【インタビュー】空気をキレイにする扇風機の開発責任者が語る、ダイソンの流儀

家電メーカー、ダイソンから発売された「Dyson Pure Cool」の新モデルは、これまでの製品とはまったく違う空気清浄ファン。ただ空気を送風するのではなく、従来よりも格段に清浄された空気を送風する。この新商品の発表にあたり来日した、ヘルス アンド ビューティー部門のバイスプレジデントを務める開発責任者ポール ドーソン氏に、新モデルの特徴からダイソン製品の未来まで話を聞いた。

 
あらゆる粒子を99.95%まで除去できるその理由は?

——新製品「Dyson Pure Cool」の特徴を教えてください。

「従来の製品と比べると、センサーとフィルターが大きく改善されています。私たちは、空気清浄を行うにあたって大切なことは、検知、清浄、循環、の3つだと考えています。順番に説明していきましょう。

検知は、室内の空気の汚れや状態を可視化すること。本体にディスプレイを付けて、ダイソン独自のアルゴリズムで測定した空気の状態をいつでも確認できるようにしました。微粒子センサー、有害ガス・ニオイセンサー、温度・湿度センサーの3つのセンサーを新たに搭載することで、PM0.1レベルの超微小粒子状物質に加え、ホルムアルデヒドやベンゼンなどの有害なガスも除去できるようになりました。

清浄においては、粒子状物質と有害ガスの両方を捉えるため、フィルターを改良しています。360°の密閉性の高いフィルターシステムを搭載し、高い清浄能力を持たせました。

循環に関しては、新しく搭載した350°の首振り機能によって、きれいな空気を部屋全体に届けられるように。正面からの送風モードだけではなく、涼しい風が不要な冬場にも使えるように“ディフューズドモード”を搭載。空気をきれいにしたいときだけでも使用できるようにしています」

Dyson Pure Cool Link™ 空気清浄タワーファン¥64,800(編集部調べ)

——空気清浄の機能が大幅に改良されて、パワーアップした新モデル。その開発にはどのくらいの年月がかかったのでしょうか?

「7万4000時間以上の実験時間をかけて、一般家庭を訪れての実験も行いました。年数にすると、8年半でしょうか。フィルター機能のセンサーをいろいろな条件下で使ってみようと、ロンドンはもちろん、北京の街中でも実験しました。センサーの働きを試してみたかったのです。そして、正確な数値が出るように改良を重ねました。実験の後、イギリスの大学、キングスカレッジの専門家に製品をみてもらったところ、今までテストしたセンサーの中でベストだと言ってもらいました。そういう技術を消費者に届けられることは大変嬉しいです」

——新モデル開発にあたり、最も苦労されたのはどのようなことでしょうか?

「フィルターが密閉状態に保たれるのを実現することが非常に難しかったですね。“グラスHEPAフィルター” という、花粉、バクテリア、カビ、PM0.1などの超微細ウイルスを除去できるフィルターをプリーツ状に200回以上折りたたみ、収納しています。その長さは9メートルにもなります。これによって、高い清浄能力を実現できました」

Dyson Pure Cool Link™ 空気清浄テーブルファン¥49,800(編集部調べ)

——日本のマーケットに対しては、どのような印象をお持ちでしょうか?

「日本の消費者は、質が高く、正しく機能するものを強く求めていると感じます。Pure Coolは、空気清浄機の面でも、送風機の面でも満足してもらえるはずだと自負しています」

——デザイン性に優れ、画期的な製品を生み出してきたダイソンが最もこだわっていることは何でしょうか?

「徹底的に"問題解決をすること” ですね。それは、他の人が無視するようなことでも、という意味です。今回、新製品を開発するにあたり、わたしたちは実際に人々が生活している環境のもとでテストを行い、その環境下で力を発揮できる製品を生み出しました。

一般的に、製品の空気清浄性能の測定は、住宅環境よりも小さな測定室で行われます。私たちは、実際に人々が暮らす住宅環境のもとで実験を繰り返し、データを習得しました。普通の部屋で使うことをしっかりイメージして開発したことは、大きな強みだと思っています。研究開発のために3500名のエンジニアと、800万ポンド(12億円)を投資しました」

——今後、ダイソンはどのような存在になることを目指しているのでしょうか?

「シームレスに、消費者の生活に合った形で、生活を良くしていくことです。人々がより美しく、健康でいられるように。ヘルス アンド ビューティー部門担当として、私自身も尽力していくつもりです」

Paul Dawson
ダイソン ヘルス アンド ビューティー部門 バイス プレジデント。空調家電、パーソナルケア、B to B向け製品の開発責任者でもある。マーケットの動向を製品開発に活かすなどエンジニア視点で製品開発部門を率いる。

問い合わせ
ダイソン http://www.dyson.co.jp

Text=ゲーテWEB編集部