プロフットボーラー久保裕也 新シーズン開幕「さらに上のステージを」【連載番外編②】

ロシアW杯最終予選では2試合連続ゴールを決めるなど貢献しながら、本大会では日本代表落選という憂き目にあった久保裕也。それでも、この若きストライカーは、悔しさや悲しさを受け止め、それを未来の糧にするために、決して足を止めないことを決意した。5年前から単身海を渡り、周囲に日本人がほぼ誰もいないスイス、ベルギーで武者修行を続ける道を選択し、常にあえて厳しい環境に身を置いてきた24歳。ロシアW杯後の、知られざる思いを「ゲーテ」だけに綴った。  


自分だけの1トップ像をつくりたい

僕の選手としての目標は、5大リーグでプレーすることだ。現在24歳、ヨーロッパに来て5シーズン目になる。サッカー選手の寿命は長くない。トップリーグのフォワードとして求められるスピードや走力を維持できるのは、長くてもあと5〜6年だろう。1シーズンでも早くトップリーグに移籍できなければ、選手としての旬が過ぎてしまう。僕にとって今シーズンは、そういう意味でも結果にこだわりたい大切な時間となる。

昨シーズンは、リーグで11得点。自分として満足ではないが納得できる数字だった。フォワードとして点取り屋に徹することにできれば、もう少しゴールを稼げたと思うが、監督の交代などがあるなかで中盤のポジションを任せられ、得点シーンに絡めないこともあった。だが、今シーズンは違う。昨シーズンの最終盤でフォワードとして結果を出したことで、今シーズンは1トップのフォワードとしてつかわれることが決まっている。このポジションを得たからには、とにかく得点にこだわりたい。20ゴールが僕の今シーズンの目標だ。

ワールドカップで印象的だった1トップは、ベルギーのルカクやフランスのジルー。彼らは、とにかく体が強い。ボールを失わず、ためをつくって、味方の動きを待つことができる。しかし僕は彼らほど、強く大きな肉体を持ってはいない。トレーニングを積んではいるが、彼らのようなタイプにはなれないだろう。僕が彼らとはちがうタイプの1トップとしてこだわりたいのは、流れのなかでの動き出しのスピードや仕掛けの質やタイミング、そして数少ないチャンスを逃さない決定力。それを身につけるために、ワールドカップの期間も僕は走り込み、自分を追い込んで、力を蓄えてきた。

開幕戦は2-3で敗北。それでもチームは試合後に円陣を組み、次節へ士気を高めた。久保は先発出場を果たすも無得点。68分に途中交代した。©︎Getty images

いまは4年後のワールドカップや日本代表のことを考えることはない。まずは選手としての自分に磨きをかけ、チームを優勝に導く。ヘントというチームが好きだ。この街での暮らしも気に入っている。でもここで終わるわけにはいかない。さらに上のステージを目指して、点取り屋としての“脚”を磨く。今シーズンは、そのことだけを考えて過ごしていきたい。

終わり


【連載番外編①】ロシアW杯「日本対ベルギー戦を見ながら」


【連載最終回】サッカー日本代表落選について「すべてを受け止め、前を向く」


【連載第一回】BORDERLESS STRIKER 「ハングリーな環境で強くなりたい」


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Composition=川上康介