山本彩 リードする悦び

毎年恒例の人気企画、秘書特集。今年も取材を進めるうちゲーテはある事実に気がついた。「今、成功するオトコたちには、必ず"強い秘書"がそばにいる」。優しく支えるだけではない、時にはボスを叱り、ひっぱっていく秘書こそが、経営者という孤独な仕事人の、羅針盤となる時代なのだ。山本彩さん、あなたがもし秘書だったら、きっとそんなタイプですよね?

ドレス¥89,000(alice + olivia/LOOK〈alice + olivia〉 TEL:03-3794-9131)、時計¥4,410,000、ピアス¥1,190,000(すべてPATEK PHILIPPE/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109)、靴¥83,000(Sergio Rossi/セルジオ ロッシ カスタマーサービス TEL:0570-016600)

「今度社長秘書に抜擢された新入社員、すごいらしいな」

「聞いた、聞いた! 社長にビシッとダメ出ししたんだって?」

「それでいて、仕事中に居眠りしちゃうこともあるそうな。その寝顔が、超カワイイとか」

男性社員の間で噂される、ちょっとツンデレな新人秘書。「ゲーテ」秘書特集の巻頭インタビューで毎年恒例になっている"妄想劇場"だが、今年はそんな設定で撮影が進められた。

スーツに身を包んでPCを操り、難しい書類を前についウトウトと。誰もいない階段で好きな音楽を聴いてリフレッシュしたかと思えば、社長に同行した会食先の控室では、イスに足を投げ出して電話でテキパキと仕事の指示をする。

「『ゲーテ』のような男性誌に出させていただくのは初めてなので、ファンの皆さんが喜んでくれると思います。でも、ふだんスーツは着ないから、めちゃ緊張します」

そう言いながらも、敏腕秘書をしなやかに演じてくれたのは、NMB48とAKB48を兼任するアイドル、山本彩さん。

「秘書と聞いて思い浮かぶのは、バリバリ働くできる女性。私、スケジュールを管理するのは得意ですし、マメなのでけっこう向いているかなって思います。ただ、セクシーな秘書となると......、どうでしょう(笑)。ふだん実年齢より下に見られることが多いので心配です」

年上の方といるほうがリラックスできます

華奢(きゃしゃ)なのにメリハリのあるボディライン、濡れたような瞳、透けるほど白い肌。撮影中は、色気を纏(まと)った22歳の大人の女性として、十二分に期待に応えてくれた。ところが、私服に着替えた彼女は、まだあどけなさが残る少女のように見えて......。

「四人兄弟の末っ子なので、ファンの皆さんからは、『時々めっちゃ末っ子感出るよね』って言われます。自分ではわからないんですが、そういうところがあるのかな」

とはいえ、NMB48ではキャプテンを務め、研究生を含め60人いる女の子たちのまとめ役。メンバーから"さや姉(ねぇ)"と呼ばれ、頼られる存在だ。

「最年少は小学6年生で12歳なので、私より10歳下。『年下の兄弟がいたらいいな』と思ってきたけれど、実際に妹みたいな存在ができると、どう接したらいいか戸惑うこともあって......。

今はまだ試行錯誤中です。だから、新入社員の扱いに戸惑う上司の気持ちが、なんとなくわかります(笑)。私、年下よりも年上の方といるほうがリラックスできるのかもしれません。男性っぽい趣味が多いので、話も合わせられると思います」

そんな風に、ゲーテ世代が喜ぶようなことをさらりと口にする。しかも、無意識に、だ。もしかしたら、天性の小悪魔!? こんな秘書が傍らにいたら、翻弄(ほんろう)されてしまいそう!

シャツ¥19,000(ESTNATION/ESTNATION TEL:03-5159-7800)、時計¥350,000、ストラップ¥28,000、ピアス¥580,000、ブレスレット¥580,000、リング¥790,000(すべてBOUCHERON/ブシュロン カスタマーサービス TEL:03-5537-2203)、ボールペン¥93,000、手帳¥72,000(ともにモンブラン/モンブラン コンタクトセンター フリーダイヤル:0120-39-4810)、眼鏡¥30,000(OLIVER PEOPLES/オリバーピープルズ 代官山 TEL:03-6427-8930)


引っ張ってもらうよりもちょっと頼りない上司にダメ出しするほうが向いているかも

ドレス¥81,000(ALEXIS MABILLE/三喜商事 TEL:03-3238-1398)、靴¥68,000(Sergio Rossi/セルジオ ロッシ カスタマーサービス TEL:0570-01660)、ピアス¥1,190,000(PATEK PHILIPPE/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109)

「秘書としてつくなら、何でも完璧にできる人よりも、ちょっと頼りないところがある人のほうがいいですね。それで私が、『ダメじゃないですか!』ってビシビシ指導するみたいな(笑)。会社を引っ張っているのは、社長ではなくて実は秘書。そういうのに憧れます」

