【こんなに凄い! 秘書の仕事】決して幻想ではなかった! 経営者を支える才色兼備 part.1

過去に特集すること2回。いずれも大反響を呼んだ名物企画が再び登場。激務の経営トップが少しでも仕事に専念できるよう、また、緊急事態に少しでも早く対応できるよう、陰日向になって奮闘する、秘書というプロフェッショナル。今回も、そんな凄腕たちが続々登場する。

【カナフレックスコーポレーション】総務課 社長秘書
古谷杏子 - Kyoko Furuya 

たとえ社長でなくとも、こんな美人とゴルフに行きたい
 東京と大阪に本社を持つ、資材系パイプやホース関連のメーカーであるカナフレックス。その東京本社で金尾茂樹社長の秘書を務めて5年になる古谷さん。鼻に抜ける甘い声が男心をくすぐるが、彼女は166cmの長身でゴルフもこなす、スポーツ万能の才色兼備。
「弊社は全英オープンのTV放映筆頭協賛スポンサーなので、社長との会話でもゴルフの話題が頻繁に出ます。私も秘書として知識を備えたいと、入社後すぐにスクールに通いました」
 そして今や、ベストスコアは100を切るほどの腕前に。
「一度、社長とラウンド中にまぐれでドライバーが当たり、レディースティーから社長の球をオーバードライブ……。でも気分を害することなく、笑ってくださいました」
 こんなかわいい彼女にオーバードライブされるのなら、金尾社長でなくとも本望だろう。そして、女らしいこんな一面も。
「社長をいろいろなお店に案内したくて、レストランカードを集めるクセがつきました」


【森ビル】秘書室
福光麻衣 - Mai Fukumitsu

華奢で儚げなイメージに反し芯の強さは社長も太鼓判
 入社時の配属希望は、六本木ヒルズなど森ビルが手がける商業施設の運営部。だが、配属されたのは森 稔社長つき秘書。「まさか!」と、驚きを隠せなかった彼女も、今では5年の秘書キャリアに。仕事の主体はスケジュール管理で、優先順位が事業遂行を左右しかねないと心を砕く日々。さらに心を配るのが、社長室の整理整頓。
「社長が少しでも快適な空間で仕事に集中できるように、気が抜けません」
 毎日届く、高さ15cmにもなる社長宛ての会合などの案内状には、一通一通、手書きで返信している。
「自分の名前よりも、“森 稔”の字のほうが上手になっちゃいました」
 華奢な身体で奮闘する彼女を、森社長は「君が一番コワいよ。有無を言わせないから」と評したことも。「口調がキツいのかな」と苦笑するが、いやいや、「頑張ってるね」の褒め言葉のはずだ。
 そんな彼女は休日を、映画やショッピングで楽しむ。出没先は、なんと六本木ヒルズ!
「好きなんです、ここが」


【フランドル】社長室 社長秘書
白石みどり - Midori Shiraishi

端正な美女のかわいいミス そのギャップがなんともイイ
 学生時代からフランドルの服を愛し、しかも裏方でサポートすることが希望だった白石さん。憧れの会社で秘書となり、役員秘書を歴任。現在は栗田貴史社長につく。常に心がけるのは、社長から学んだ「場の空気を読んでの心遣い」。それを端的に表す話がある。得意先への食事接待に同行した彼女。食後に中座した時、段差につまずき膝を切ってしまった。かなりの出血で痛みも激しい。しかし「場の空気が壊れるから」とすぐに処置し、何事もなかったように席につき、膝を押さえながら笑顔で過ごしたという。
 しかし、そんなしっかり者の彼女にも新人の頃に笑える失敗が。ゴルフ好きの現会長秘書時代、「ドライバーを持ってきて」の言葉に、なんと工具を探し回ったのだ。見ていた部長が慌てて止めに入ったとか。
「もう恥ずかしくて……」
 これからの夢は優秀な秘書を育てること。指南のポイントは、「気配り、先を読む、そして謙虚であること」だそうだ。


【バルス】総務人事Group 秘書
田中優紀 - Masaki Tanaka

プロに徹したクールな顔の奥には人情厚い「昭和なオンナ」が
 海外滞在が年間3分の2以上という、超多忙な高島郁夫社長を支えて4年。前職も一部上場企業の社長秘書で、「今まで秘書としての大きなミスはない」という優秀さだ。
「どんなことも二重三重に答えを用意する慎重派。自分でも秘書に向いていると思います」
 例えば髙島社長の複雑な世界一周のフライト手配も、あらゆる要望と状況を想定し、一度で決められるよう、でき得る限りのパターンを用意しておく。
「社長の負担を減らすためには、やりとりは最小限に。質問も一度で済むようにしています」
 そんな彼女は、必要以上のコミュニケーションを社長とだけでなく、社員とも取らない。
「秘書は秘密を保持することが仕事。社員のみんなとでも、親しくなれば、“ついうっかり”が出ることも。ですから敢えて、距離を置きます」
 実に孤独な稼業だ。
「お給料をもらっている以上、割り切らなければ」
 ストレス解消アイテムは、地元の居酒屋で飲むレモンサワー。
「昭和なオンナなんです(笑)」
 ようやく出た笑顔がなんともチャーミングだった。


