猫と料理がダイスキ! 鎌倉で働く手先が器用なOL真菜実さん【バーチャルデート⑮】

鎌倉駅から江ノ電に乗る。車窓から見えるのどかな風景を眺めていると、まもなく目的地の極楽寺駅に電車が停まった。今日はこの近くにあるオフィスを訪問する予定だが、自然豊かな住宅街の中に、それらしき建物は見当たらない……果たして無事にたどり着けるのだろうか。


自宅のようなゆったりとしたオフィスに勤務

地図を頼りに到着したのは、一見ごく普通の住宅。木のぬくもりを感じるやさしい雰囲気のこの場所が、実は目的のオフィスだった。

「遠いところまでありがとうございます。道に迷いませんでしたか?」

そう声をかけてくれたのは、ブランディングの仕事をしている宇井真菜実さん。華やかな顔立ちが印象的な女性だ。ここはWEBサービスの提供やメディア運営などを行う株式会社Colorの鎌倉オフィス。本社は東京の立川にあり、ここでは真菜実さんをはじめ5人ほどの社員が働いているという。

広々とした木のテーブルを、他の社員と囲むようにして座る。ここが真菜実さんのデスクだ。彼女の仕事は、自社メディアのSNSの更新、キャンペーンの提案、制作スタッフへの指示出しなど幅広い。以前働いていたアパレル関係の会社でも、受注関連やSNSマーケティング、広報などマルチに働き、商品デザインにも関わっていたという。

「自分にとっても身近なSNSを活用して、ブランディングにつなげたいなと思っています。WEB用のバナーのデザイン、イベントのフライヤーのデザインなどを担当することもありますよ。昔からものづくりが好きなんです」

手先が器用な真菜実さん。趣味は料理で、子どもの頃からキッチンに立っていたそうだ。得意料理を尋ねると、少し考えてから「あんかけチャーハンを作ったときは、おいしいって言ってもらいましたよ」と、にっこり。誰に言われたんですか? と聞くのは無粋だろうか。

「うちのオフィス、キッチンがあるんです。今からちょっと一品作ってこようと思ってるんですけど、いいですか?」

ぜひ料理しているところが見たい! もしかしたら味見させてもらえるかも? なんて期待しながら、キッチンへ移動する真菜実さんのあとについていく。

手料理を振る舞ってもらえる! と思ったら……

白を基調とした清潔感のあるキッチン。真菜実さんは「今日、これしか持ってきてなくて……」と言って、少し照れたように白いフリル付きのエプロンをつける。まるで新婚の奥さんのようだ。

野菜や魚を細かく切り、炊いた白米の上に並べていく。薄焼きの卵は小さな型で花の形にくり抜いた。繊細な手つきで、彩りよく皿に盛りつけていく。

「料理を始めたのは、もう20年以上前ですね。両親が共働きだったので自分の分を作ったり、甥っ子や姪っ子に作ってあげたりしているうちに、少しずつ上達しました」

華やかな外見と家庭的な人柄、そのギャップに驚いているうちに、料理が完成! カラフルでおいしそうなちらし寿司風ごはんができあがった。ところで、随分と量が少ないような……。

「食べちゃダメですよ(笑)、これは猫ちゃんのごはんですから!」

愛情たっぷりの手料理、実は猫のためのごはんだった。

真菜実さんが運営する自社メディアの一つ「猫ねこ部」では、猫の健康に関する情報を発信しており、その中の「手づくり猫ごはん」というコーナーでレシピを紹介している。今回も、新しいレシピが完成したので、試作してみたというのだ。

知人から預かった猫に、「食べてくれるかな」とドキドキしながら皿を差し出す真菜実さん。白黒模様が愛らしいオス猫は、フンフンとにおいを嗅ぐと、舌を伸ばして味見。初めは少し警戒している様子だったが、真菜実さんが手の平に乗せて与えると、ムシャムシャと食べ始めた。

「嬉しい、ちゃんと食べてくれた!」

手料理を作ってもらえて、「あ~ん」までしてもらって、なんて贅沢な猫だろう。

猫のごはんに使用する材料は、鮭やマグロといった猫の好物に加え、野菜や卵など栄養面を意識。毎日の手づくりは難しくても、誕生日や季節のイベントを猫と楽しみたいという人に好評で、SNS映えもばっちりだという。

すっかり猫に夢中の真菜実さん。撮影中であることも忘れて床に寝転び、遊びに興じている。実家で猫を飼っていたこともあり、その憎めないかわいさにやられっぱなしだ。

「猫はきまぐれだし、なかなか言うことをきいてくれない。でも、かわいいから何でも許しちゃう。いるだけで癒してくれるんです」

SNSが好きで、料理が好きで、猫が好き。まさに趣味と実益を兼ねた今の仕事は、真菜実さんにとって天職かもしれない。ちなみに、今日の撮影の様子も真菜実さんのSNSにアップする予定だという。さて、「いいね!」はいくつもらえるだろうか。

猫ねこ部:https://nekonekobu.jp/

Edit & Text=芳賀直美 Photograph=長谷川梓 Hair & Make-up=夢月