起業家・バンク光本勇介「人と飲むのが好きで自分のバーをつくりました」【経営者の酒の流儀】

酔ってざっくばらんに話せば、普段見えない素顔が見えてくる。酒席でチャンスを掴む人や資金調達する人、縁をつなぐ人もいれば、アイデアの元にしている人もいる。彼らにとって酒とはどのような存在なのか? 第一線で活躍する酒LOVERの酒の流儀に迫る!


お酒は人と人をつなぐツール

バンク代表取締役CEO 光本勇介

「僕にとってのお酒は、人と人との間にある壁を崩し、仲良くさせてくれるツール。一人ではほとんど飲みません。友人とでも、仕事関係の人とでも、誰かと飲むのが好きなんです」

そう話すバンク代表の光本勇介氏は、4年前にプライベートバーを開設した。西麻布にある雑居ビルのワンルーム。照明が抑えられたほの暗い空間に、カウンター席と低めのソファ席を設置。スタイリッシュな雰囲気は、大人気の隠れ家バーといわれても納得しそうになる。

「一般営業はしていません。僕が人を招いてお酒を楽しむためにつくった空間です。仕事の商談ではホテルのバーやラウンジが使われますが、ホテルって意外に目につきます。"誰と誰が会っていた"という噂がすぐに広まる。このバーは、極秘の商談やミーティングに重宝します」

バーにはビール、ワイン、焼酎など、さまざまな酒がひととおり揃う。なかでも光本氏最愛の1本がメキシコ産テキーラ『ポルフィディオ アネホ エキストラ』。5年前に出会い、その美味しさに一瞬でハマッたという。

「テキーラには "罰ゲームでショットを一飲み"のようなイメージを持っていました。高級感を楽しむ酒ではない、と。でも、この酒は上品な奥行きがあって、とても美味しい。日本では扱っている店があまりないので、卸業者からまとめ買い。自宅に100本、常備しています」

ポルフィディオのアルコール度数は約40度。この高い度数も「魅力のひとつ」と光本氏。

「酒の席では、酔いがまわり、場が和むまでに時間がかかることがあります。だが、40度の酒を飲めば、瞬時に空気が変わる。テキーラという酒が持つムードもあるのか、場がすぐに楽しく、打ち解けたものになります」

人と人をつなぐツールとして酒を愛する光本氏。今は「ワインを勉強したい」と考えている。

「ワインに関しては、まるで知識がありません。ZOZOTOWNの前澤友作さんと食事をすると、必ず美味しいワインを出してくれます。でも、美味しいと感じても、そのワインの歴史やバックグラウンド、造り手のストーリーがまったくわからない。もし、知識を持っていたら、楽しさが何倍にも膨らむでしょうね」

酒の場を大切にするためにバーをつくり、勉強も欠かさない。

「周囲に不快な思いをさせない、楽しい酒飲みでありたいんです。悪酔いしたこと? ないですね。1年に1回ほど、途中で寝てしまいますけど(笑)」 

Yusuke Mitsumoto
2012年「STORES.jp」、’17年「CASH」、’18年「TRAVEL Now」など、斬新なサービスを次々にリリース。著書『実験思考』は、読後に好きな価格を支払う「価格自由」が話題に。


Text=川岸 徹 Photograph=隈田一郎