たにエクスクルーシブな体験のシェアを企てている。これまでに培った経験と人脈をオーガナイズして社会にリターンする、その循環こそが新たな最高の体験につながると信じているのだ。

「日本にいる“本気の人”を知ってほしいから、自分自身でそのものづくりを体験して、伝えていきたいですね」


Naoyuki Honda
レバレッジコンサルティング代表取締役社長。外資系企業を経て、投資事業や日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、年の5ヵ月をハワイ、3ヵ月を東京、2ヵ月を日本の地域、2ヵ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅し、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。これまで訪れた国は61ヵ国211都市を超える。著書は累計300万部を突破し、韓国・台湾・香港・中国・タイで翻訳版も発売。


Text=三井三奈子