超高齢化社会の課題を遺伝子解析サービスで解決! ジーンクエスト高橋祥子【女性起業家】

SNSやインターネット技術が発展した現在、かつてないほど女性が起業しやすい時代が訪れた。豊かな感性や打たれ強いしなやかさ、そして、現状を打破する行動力を持つ女性起業家たちのビジネスに迫る。


自分の遺伝子を知れば、人生が変わる

高橋祥子さんが、日本初となる個人向け大規模遺伝子解析サービスを行うジーンクエストを興したのは、大学院で、生体分子情報やビッグデータ解析をしていた時のこと。

「2003年にヒトゲノムが解析されてから10年、研究が飛躍的に発展し、コストも個人への提供が可能な価格にまで下がった頃でした。でも、日本には、個人向けに大規模な解析を行う企業はなかったんです。生命科学分野は進化のスピードがものすごく速い。このタイミングを逃したくないと思い、起業を決意しました」

ビジネス経験はゼロゆえ、早速壁にぶち当たる。資金集めだ。

「学祭に講師としていらっしゃった経営者に直談判したり、ツテをたどって投資家やベンチャーキャピタルに話をしに行ったり。ほとんど相手にしてもらえませんでしたね。『ゲノムって何?』という質問に始まって、『事業経験ないのに』とか、『研究だけしていたほうがいいんじゃない』など、厳しいことも言われました。

でも、凹むことはなかったですね。むしろ、『この事業のポテンシャルをわかっていないな』と、思っていたくらいです(笑)。ただ、本当に大変だったのは、創業してから。自分自身の経営能力のなさや経験不足を痛感することが多々ありましたし、遺伝子解析サービス提供に対する批判も受けました。

大学院に通いながらの起業だったので、無理をして身体を壊したこともあります。それでもあきらめなかったのは……、生命科学の分野が好きだから。私の判断基準は、周囲の反応ではなく、『自分がやりきったかどうか』なんです」

それは、「自分の軸を持て」と説き続けた父親の影響が大きい。

「院生時代、特別な賞を受賞したと報告した時も、『他人からの評価で一喜一憂していないだろうな』と言うような父で(苦笑)」

当面の目標は、遺伝子検査市場を日本で拡大すること。

「データが増えれば、研究がさらに加速し、超高齢化社会が抱える医療や健康の問題を解決できる。私はそう信じています」


高橋祥子の仕事における三種の神器


Shoko Takahashi
1988年大阪府生まれ。京都大学農学部卒、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。2013年ジーンクエストを設立し、’18年ユーグレナ執行役員就任。第2 回日本ベンチャー大賞、第10回日本バイオベンチャー大賞など受賞。https://genequest.jp/


Direction=島田明 Photograph=丸谷嘉長(カウンタック写真部)
Text=村上早苗 Hair & Make-up=SHINMMA



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