【才能の正体①】ビリギャル著者・坪田信貴が解説する、「才能」とは何か?

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』、通称「ビリギャル」で広く知られる坪田信貴さんの新著は『才能の正体』という。才能とはたしかによく使う言葉だし、「自分には才能がない……」などと、知らずその意味に囚われてしまうが、坪田さんは 「才能は、誰にでもある」と断言する。 才能とは、どういう存在なのか。同書の内容に則しながら、改めて聞いた。


才能とは、結果を出せる能力

『才能の正体』の第1章は、「『才能』とは何か?」となっている。

ここで坪田さんは、「才能というのは、結果でしかない」と説く。どういうことか。

「よく講演で『ビリギャル』の主人公・さやかちゃんの話をします。彼女はもともと地アタマがよかったんでしょう? という言い方をよくされるんですね。そこで聞いてみるのです、そう思う人は? と。けっこう手が挙がります。

続けて、じゃあ、さやかちゃんと会ったことある人は? と。ほとんど手は挙がりません。ん、では何をもって地アタマがいいと思ったのでしょう。

『ビリギャル』は学年ビリからスタートして慶應義塾大学に合格したさやかちゃんのストーリーです。ということはみなさん、名門大学に合格したという結果を見て地アタマのよさを判断している。

地アタマ=持って生まれた能力だとすると、そんなものは誰にも測れないでしょう。僕は才能とは、結果を出せる能力だと思っています。それは正しい努力をすれば、誰でも手に入ります。

とくに結果を出すにあたって必須なのが、洞察力です。洞察力とは、ものごとをよく観察し、その本質を見抜くこと。そのためには、まずはまわりをよく観察することが大切になります。

あるとき、小学生の子どもを持つ人から相談を受けました。息子がアサガオの観察日記を学校に提出したら、先生にたしなめられたと言うのです。まだタネを植えて間もないころだったので、何日も鉢の中の土しか描いてなかったんですね。変化はないけれど毎日描いていたら先生から、そんなことでページを稼ぐなと言われたしまったそうです。

実際にその日記を見せてもらいました。すると、あれ? となった。晴れの日と雨の日で、土の粒の大きさが異なるように描いてあったからです。意識して描いているのか本人に聞いてみると、雨の日は土の粒がちょっと大きい気がすると言う。

その通りだよ! 水分を含むから粒々がちょっと大きく見えるよね! と声を上げてしまいました。すごい観察力。感動しました。

きみの観察力は、科学方面に進むと生かせると思うと伝えると、目をキラキラさせていましたよ。

観察は科学における基本中の基本です。アサガオの観察日記をつけさせるのは、観察の大切さを教えるためです。

科学というのは再現性を探すものです。再び現れる性質を見出して法則とし、体系化していく。これはまさに仕事にも生かせることです。

たとえば営業でも、『たまたま先方と気が合って、大きな成果が出ました』では、コンスタントな結果には結びつきません。しっかり観察して、こうすればこうなるという法則性を見出していって初めて、継続的に結果が出ます。そうして結果を出し続けると、営業の才能があると呼ばれることとなるのです」

【才能の正体②】に続く


『才能の正体』
坪田信貴
幻冬舎 ¥1,500+税


Nobutaka Tsubota
坪田塾塾長。心理学を駆使した学習法により、これまでに1300人以上の子どもたちを「子別指導」、多くの生徒の偏差値を球に上げてきた。一方で、起業家としての顔も持ち、人材育成、チームビルディングの能力を多くの企業から求められてマネージャー研修、新人研修を行うほか、テレビ、ラジオ、後援会等でも活躍中、『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』など著書多数。


Text=山内宏泰 Photograph=太田隆生