キスの回数が減った!? 〜元NMB48須藤凜々花の「りりぽんのスキスキ委員会」#5

2017年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にNMB48を卒業した須藤凜々花。彼女がテレビや取材では言い切れなかったこと、捻じ曲げられて伝わってしまったこと、そういったものを赤裸々にではなく、丁寧に書いていく連載コラム「りりぽんのスキスキ委員会」5回目。

大切なことを、つまらぬものの犠牲にしてはならぬ。

byゲーテ

部屋に帰ってから一言目に発する言葉は

「人生つまんねーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

で決まっていた。

でも今は違う。

「ただいまーーーーーーーーーー」

「おぇえ…きもちわる」

で決まっている。

この間から朝帰り禁止令が出たので
二つ目はもう言わないとして、(多分)

人生つまんないと久しく言っていない。

人生がめちゃめちゃ楽しくなったとも思わない。

でも叫びたくなるほど
人生がつまらないと思わなくなったのは確かなのだ。

私にとってつまらないこととは、
つまるところ
興味がないこと。

なかでも、
興味があることを邪魔する
興味がない事柄はクソつまらな過ぎて反吐がでる。

それはそれでわかりやすいが、
難しいのが
興味のあるいくつかの事柄が競合する場合である。

好きなアーティストのライブに行って友達と朝まで遊びたいし、
家に帰って夫と美味しいご飯を食べて
PUBG(スマホゲーム)をやって添い寝をしたい。
どちらかを選ばなくてはならない。
選ぶのに悩むのも
友達にも夫にも失礼に当たる気がしてさらに悩む。

クソつまらないものには人は悩まない。

悩んでいるということは、
他の人にはクソつまらなくても
自分にとってそれは大事なこと。

だから悩むことは大切なんだね。

今、「人生つまんね」と軽く口をつかないのは、
人生に悩んでいることになる。

確かにそうだ。

いいことがあり過ぎて押し潰されそうになるのと、
クソつまらない!と毎日叫ぶことができる気軽さ、

どちらがマシだろうか。

私は後者がマシだと思っていたから
叫び続けたのだろう。

でも変わった。

愛し愛されることに向き合える力をやっと身につけられたのかもしれない。

最近、
夫とキスをする回数が減ったことに傷ついて、
嫌いになりかけた。

こんな馬鹿げた話の主人公であることが
今でも信じられない。

こんな自分の人生に悩む。

好きな人に興味がある。
愛に興味がある。

これは似てるようで、
競合すると厄介な二つだ。

甘いもの同士でもやばい化学反応を起こすメントスコーラ。

好きだからいっぱいキスしたい。
でもそれを拒まれたら傷ついて嫌いになる。

これは複雑な問題で、
人を愛している限り、人は傷つくから、
嫌いになろうとするのは矛盾しているようで正しい防衛反応なのだ。

愛するか愛されるか。

どちらも地獄。

どちらも経験できないのも地獄。

私は愛の正体を見て
人生はつまらないと笑顔で言えなくなったのかもしれない。

私は大切な人を、
浮気した、という理由だけで刺してしまうかもしれない。

これは愛しているようで、
私の愛する人を自分で傷つける愚かな行為だとわかっている。

でも刺しそうで怖い。

私の愛より彼自身を尊重しなければ。

私は彼がすきなんだ。

私と付き合っていない彼を好きになったのだから。

だからこれからは家に帰ったらこう叫ぼうと思う。

「浮気しても刺さないよーーーーーーーー」

殺害予告より怖いね。


Photograph=斉藤大嗣 Stylist=平みなみ Hair & Make-up=竹中真奈美
衣装=ベルスリーブワンピース¥27,000(HENZA LOS ANGELES/ヘンザ ロサンゼルスTEL03・6721・0566)


須藤凜々花
須藤凜々花
1996年東京都生まれ。2013年「第1回AKB48グループドラフト会議」において、NMB48に加入。NMB48の12thシングル「ドリアン少年」ではセンターを務める。’17年、第9回AKB48選抜総選挙の際に結婚宣言をおこない、同年8月にグループを卒業、現在に至る。著書『人生を危険にさらせ!』(堀内進之介との共著、幻冬舎)。
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