男が拒んでセックスレス! その意外な理由【夫のHがイヤ④】

夫を愛しているのに、夜の営みが苦痛で仕方なく、セックスレスを経て離婚に。そして別居中に別の男性と交わる経験も経て、夫のセックスが自分本意な“ジャンクセックス”だったことにも気がついた……。そんな赤裸々な体験を綴った『夫のHがイヤだった。』にはセックスと夫婦関係・男女関係を考えるうえで、示唆に富む話も、身につまされる話も数多く登場する。「コロナ離婚」というワードが話題を呼ぶ一方で、海外ではコンドームの売れ行き急増も報じられる昨今。仲が悪くなってセックスレスへと近づいている夫婦も、セックスの機会が普段以上に増えている夫婦も、読んでおいて絶対に損のない内容だ。今回、同書の著者で、行政書士・カウンセラーとして離婚相談も多く受けているMioさんにロングインタビュー。4回目のテーマは、「男の側の拒否によるセックスレス」について。

夫の側がセックスを拒否し、セックスレスになる背景

前回までの記事では、ジャンクセックス(男性本位のセックス)が原因で苦しんでいる女性が多いことや、それでセックスレスに至ってしまう夫婦がいることを紹介した。一方で、夫の側がセックスを拒否してセックスレスに至るケースもあるという。

「普段からすごく優しくて、デートでも奥さんのために至れり尽くせりの男性がいました。奥さんは、そんな彼の優しさやサービス精神に惹かれて結婚したわけですが、結婚によって責任感の強い旦那さんの『妻を幸せにしないと』というプレッシャーが大きくなっていきました。そして旦那さんは妻と将来生まれてくるであろう子供のために今まで以上に仕事に精を出した結果、あまりに疲れ切って、セックスをする余力もなくなってしまったんです」

常日頃から仕事も頑張り、奥さんのためにも頑張ってきたがゆえに、疲れ切ってセックスレスになってしまい、夫婦仲もギスギスしていく……。非常に悲しい話だ。

「なおかつ旦那さんの中には『男性はセックスを“させてもらっている”』という意識がありました。なので奥さんの側が求めてきても、『気遣いをしてくれてありがとね。僕は1人でも処理できるから大丈夫だよ』みたいに断わってしまったそうです。本人はそれを優しさだと思っていたのでしょうが、彼は『女性にも性欲がある』という当たり前のことに対して無知だったわけです」

フルコースのセックスをしなければというプレッシャー

そして「疲れ切っているからセックスできない」と男性が考えるとき、じつはそこにもジャンクセックスの影響があるという。

「男性の中には『男がしっかり勃起をして、ピストン運動を続けて女性を気持ちよくさせて、射精するまでがセックス』という考え方が根強くありますよね。だからこそ仕事でクタクタに疲れ切った後にするのが辛くなるし、疲れ切ったときはセックスをしないという判断になるわけです。女性はそういうセックスを求めているわけではないですし、射精をゴールとする“フルコースのセックス”にこだわる必要は全くないんですけどね」

そうしたAVのような男性本位の激しいセックス(ジャンクセックス)に縛られた男性は、「ああいうセックスができなければ男性として失格」というプレッシャーも感じているはずだ。

「疲れているとき、男性は『ちゃんと勃つかな?』『途中で萎えないかな?』『腰をきちんと振れるかな?』と心配になるわけですよね。できないことをみっともないと考えていて、それを奥さんにも知られたくない。だから誘われても、『勘弁してゆっくり寝させて……』と断ってしまう。でも、女性はそこまで男性の心の内が理解できていないですから、『求めたのに拒まれた!』『女性として見てもらえていない』と勘違いして傷ついてしまうんです」

では疲れ切っていてセックスに乗り気じゃないとき、男性はどうすればいいのか。

「『ごめん、今日は疲れがすごくたまってて、最後まで続けられる自信がないんだ』と正直に伝えればいいと思います。そうすれば女性の側も拒否された理由が分かって、『ああ、確かにずっと忙しそうだったもんね』と理解をができます。それでも女性の側がしたいなら、『マッサージしてあげるから、そのあと私を1、2回イカかせてくれる? お願い』とか楽しく交渉したり、『じゃあ何もしないで、ただ裸で抱き合って寝よう』なんて提案してもいいですよね(笑)。そうやって男性が話の持っていき方をかえるだけで、2人の関係はかなり改善されると思います」

夫のHがイヤ⑤に続く

Mio
大阪府生まれ。大学で知り合った同級生の男性と二十二歳で結婚。夫との夫婦生活が苦痛で、「自分はセックスができない身体なのではないか」と悩み、摂食障害とうつ病に。その後セックスレスを理由に夫から離婚調停を申し立てられ、別居を経て離婚。2017年の冬からアメブロに当時を振り返る手記を連載し、大きな話題を集める。現在は税理士・行政書士・カウンセラーとして、女性起業家のサポート・離婚業務を中心に活動。著書に『夫のHがイヤだった。』(亜紀書房)。ブログ:夫のHが嫌だった


Text=古澤誠一郎