ひと筋縄ではいかない"攻めの秘書"。彼女のご機嫌をとるなら、流行りの高級レストランより、知る人ぞ知るガード下の屋台へ。

「小洒落たお店はいかにも、という感じですが、屋台や居酒屋さんだと、『こんなところも知ってるんや!』って見る目が変わります。素の部分が見えるのがいいんですよね。男性のスーツ姿も好きだけど、いつもスーツの人がラフな服装をしているのを見ると、それはそれでドキッとしちゃいそう」

NMB48のキャプテンに就いたのは、プロデューサーの秋元康さんに指名されてのこと。

「私のなかでは、秋元さんって丸投げするイメージなんです。『山本、頼んだぞ! これはお前の仕事だからな』みたいな(笑)。細かく指示を出してくれるわけではないので、まずは自分が思う形でやってみる。それを(秋元さんに)投げて、リアクションを見て、また考えるという感じです。任されることへのプレッシャーは、あまりないですね。頼ってもらえて嬉しいくらい」

その言葉どおり、メンバーにはパフォーマンスについてだけでなく、「挨拶はしっかりと」「楽屋はきちんと掃除を」など、生活面での指導もするなど、使命をしっかり果たしている。

「厳しいことを言うのは気が重いこともあります。でも、誰かが言わないと変わらないから。それは私の役目だと思うし、メンバーからも『さや姉が言って』と指名されちゃうんですよね」

そう言って笑顔を見せる山本さん。そこには、上に立つ者としての覚悟が見てとれる。

「60人もいればタイプもいろいろ。『このコは褒めたほうが伸びるコかも』、『このコはネガティブなところがあるから、励ます感じで』と、相手によって接し方を変えています。ふだんあまり会えないメンバーは、仕事内容をチェックしたり、『あのコ、最近どう?』って親しい人に聞いたりして。で、いいと思うところは必ず本人に伝えるようにしています」


ヘッドフォン¥2,400(audio-technica/オーディオテクニカ お客様相談室 フリーダイヤル:0120-773-417)

まさに理想のリーダーだが、本人は「でも、その在り方っていろいろですよね」と。

「私は自分の背中を見てついてきてほしい、いわばお父さんタイプ(笑)。『あの人といると楽しい』と思ってもらえるようなムードメーカーでいたいし、『先頭に立っているあの人ががんばってるんやから、自分もがんばろう』と、私を見て成長してもらえれば......。私のチームのメンバーには、それが合っている気がします。でも、チームによっては細かくアドバイスをしてあげる、優しいお母さん的なキャプテンがいい場合もあります。相手に合わせ、引いたり押したりできることも、リーダーには必要なのかもしれないですね」

そうした順応力には自信があるという。人に気を遣ったり、気配りしたりも、まったく苦ではないのだとか。

「もともとは人見知りで、自分から人と積極的に関わるタイプじゃなかったんです。でも、48グループで活動しているうちに鍛えられました。大変なことも含めていろんな経験ができるので、人間として成長させてもらっているなと思います」

ネックレス¥710,000、ブレスレット¥580,000(ともにBOUCHERON/ブシュロン カスタマーサービス TEL:03-5537-2203)、手帳¥72,000(モンブラン/モンブラン コンタクトセンター フリーダイヤル:0120-39-4810)

自分の背中を見て、ついてきてほしい

抜群の歌唱力とギターの腕前が注目され、グラビアや演技の世界でも活躍。順風満帆とはいえ仕事一辺倒の毎日は、22歳の女性としては少々寂しい?

「ちょこちょこ時間を見つけては、野球観戦をしたり、レイトショーを観に行ったり、ギターで作曲したり。趣味が多いので、けっこう楽しめています。それに好きなことを仕事にしているので、どんなに忙しくても大丈夫。今の私にとって、仕事は人生そのものですから」

人間観察に長け、前向きで責任感があり、真摯に仕事に取り組む。山本さんが秘書になれば、会社が大躍進しそうだ。
「(AKB48の)横山由依ちゃんと、『将来起業したいね』なんて話しているんですよ。成功しそうなアイデアも、考えています。実現したら、アンテナが鋭くて、視野が広くて、気が利いて、効率的に仕事を進めてくれる秘書が欲しいですね(笑)」

有能な秘書を持つ魅力的な経営者として誌面を飾ってくれる日もそう遠くない......かも!?

Sayaka Yamamoto
1993年大阪府生まれ。2010年NMB48第一期生となり、'14年からAKB48を兼任。NHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌「365日の紙飛行機」ではAKB48で初のセンターに。


Text=村上早苗 Photograph=丸谷嘉長 Styling=岸本怜子(W) Hair & Make-up=小倉康子

*本記事の内容は2015年11月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 '14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)