"妻がセックスに目覚めて熟年離婚"は実は多い【夫のHがイヤ⑤】

夫を愛しているのに、夜の営みが苦痛で仕方なく、セックスレスを経て離婚に。そして別居中に別の男性と交わる経験も経て、夫のセックスが自分本意な“ジャンクセックス”だったことにも気がついた……。そんな赤裸々な体験を綴った『夫のHがイヤだった。』にはセックスと夫婦関係・男女関係を考えるうえで、示唆に富む話も、身につまされる話も数多く登場する。「コロナ離婚」というワードが話題を呼ぶ一方で、海外ではコンドームの売れ行き急増も報じられる昨今。仲が悪くなってセックスレスへと近づいている夫婦も、セックスの機会が普段以上に増えている夫婦も、読んでおいて絶対に損のない内容だ。今回、同書の著者で、行政書士・カウンセラーとして離婚相談も多く受けているMioさんにロングインタビュー。5回目のテーマは「夫とのセックスに苦しんできた妻が、セックスの楽しさを知って離婚に至るケース」について。

更年期後にセックスの快感を知って離婚に至る

自身のブログで、夫のジャンクセックス(男性本位なセックス)に苦しんできた体験を綴ってきたMioさん。そのブログには、似たような苦しみを経験してきた女性たちの体験談も寄せられている。投稿者の年齢は20代後半から60代までと幅広い。

「女性には更年期前後に、女としての気持ちが再び盛り上がる時期があるので、比較的上の世代の方も多いですね。中には『私は今の夫とのセックスは苦痛で全然気持ちよくなかったので、これからの人生をセックスで気持ちよくなれるパートナーと過ごすために離婚します』という方もいました」

男性からすれば、長年連れ添った妻から「あなたとのセックスはずっと気持ちよくなかった」という言われただだけでも衝撃かもしれず、離婚まで切り出されたら青天の霹靂だろう。また、セックスレスになって長い夫婦の場合は、「妻が今も性欲を持っていること」に驚いてしまう人もいるかもしれない。

「その点は女性自身も誤解している人がいて、『私は性欲がないから』と言う方も多いんです。でも、それは気持ちいいセックスを知らなかったからであって、気持ちいいセックスをしたいという欲望に関しては、女性は男性よりも強いかもしれません。私のブログや本を読んだ方の中には、『自分がセックスをしたいと思わないのは、夫としていたセックスが男性本位のセックスで、それが痛くて辛かったからなんだ』と気づく方もいらっしゃいます。そして『私も本当に気持ちのいいセックスを体験してみたい』と続きます。。特に40代後半から60代の方からは、『女としてまだセックスを存分に楽しめるうちに、その快感を味わいたい』という熱いメッセージをいただくことが多かったですね」

なおMioさんは、夫とのセックスに苦しんでいた時期、アダム徳永氏のスローセックスの存在を知り、そのモニターとしてセックスを体験することで、セックスの快感を知ったという。

「私のブログ読者の中には、出会い系アプリなどで相手探しの旅に出られる方もいます(笑)。『経済的なことを考えると離婚は避けたい。でも気持ちセックスは体験したい』と、危険を承知で行動されている方もいます」

長年セックスレスだった夫婦で、妻が50代や60代になってからセックスの快感に目覚めて離婚……というのは男からすると現実味の薄い話に聞こえるかもしれないが、実際にそうしたケースはあるというわけだ。

「おそらく離婚を切り出す際も、旦那さんに『本当に気持ちいいセックスをできるパートナーが見つかった』なんて正直には話さないでしょうから、男性の側は気づかず別れているかもしれませんね」

なお、そうやって長年連れ添った後で離婚に至る夫婦は、妻の出産後に産後クライシスの時期があり、妻が夫とのジャンクセックスが嫌になって、そこからずっとセックスレスだったケースが多いとのこと。

「セックスを拒む妻の側は、『日常で夫婦として過ごすぶんには悪い人じゃないから、セックスの部分は諦めよう』と思い、夫を“同居人”として認識して過ごすようになるんです。それがある時、妻が『夫とのセックスとは違う、本当に気持ちの良いセックスができる相手がいる』と気づいてしまう。でも夫の側は長く気づけず、離婚届を突きつけられた時点でエッと驚くわけです」

男性が気の毒に感じられる話だが、元の原因は夫婦のセックスの問題に自分が気づけなかったことにある。セックスレスの夫婦や、その状態に陥りかけている夫婦は、今から注意すべきだろう。

夫のHがイヤ⑥に続く

Mio
大阪府生まれ。大学で知り合った同級生の男性と二十二歳で結婚。夫との夫婦生活が苦痛で、「自分はセックスができない身体なのではないか」と悩み、摂食障害とうつ病に。その後セックスレスを理由に夫から離婚調停を申し立てられ、別居を経て離婚。2017年の冬からアメブロに当時を振り返る手記を連載し、大きな話題を集める。現在は税理士・行政書士・カウンセラーとして、女性起業家のサポート・離婚業務を中心に活動。著書に『夫のHがイヤだった。』(亜紀書房)。ブログ:夫のHが嫌だった


Text=古澤誠一郎