「直球で剥き出しの恋、できるかな」 ペナルティ・ヒデが安藤なつを恋愛上手に変える!

結成26年目を迎えたお笑いコンビ「ペナルティ」のヒデさん。今年10月に恋愛小説『いつか、あなたと』を発表し、作家としても精力的な活動を見せている。そんなヒデさんが、ゲストの悩みに答える新企画。メイプル超合金の安藤なつさんを迎えた第2回をお届けする。


恋愛下手は、自分から追いかけ続ける

ペナルティ・ヒデ(以下、ヒデ) 前回はコンビ・仕事の話をしたけれど、ほかに悩み・気になることは?

安藤なつ(以下、なつ) やっぱり恋愛ですかね。まったく縁がなくて。

ヒデ そうなの? 僕の小説『いつか、あなたと』で、本の帯にコメントを書いてもらったでしょ。「私も直球で剥き出しの恋がしたい。」という言葉。なつならではの強さを感じたし、端的で美しく、「なつにお願いしてよかった」と、心から感じた。だから、恋愛も苦手ではないように思うけど。

なつ 恋はするけど、恋愛下手。私は自分から追っかけないと納得できないタイプ。男性から来られると、「あっ、なんか違うな」って思っちゃう。

ヒデ なつは、母性が強いんだよ。自分が守ってあげないと気が済まないタイプ。ところで、どんなタイプの男性が好きなの?

なつ ヒデさんの小説『いつか、あなたと』の主人公は、まさに好みのタイプ。守るものがあって、不器用だけどひとつのことに突き進む。そんな芯の強さがある人に惹かれます。それと、ギャップがある人がいい。『いつか、あなたと』の主人公も、イケメンでカッコいいんだけど、レバニラ炒めを食べて、歯にニラが挟まっている。あのシーンにきゅんとしました。

ヒデ 現実では、そういうギャップのある人、誰かいる?

なつ そうですねえ、たとえば、さかなくん。世界中の魚を知っていて、あれだけ熱量をもって語れるところがまず尊敬できる。でも、学者肌の人かと思いきや、めちゃくちゃサックスがうまい。そのギャップが素敵だと思うんですよ。

ヒデ なるほど。で、もし、なつが本気で恋愛上手になりたいのなら、そうした気になる人に追っかけさせること。気のある素振りをチラつかせながら、つかず離れずの関係をキープする。世の中の恋愛上手と呼ばれる女性は、その関係づくりがうまい。それで、「あっ、この人だ」って思ったら、つまづいたフリをして、さっとしがみつく。

なつ つまづくには、ピンヒールを履かなければ(笑)。気のある素振りって、具体的にどんなことをすればいいですか? 

ヒデ 「いつも見ていてくれているんだ」と、相手に思わせること。恋人関係になっていなくても、異性に何かプレゼントすることってあるでしょう。そんなときに、たとえば、「この前、みんなでごはん会をしたときに、コップが割れちゃったでしょう。だから新しいグラス、あげるね」みたいな感じ。さりげない贈り物のようだけど、“いつも見ている感”が出るはずですよ。


相手は意外に見ていてくれている

なつ ヒデさん、さすがです。でも、私はその感じがうまく出せない。「いつも見ていてくれてるんだ」と、「うわっ、こっちめちゃめちゃ見てるよ」というのは違う。やり過ぎてしまうと、逆効果ですよね。

ヒデ 相手が気づかないところで、さりげない努力を積み重ねるべき。たとえば、男が立ち上がったときにテーブルからペンを落としてしまった。でも、男はペンが落ちたことに気付かない。一緒にいた女性は、何も言わずにペンを拾って、テーブルの上に戻しておく。そんな場面って結構あると思うけど、意外に男は見ている。「いいコだな」と思いつつ、気付かないフリをしているだけ。

なつ この前、似たようなシチュエーションがありました。友人の男性と一緒にごはんを食べていたときに、テーブルに置いてあった卓上カレンダーを私が彼のほうに落としてしまったんです。でも、彼は気づいているのに拾ってくれなかった。別に自分で拾おうと思っていたのですが、あまりにも彼の座っている位置に近かったこともあったので、少しげんなりしました。

ヒデ もう、最悪だね。男の自尊心ボロボロ。男は単純で、褒められるのがものすごく好きだから。では、なつにひとつ問題。「男性と一緒に買い物に行きました。男性は赤いシャツを買うか、青いシャツを選ぶべきか、かなり悩んでいます。“どっちがいい?”と聞いてきたら、なつは何て答えますか」

なつ うーん、「どっちも買えば」って言うかな。でも、予算の都合上ひとつしか買えないなら、赤いシャツって答えます。最初に口に出した赤いシャツのほうが、潜在的に好きなんじゃないかと思うので。

ヒデ 35点の答えだね。

なつ 低っ(笑)。

ヒデ 模範解答は、「赤いシャツのほうが、あなたの顔が映えて見える。でも私は青いシャツを着ているあなたが好き」。相手にどちらのシャツも似合うと思わせながら、自分の好みもきちんと伝えること。これが重要です。

なつ すごいなあ、そのテクニック。でも、私はそうした“いかにもモテる女子”的なセリフは策士的に感じるところがあって、絶対に言えないだろうな。

ヒデ いいんじゃない、いまのなつのままで。でも、いろんなタイプの考え方を受け入れていくことも大切。愛の形はさまざまだから。

なつ ヒデさんは本当の紳士ですね。だから、あんなに美しい恋愛小説が書けるんですよね。ぜひ、また新しい小説を書いてください。次作はミステリーが希望。ヒデさんなら、誰も思いつかないような意外な展開が期待できそう。

ヒデ いいですとも。なつのリクエストなら、書きましょう。


ずっと生まれ変わりたいと思ってきた。真っ直ぐに生きようとしながらも、暴力事件で高校を中退し半グレになるしかなかった男。恵まれた家庭に育ちながらも、心の欠けたものをずっと探している女。再起を図るために故郷を捨てながらも、ヤクザになるしかなかった男。自由に生きる場所を東京に求め、逃げてきた女。酒と暴力で大切なひとと別れてしまった男。さまよう孤独な魂が、六本木で出会い、惹かれ合い、物語が始まる。

『いつか、あなたと』 
中川秀樹(ペナルティ・ヒデ)
幻冬舎 ¥1,389(税別)


Natsu Ando
1981年東京都生まれ。サンミュージックプロダクション所属。コンビやピンでの活動を経て、2012年に相方・カズレーザーと「メイプル超合金」を結成する。2015年の「M-1グランプリ2015」決勝進出をきっかけにブレイク。NTV『ヒルナンデス!』、TX「青春高校3年C組」、CBC「メイプル超音楽」などにレギュラー出演中。

Text=川岸 徹 Photograph=鈴木規仁


中川秀樹(ペナルティ・ヒデ)
中川秀樹(ペナルティ・ヒデ)
1971年千葉県生まれ。名門・市立船橋高等学校サッカー部に所属し、2年生からレギュラーとして活躍、全国高等学校サッカー選手権大会準優勝とインターハイ優勝を経験。Jリーグからスカウトを受けるほどの実力だった。その後、高校・大学の後輩であったワッキーとお笑いコンビ「ペナルティ」を結成。バラエティ番組やスポーツ番組、全国各地の劇場を中心に活動中。『いつか、あなたと』は本名の中川秀樹で執筆。
気になる方はこちらをチェック