ハンドボール界のレジェンド・宮﨑大輔が今なおトップ選手であり続けられる理由とは?

日本のハンドボール界を牽引する宮﨑大輔選手は、37歳になった現在もランニングの測定タイムが向上しているという。今もなお図抜けた身体能力を誇るレジェンドに、その秘訣を聞いた。


若い頃は、身体のケアを気にしたことなんてなかった

ハンドボールというスポーツの知名度を上げ、海外への挑戦などで日本の競技レベルを引き上げた第一人者が宮﨑大輔選手であることに、異論を唱える人はいないだろう。

37歳となった現在も第一線で活躍し、日本代表の強化指定選手として東京オリンピックを目指す宮﨑選手。しかし、若い頃は身体のケアに無頓着だったという。

「今だったら考えられませんが、ウォーミングアップせずにいきなり全力で走り回ったりしていました」

自分の身体と向き合うきっかけとなったのは、怪我だった。

「北京オリンピックの予選の3ヵ月前に、脛が疲労骨折寸前の状態になったんです。手術をして全治3ヵ月だと宣告されてから、身体のメンテナンスに関するさまざまな情報を集めました」

懸命なリハビリの甲斐もあって1ヵ月で完治させた宮﨑選手は、以来、コンディショニングに配慮をするようになったという。

「例えば、シューズのインソールとか、ホントに効くの? と思っていましたが、試してみると確かにアキレス腱痛が緩和されました。また、昔から悩まされてきた血管性頭痛という持病も、とあるサプリメントの存在を知り、摂るようになってからは症状が驚くほど軽くなった。知識を得て、ツールを正しく使いこなせば確実に効果がでることを学んだんです」

黒い器具はフットローラーで、足裏をマッサージして血行を促進する。ボールは握力強化用に。常に携帯しているのは、大豆発酵エキスなどの天然由来成分を配合したサプリメント。練習着は契約しているスポーツ用品メーカーのもの。

良質なオイルを摂るようになってから、身体のキレもよくなった

20代の頃はまったく気を使わなかったという食事にも、工夫を凝らすようになった。

「料理に使うオイルによって、体調が変わるんです。以前はサラダ油でガーッと野菜炒めを作ったりしていましたが、上質なオリーブオイルを普段から使うようになって身体のキレがよくなりました。あとは、亜麻仁油ですね。毎日スプーン1杯飲むだけで、肌の調子までよくなります。意識してそうしたものを摂るようになってから、しんどい時に自分の脂質がエネルギーに変わる感覚が摑めるようになりました」

宮﨑選手といえば一般的に、天才肌のプレイヤーという印象が強いだろう。しかし、その彼が、オイルにまで繊細に気を配っていることに驚く。そう伝えると、天才を装っている部分はあるかもしれないと笑った。

「実は裏でいろいろとやっていて、人前では、なんでもできるように見せかけています(笑)。地味な体幹トレーニングも毎日欠かしませんよ。例えば、この1年間で5キロ痩せる、と宣言する人がいるとします。でも、毎日やることを決めて、それをサボらずに実行できる人がどれだけいるか。ほとんどが長続きしないでしょう。食事にしろトレーニングにしろ、毎日続けることが大事だと思います」

シーズンが始まり、厳しい戦いが続く毎日で、宮﨑選手がリラックスできるのは愛車ポルシェ・カイエンGTSを運転している時だという。

「やっぱり自分の思ったとおりに動くクルマが好きですね。カイエンは特に気に入って、自分が所有したクルマで初めて車検を通しました。しかも2回も! 走行距離が6万㎞を超えたけれど、このままの調子を維持できるようにメンテしたいです」

現在、愛車の状態を保つための情報を集めているという。それはおそらく、身体に気を使うようになってから調子が上がったという実体験に基づいている。細部にまでこだわり、入念なメンテナンスを継続するからこそ、真のパフォーマンスを発揮することができるのだ。

DAISUKE MIYAZAKI
1981年大分県生まれ。日本体育大学在学中に休学してスペイン留学を経験、その後に大崎電気に入部する。2009年には日本人として初めてスペイン1部リーグのアルコベンダスに移籍。選手としては小柄ながらも驚異の身体能力で活躍、シーズン104得点を挙げた。大崎電気に復帰後はその経験を活かし、日本代表でも活躍中。

Text=サトータケシ Photograph=川口賢典 Styling=作山直紀 Hair & Make-up=海老原華子(BLANCO)
企画協力=昭和シェル石油  
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