ボスに尽くす頼もしき麗人たち Vol.02

ボスの傍らで辣腕をふるう、才色兼備がまだまだ登場!  

クレスコ 事業統括本部 営業秘書 山本 舞 MAI YAMAMOTO

日本の古典文学や俳句で、秘書術を勉強中
 山本舞さんの学生時代の志望はシステムエンジニアだった。希望がかなって、システムインテグレーターのクレスコに入社。ところが3年目、外部から着任した副本部長の秘書業務を言い渡される。
「秘書になったばかりの頃、ボスから国内外の情報媒体をまとめたリストをいただいたのです。調べ物は国内だけでよいだろうと考えていた自分が恥ずかしく、同時に情報収集の大切さを学びました」
 先輩秘書からは、メールや案内状で用いる際の言葉の大切さを学んでいる。簡潔ななかにも的確に情報を伝え、さらには相手の気持ちを掴(つか)む、そんな言葉の用い方だ。
「PCでのデータ分析には慣れていたものの、案内状作成やお礼状などは私にとって一番難しい仕事。少しでもきれいな日本語が身につくよう古典文学や、季語の勉強のため句集を読むようにしています。俳句の先生をしていた祖母に薦められて、気になった言葉はメモに残すことも。徐々に仕事に生きています」


日本カルミック 社長室 社長秘書 南波瑞穂 MIZUHO NAMBA

熱血経営者のために、恋もなげうつ全力ウーマン
 オーナー企業トップのサポートをひとりで担う南波瑞穂さん。
「家族主義的な雰囲気の会社で、秘書はボスのすべてを任されます。スケジュール関係はもちろん、同窓会のアレンジまで。毎日の会食セッティングも大事な仕事。これしか飲まないというビールの銘柄もあるので、店選びはいっそう難しい。その銘柄が置いてなければ、頼みこんで持ちこませていただくことも」
 仕事完遂のため、プライベートをなげうつ覚悟はできている。
「会社の携帯を防水パックへ入れてお風呂へも持ちこむのは、社長のひらめきを逃したくないから。何かあればすぐ駆けつけられるよう、住まいは会社から至近に引っ越しました。デート中も仕事の電話に出続けたのが原因で、彼と別れてしまったことも(笑)。それでも今は、全力で仕事にあたりたいんです」
 大家族で育ち、以前は小学校教諭もしていた。とことん面倒を見る姿勢は染みついている。
「やりたいことにまっしぐらで純粋な存在が相手。それは教諭時代も現在も同じですね」


会計事務所 所長秘書 高橋菜摘 NATSUMI TAKAHASHI

新卒1年目で秘書に抜擢。現在は海外進出を担う存在に!?
「新卒で経理に採用されましたが、前任の秘書が退社。そこで急遽(きょ)、『秘書をやってくれないか』と。それから、10年が経ち今やすっかり、お局になってしまいました」
 そう言って、笑顔を見せる高橋菜摘さん。勤務する会計事務所は、約30名の規模。秘書職は一名のみで、所長のスケジュール管理や会食への同行などの業務をこなしている。
「秘書としての勉強はまったくしていなかったし、新卒でしたから社会人としても未熟。初歩的なミスをたくさんしましたね。かかってきた電話を切ったあとに、『今の電話の相手は誰だったっけ?』ってことも(笑)」
 もちろん、これは過去の笑い話。10年が経過し、スキルだけでなく意識もぐっと高まった。
「現在、米国公認会計士の資格取得を目指して猛勉強中。事務所が海外展開にも力を注ぎ始めたので、この資格があれば、さまざまな面で役に立てると思います。私は所長に育てられました。できるだけ恩返ししたい、そんな気持ちが強いですね」


東日本大震災事業者再生支援機構 秘書 小出綾子 AYAKO KOIDE

東日本大震災で価値観が変わり、効率優先から心を込めた後方支援に
 大手広告代理店の受付から「スキルアップのために」秘書を目指した小出綾子さん。国会議員秘書、そして「ここで3年務まれば秘書として怖いものナシ」といわれる外資系投資銀行、外資系戦略コンサルティングファームなどで秘書を務め、多忙な日々を送っていた。
 そんなある日、東日本大震災が起こる。小出さんの価値観は一変した。
「速さと効率が求められる外資系では、エレベーターに乗れば閉ボタンを連打する、心に余裕のない毎日。震災をきっかけに、もっと人の役に立てる生き方があるのでは、と思うようになったのです」
 転職先は、東日本大震災事業者再生支援機構。被災した事業者の再出発を支援する国の組織で、社長秘書となる。ここでは封書の宛名も自ら手書きする、効率とはかけ離れた秘書業だ。
「秘書は後方支援の仕事ですが、不安を抱える事業者の方が希望を持って再生に取り組めるよう、すべての作業に心をこめることを忘れないようにしています」


YY Inc. 秘書/PR 山本 彩 AYA YAMAMOTO

元シェフ、酒豪という顔も持つ、社内のオアシス、紅一点
 アンダーウェア『HIDDEN AGENDA』を取り扱うYY Inc.で社長秘書を務める山本彩さんは、ゲーテ編集部内でかなりの有名人。なんせ小誌巻末「In the Office」に登場の際、雑誌を見たリリー・フランキー氏と大根仁監督に見初められ、デートした過去を持つからである。
 実際の彼女は元シェフという素顔を持つ、笑顔が可愛い明るい女性。オフィスは社長を含め、スタッフは男性のみなので、ランチにパスタを振る舞うことも。
「社長の栄養管理も私の仕事だと思っています。ライフスタイルをコンセプトにしている会社なので、将来は衣食住に関わる展開を考えている社長のもとで、元シェフとしての知識も生かせるといいなと。今は唯一の女性社員として、同じ年齢の社長に忌憚(きたん)なく意見を伝えるようにしています。社長も真摯に耳を貸してくださいます」
 前情報ではかなりの酒豪とか。
「実はリリーさんとバーに行った時も、リリーさんのボトルを飲み切ってしまって……。私ひとりでじゃありませんよ!」


ヤマノビューティーメイトグループ 役員秘書 塩田真理子(写真左) MARIKO SHIOTA 
役員秘書 藤本桂子(写真右) KEIKO FUJIMOTO

性格も要求も違えども、愛情と連携プレイでカバーします
 日本の美容の先駆け、山野愛子氏が創設したヤマノビューティーメイトグループ。その社主と社長の秘書を務めるのが、藤本桂子さんと塩田真理子さん。
「社長は“ザ・男”という気質の方。常に先を読んで行動し、予測して対応することを望んでいらっしゃいます」(塩田さん)
 一方、女性である社主は
「“たかがお茶出し、されどお茶出し”が基本の方。いい意味で細かく見透かされ、怒られることもありますが、本当に懐が深くて優しい方です」(藤本さん)
 大きなグループを牽(けん)引し、多忙を極める社長に「社内では少しでもリラックスしてほしい」と、会議が長引く時はコーヒーと好物のバウムクーヘンをお皿にのせてそっと出す塩田さん。
「お皿が空になって返ってくると、何気に嬉しいですね」
 また、社主の秘書になって2年という藤本さんのほうは、
「少しでも仕事がしやすい環境をつくり、社主に心を許していただく存在になるのが目標です」
 社主、社長への接し方や距離感。その思いはそれぞれ違う。でも愛情と敬う心の深さだけは、お互いに譲らないようである。


Text=牧 亜津子、山内宏泰、川岸 徹、今井 恵 Photograph=アライテツヤ

*本記事の内容は2014年8月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。
'14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。('14年3月以前は原則、税込み価格)