面白発想術! ヒットアイデアが浮かぶ4つのコツ【人気作家・森博嗣】

「最近面白いことがないなあ……」。そんな漠とした物足りなさを抱えている読者は多いはずだ。評判の映画を観ても、好きな人とデートをしても、念願だった旅行に行っても。何をしても、どこか予定調和で刺激がない。膨大な情報に囲まれ生きる現代社会。私達の「面白さ」に対する感覚が知らず知らずのうちに麻痺してしまっているのかも。こんな時代に「面白い」はどこにあるのか? 人気作家の森博嗣に「面白く生きる」コツを聞いてみた。


1.「面白く生きる」2つのヒント

「『面白い』生き方をするコツは、同様に、自分が『面白い』ことを思いつくことです。それさえ思いつけば、実行あるのみなのです」

そう森さんは言う。「面白い」生き方とは誰かに与えられるものではなく、自分の頭で考えつくり出すものなのだ。一にも二にも発想力が大事。発想できれば行動にうつせる。

「たとえば、『王様のような暮らしをしたい』と思いついたとしましょう。あとは、それを実行すれば良いだけですが、いったい何をしたら良いのかは、なかなか思いつけないのではないでしょうか。『自家用ジェットに乗りたい』のなら、それを実行するだけですけれど、実行するためには資金が必要であり、その資金を得る方法を思いつかなければなりません。そうなると、それを思いつくことができない。できない理由は、最終的には『思いつけない』からなのです」

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2.読書も感情移入で「アウトプット」となる!?

「アウトプットする『面白さ』はインプットする『面白さ』の何十倍も大きい」と、これまで300冊以上の著作を世に送り出してきた作家の森博嗣さんは言う。

アウトプットで得られる「面白さ」は本質。インプットで得られる「面白さ」はダミイなのだという。アウトプットでなぜ「面白さ」が得られるのか。それはアウトプットすることで自分の成長につながる、という点が大きい。

「沢山の音楽を聴くよりも、自分で演奏し、歌った方が『面白い』し、またそうすることでしか上達できない。この成長がまた『面白く』感じられる要因として加わる」

そういえば森さんは大学の教授だった時期もある。「教える」というアウトプットの重要性も経験した。

「教えられている立場では、なかなか頭に入らなかったものが、人に教えると一度で自分の身につく。僕は、教壇に立って学生に二十数年間講義をしたが、教室にいる誰よりも、僕が一番勉強になった」

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3.「つまらなさ」と「生き辛さ」を消すコツ

まず、森博嗣さんの考えでは、「つまらない」は決して「面白い」で打ち消せるものではないという。

「面白いことをすればなくなる、と考えがちですが、そうではありません。『つまらない』ときに『面白い』ことをすると、『つまらない』と『面白い』の両方が存在する状況になるだけのことです」

いきなり出鼻をくじかれる。では、シンプルにまず「つまらない」の解決方法は。

「『つまらない』を、早く処理することが、『つまらない』をなくす唯一の方法です。処理するとは、それを片付ける、という意味です。たとえば、つまらない会議があったとしたら、その会議に嫌々参加します。そうすれば、その会議がおわったときには、晴れ晴れとするわけで、つまり、つまらなさが消えているのです。ただ、将来的にこのまま続くのは困る、と強く感じたら、その仕事から離れることです。そうすれば、つまらなさは消えます」

しかし、と森さんは続ける。

「世の中には、『面白い』ことと『つまらない』ことは、だいたいセットになっていて、どちらか一方だけを得ることが困難なように設定されています」

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4.会議室ではない「面白さ」が生まれる場所とは?

森博嗣さんはビジネスマンが陥りがちな「面白い」の公式化を真っ向から否定する。そんな簡単なものではない。「面白い」は、たいていたったひとりの感覚、熱狂から生まれる。

「ほとんどの場合、何が面白いかは、多分に『感覚的』なものであって、こうすれば面白くなるという技術的な手法は存在しない。そんなマニュアル化が可能ならば、誰でも人気作家になれるし、今頃、それに従って、ベストセラー小説が量産されているはずである。

何が『面白い』のかが、わかっていれば、こんなに楽なことはない、と考えている人は沢山いるだろう。世の中には、『面白さ』を作ることが仕事の人たちが大勢いる。みんなが試行錯誤して、つぎつぎと新しい『面白さ』を世に問う。
 
大衆に受け入れられれば、大儲けができるし、一躍人気者にもなれる。でも、けっして簡単ではない。やはり、『これが売れる方法だ』というノウハウは存在しない。 

大勢の知恵を集めても実現しない。なにしろ、会議をしても、意見が合わない。わかっているのは、『過去に売れたもの』がある、というデータだけだ。それと同じことをすれば、また売れるという保証はない。『面白い』ものも、同じものでは厭きられてしまう。知恵を集めても解決しないのは、個人によって『面白さ』が少しずつ違うからだ。となると、最終的には、個人の感覚を頼りに手探りで求めるしかない。実際、過去のヒットは、そんなふうにして生まれている」

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Hiroshi Mori
1957年愛知県生まれ。作家。工学博士。国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、'96年に『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞し、作家としてデビュー。以後、次々と作品を発表し人気作家として不動の地位を築く。現在までに300冊以上の著書が出版されている。近著『面白いとは何か? 面白く生きるには?』が絶賛発売中。