ワイン賢者④情野博之が選ぶ! 大切な人に贈りたい神ワイン4本

つくり手や産地、さらにはヴィンテージによって さまざまなストーリーを持つワインを大切な人に贈る時、 その道の賢者たちは何を基準に会心の1本を選んでいるのだろう? 奥深いワインの世界へと誘う入門編的ワインから新世界の気鋭のつくり手、 果てはツウを唸らせる名品まで。有楽町の老舗フレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエ・情野博之がセレクトする、珠玉の4本をご覧あれ。


「自分が美味しいと思うワインを選ぶのがいい」

ブラインドテイスティングではイタリアワインを選ぶことが多かったりするのですが、人にお薦めして楽しいのは断然ボルドーです。大量生産の利を使って最新技術を取り入れるシャトーもあれば、ブルゴーニュ寄りのワインをつくる小さなシャトーもあってとても幅広いですから。

一方で、ニュージーランドにはブルゴーニュと変わらないピノをつくる生産者も出てきて、今は情報を隠す時代でもない。つまりワインの世界はボーダーレスになりつつある。ですから人にワインを贈る時は原産地にこだわらず、自分が美味しいと思うものを選ぶのがいいでしょう。

■ラベイユ・ド・フューザル・ルージュ 2014(右)
ボルドー左岸のセカンドワインですが、メルローの比率が高く、とてもこなれた美味しいワインです。アピシウスではグラスでお出しすることも。ボルドーのワインは寝かせないとダメなものが多いですが、こちらは最新技術が集積された醸造所なので、開けてすぐ飲めます。ワイン初心者の方への贈り物にも¥4,800

■カテナ・サパータ マルベック アルヘンティーノ 2015(中央右)
3 代目当主の「世界に認められるワインをアルゼンチンで」という意思のもとにつくられたワイン。エチケットにはこのワインに使われているマルベックの歴史が描かれています。世界各国のブラインドテストで上位に入賞し、G20の晩餐やトランプ大統領と習近平国家主席の公式ディナーで使われたことも。¥13,500

■アマローネ・デッラ ヴァルポリチェッラ・クラシッコ 2007 ジュゼッペ・クインタレッリ(中央左)
2000年以降は 4 回しかつくられていない希少なワイン。収穫後、陰干ししたブドウを使うためタンニンがこなれてたまらなく旨い。僕が「もうフランスワインを売らなくてもいい」と衝撃を受けたワイン。パンの包み紙を貼ったようなエチケットは、ワイナリー近くのレストラン「ドーディチ アポストリ」の店主のアイデア。¥84,500

■ミュジニー 1996 ドメーヌ・ルロワ(左)
もともとロマネ・コンティの共同経営者だったルロワが、外された恨みつらみを抱えつつ素晴らしいワインを、と生みだした 1 本。年産平均400本の超レアなワイン。特にブルゴーニュ最大の当たり年である1996は594本。最も手をかけたブドウとの相乗効果で味わいよく得も言われぬ香り。市場価格170万円弱!? 価格算定不能。

※上記、ミュジニー 1996 ドメーヌ・ルロワ(写真のワインはワインショップ「VINOGRACE TOKYO」のもの)以外は、参考小売価格。


Hiroyuki Seino
1965年神奈川県生まれ。「トゥール ダルジャン」シェフソムリエを経て現職。第 3 回全日本最優秀ソムリエコンクール第 3 位。2014年シャンパン騎士団オフィシエ。全国でワインの啓蒙に励む。

アピシウス
世界の一流ライターが寄稿するワイン雑誌『ワールド・オブ・ファインワイン』の 〝世界のベストワインリスト2018〞 で審査員賞を受賞。
住所:東京都千代田区有楽町1-9-4 蚕糸会館ビルB1
TEL:03-3214-1361


Text=山脇麻生 Photograph=江藤義典