【ウェルカム】社長秘書
谷本友子 - Tomoko Tanimoto 

その素直さ、まっすぐさがボスにパワーを与える
 元々は同社のカフェのアルバイトとして勤め、その後正社員に。「飲食の経験しかない」彼女を突然秘書に抜擢したのは『シボネ』などのショップを運営するウェルカムと、ディーンアンドデルーカジャパンの2社を経営する横川正紀社長。
「2社の社長なので会議も多く、いつも時間に追われています。社長が集中している時、声をかけるタイミングが最初は難しく、よく怒られました」
 とはいえ、外出前の社長に駆け寄り決裁を求める姿は、まるで兄妹のようなほのぼのさ。
「つい先日『最近、俺のタイミングがわかってきたな』と言われ、嬉しかったですね」
 と、はにかむ。さらに礼状や社内文章の作成には、素直に社長の手も借りる。
「まず社長ならこんな気持ちを伝えたいだろうなあ、と作った文章に、社長がさらに言葉を入れて戻してくれます。それを読むと、社長の考えがだんだん理解できるようで嬉しい」
 この素直さが知らず知らず、ボスにパワーを与えるのだ。


【ウィラーアライアンス】社長秘書
池 あい子 - Aiko Ike

ふんわりイメージとは裏腹に八面六臂に活躍する社長の右腕
 人目を引く容姿と落ち着いた物腰。しかし、そのたおやかさに鼻の下を伸ばしていると、火傷するかも。実は彼女は、村瀬茂高社長の秘書業務以外にも、八面六臂の活躍をするスーパーウーマン。韓国からバスを輸入した際は英文の売買契約書を交わし、車両開発では花柄シート採用にセンスを発揮。もはや秘書の域を超えている?
「いえいえ。忙しい社長の仕事がうまくまわるようフォローするのが秘書の仕事なら、私がやっているのは全部秘書の仕事といえるんじゃないでしょうか」
 彼女が持ち歩いている手帳には、小さな字がぎっしりと。
「村瀬は次々にアイデアが浮かぶので、それを端からメモしているんです。この6年でずいぶん字が小さくなりました(笑)」
 社長の仕事への想いを社内の誰よりも理解している、という自負を持つ彼女は、平日は会社優先。プライベートは週末のみで、趣味のアート鑑賞を楽しむ。
「でも、車両デザインに役立ちそう!とすぐに思ってしまうんですよね」


【アドバンスト・メディカル・ケア】社長秘書
矢田亜希子 - Akiko Yada

名前にインパクトあれば、その美貌にもインパクトあり
 まずは名刺の「矢田亜希子」という名前に驚き、顔を見てその美貌に驚く。『東京ミッドタウンクリニック』をはじめ、さまざまな医療施設のプロデュースを行う会社の社長秘書は、なんとも美しい。
 神戸でウエディングプランナーの仕事をしていた矢田さんが転職し、古川哲也社長の秘書になったのは2007年。
「広報を希望して就職したのですが、できあがった名刺の肩書きが『秘書』でした(笑)」
 モデル並みの容姿ながら、よく笑い、よく話す気さくな人柄は、さすが関西人!?
「社長の古川は頭の回転がとても速く、さらに多忙なこともあり、時々結論しか言わず、周りの人間がその真意を理解できないことがあります。そんな社長の言葉を翻訳して伝えたり(笑)、社長の代わりに取引先へ交渉に行ったりすることもあります。また、秘書として、社長の服装やヘアスタイルには常に気を配り、気付いたことはアドバイスしています。社長の反応ですか? 素直に聞いてくださいますよ」


【積水メディカル】経営企画部 企画グループ 社長秘書
姫川里美 - Satomi Himekawa

笑みを返したくなる知的美人は社内外の人気者
 膝上丈のスカートをすっきりとはきこなし(残念ながら写真では見えないが、かなりの美脚)、来客に丁寧にお辞儀をする姫川さん。その爽やかな笑顔は、初対面の相手にも安心感をもたらす魅力を持つ。そんな彼女は、上司、後輩を問わずに一緒にお酒を飲みに行くことが好きで、みんなから“姫ちゃん”と慕われている。
「日頃からいろいろな方と飲みに行くせいか、困った時に気軽に相談にのってくださる先輩がたくさんいます」
 彼女は積水化学工業が母体の、臨床検査薬などを扱う積水メディカルの、福田睦社長の秘書だ。積水化学グループの中でも、注目の成長株という会社だけに、その社長秘書とは重責だが。
「世話好きなので、社長の海外出張の行程をあれこれ想像してチケットを手配するのは苦にならないし、海外からの夜中の電話も平気です。でも社長の海外出張中、フライトキャンセルなどトラブルが起きると、心配で、心配で。土日の夜中も、携帯を枕元に置いて寝ています」


【伊藤忠商事】秘書部
三上紀子 - Noriko Mikami

総合商社の会長の信頼を得る飾らない人柄と笑顔
 あの大企業、「伊藤忠」の会長秘書を務める女性と聞けば、どんなクールビューティかと思いきや。三上さんは、笑うと目元に愛嬌が出る親しみやすい女性。入社以来営業部に配属され、'07年に秘書部に異動。
「当時社長だった小林栄三の秘書になり、'10年に小林が会長になった時、会長秘書に。実は秘書部に異動するまで、1枚もスーツを持っていませんでした(笑)。人は短所ではなく、長所を見る、というのが会長のモットー。私はたくさん目を瞑ってもらっていると思います(笑)」
 月に1~2回の海外出張など多忙な日々を送る一方、どんなに忙しくても常に相手を気遣い慮ってくれる会長の言葉には励まされることもよくあるとか。
「仕事のミスで、怒られ、落ち込んで残業していた時に、会食を終えた会長から『みんなまだ食事してないだろう。一杯行くか』と連絡をもらったことがありました。本当に救われましたし、嬉しくて」
 秘書になって3年半。おそらく、三上さんの飾らない人柄で、会長との信頼関係がここまで築けているのだろう。


Photograph=アライテツヤ、細居幸次郎
Text=今井 恵、牧 亜津子

*本記事の内容は2011年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい