進化する秘書の世界 「24時間仕事バカ!」の側に控えるボスを知りつくす美しき才媛たち

1 2 3 4 5 6 NEXT 忠誠心が厚く才色兼備。そんな、男にとって憧れの秘書を、今回も選び抜きました!

ヤマノビューティメイト 社主秘書 大場麻衣子 Maiko Ohba

 女性の美を追求する、剛の社長と柔の社主に仕え、日々疾走!
 “美容の母”山野愛子を創始者に、化粧品の製造販売や美容教育、エステティック事業などのグループ会社を擁するヤマノビューティメイト。大場麻衣子さんは山野幹夫社長秘書を3年、今は山野敬子社主の秘書を2年ほど務めている。
「歴史ある会社という特殊性があり、家系図と会社組織を覚えるだけでもひと苦労でした」
 秘書といっても、社長室と大場さんの部屋はフロア違い。
「社長に呼ばれたら即駆けつけたい。エレベーターを待つ時間が惜しいので、非常階段を走って往復していたら、1カ月も経たずヒールが壊れちゃいました」と、なんともひたむき。
「社長は豪放磊落な男性。でも地方出張に同行した時など、新幹線で離れた席に疲れきって座っていた私に、何も言わず膝掛けを投げてくれたのが、なんとも社長らしいなあと(笑)。今は女性である社主の秘書なので、より細かい気配りが必要。知識、常識を深め、人として成長してほしい、とよく言われます。社主の側にいると、仕事を通してさまざまなことを学べるので、感謝しています」


オフィス オーガスタ 社長室 兼 コンサート制作部 橋本わかな Wakana Hashimoto

こんな笑顔でたしなめられたら、誰だってたまりません
 橋本わかなさんは、杏子、山崎まさよしなど人気アーティストが多数在籍する音楽プロダクション、オフィス オーガスタ代表取締役、森川欣信氏の秘書。
「社長は仕事に妥協しないので、所属する全アーティストのイベントやレコーディング予定はすべて把握しておきたいと。それなのに一度、あるアーティストの予定を書き忘れてしまって。叱られて当然ですね……」
 と、失敗を語る橋本さん。
「社長は厳しい反面、観葉植物を大切に育てる優しい方。出張中は自宅の鍵を預かり、大切に水やりをしています」
 と、世話女房役的な一面も。日頃は英文翻訳や社長から依頼された音源探しなどに、就業時間を忘れ、奔走する。
「多忙ゆえのドタキャンが多く、現場に迷惑をかけるのが社長の唯一の欠点。ご機嫌がいい時を見計らい『当日はやめましょうね』と、私のほうからお話しすることもあります。それも秘書の役目だと思うんです」とニコリ。この笑顔に言われちゃ、仕方がないですね、社長。


ゼットン 社長室秘書 井上麻衣子 Maiko Inoue

 憧れのボスの留守を預かるまっすぐな情熱家
 名古屋を起点に、全国に飲食店を展開するゼットンの稲本健一社長。井上麻衣子さんにとって、秘書になる以前から憧れの存在だったという。
「何度か地元の名古屋で見かけたことがあり、インタビュー記事などを読んでは感銘を受けていました。2年前に本社が東京へ移転した際に秘書の募集があって、即座に応募したんです」
 実に嬉しそうに話す彼女。そこまで慕われるボスが羨ましい。
「いえいえ、秘書という仕事は、それくらい上司を好きでなければ務まらないと思っています。稲本は人を大切にする分、距離感も大事にしています。その実直さに触れて、かつての憧れは今、信頼に変わっています」
 数多い出張や講演会には同行せず、黙々と留守を預かる。残業はほとんどないそうだ。
「唯一の例外は、稲本が力を入れているトライアスロンのエントリーくらい。人気の大会は3、4分で売り切れてしまうので、海外現地時間に合わせ早朝でも深夜でも、1時間前からパソコン前でスタンバイです(笑)」


笹尾歯科医院 院長秘書 兼 フロントコンシェルジュ 関谷早織 Saori Sekiya

白衣の下に秘められた負けず嫌いにギャップ萌え
 最先端のインプラント治療を専門とする笹尾歯科医院。関谷早織さんは「VIPクライアントにリラックスしてもらえるような、高級感のある歯科医院にしたい」という笹尾道昭院長の意思のもと、昨年11月より、秘書兼フロントコンシェルジュを任されている。
「上質な応対を学ぶため、入社当時はよく一流ホテルのロビーに行き、何時間もじっとフロントを観察していました」
 ふわりと人懐こい表情が印象的。飲食店の店長の経験もある彼女は、白衣の下に意外な一面を秘めている。
「すごく負けず嫌いなんです。すぐムキになっちゃう。カードゲームや、……恋愛でも(笑)」
 清楚な笑みでの思わせぶりな言葉。ついドキッとしてしまう。
「患者様からの急なご質問にもお答えできるよう、全治療状況を把握しておく必要があります。まだまだ勉強が足りませんが、いずれは院長の分身として信頼される秘書になりたいです」
 努力家の彼女なら、その日が来るのも遠くはなさそうだ。


セプテーニ・ホールディングス 役員秘書 北川真実 Mami Kitagawa

 芯が強くて愛らしい万能秘書はブラームスがお好き
 ネット広告事業を中心に、モバイルコンテンツなど幅広く事業を展開するセプテーニ・ホールディングス。その七村守会長と野村宗芳副会長の秘書を兼務するのが、ロングヘアが似合うフランス人形のような北川真実さんだ。入社直後の配属だっただけに、当初は不安も多かった。
「秘書といえば、上品で華やかな人のイメージ。でも、現実は違うことをすぐ悟りました。多忙な役員のためお弁当を急いで買いに走る、ハンマーを持ちオフィス家具を組み立てる。今ではどんな仕事でも驚きません」
 10cmのハイヒールをものともせず、力仕事もこなしてしまう彼女だが、苦手なことが唯一ある。暇を持て余すことだ。
「何も予定がないことが一番のストレスなんです」
 ゆえに、仕事の後は習い事に勤しむ。社会人になってピアノを再開した。お気に入りはブラームスの「2つのラプソディー」。ピアノは練習した分、成果が出るから楽しいという。案外、日々鍛えられる秘書業務にも通じているのかもしれない。


リバティジャパン 社長室付 秘書 広報矢部尚子 Naoko Yabe

お洒落で優しい社長とは、日々のランチもご一緒に
「私の仕事は、社長に気分よく楽しく仕事していただくこと」
 と、リバティプリントのワンピースをさらりと着こなす矢部尚子さん。英国リバティ社保有のデザインを使った生地の生産・輸入卸を行うリバティジャパンの社長、白子順也氏の秘書を務めて1年半になる。
「白子はとてもフランクで優しい人。いつもお昼近くになると『今日は何を食べようか』とランチに誘ってくれます」
 とはいえ、日々の社長秘書業務にぬかりはない。社長の表情から体調を推測し、来客のアポイントを調整したり、整理が苦手な社長のために、デスク周りや書類を見やすく整える気配りは、相当のもの。
「私自身、社長に同行し、大使館のパーティなどに出席することもあり、リバティプリントの服を素敵に着こなすことも大切な仕事だと思っていろいろ工夫しています。そのせいかどうか、社長に『会社に来るのが楽しみになったよ』と言ってもらえて。そんな嬉しい言葉、秘書冥利に尽きますね」


ENJIN エグゼクティブ セクレタリー 金谷篤佳 Atsuyo Kanaya

 細かな配慮で社長から社員までアシストする万緑一紅
 応接室で待っていると独特の甘い香りが漂ってきた。社長秘書、金谷篤佳さんが入れてくれたハワイのコナコーヒーだ。
「日頃心がけていることといえば、ボスにいかに気持ちよく仕事をしてもらい、そして稼いで来ていただくか(笑)。コーヒー一杯にもこだわります」
 ENJINは、マッキャンエリクソン代表だった中澤純一氏が立ち上げたブティックエージェンシー。社名には仕事に対する原点回帰の思いが込められる。
「社長の尊敬するところは、まず人を裏切らないこと。部下が失敗しても上司として決して逃げない、強いリーダーシップの持ち主です。ただ、仕事が抜きん出てできる人は何かが偏るのか、整理整頓が苦手。それに忘れ物も結構多いんです」
 と、つい目を細めて笑う。会社では秘書業務のほかにも、総務や人事、営業アシスタントなど周囲スタッフのサポートもうまくこなしている。面倒見がよく、男を立てる姿勢。どうも情に厚い心を持つのは、ここでは社長だけではなさそうだ。


プレミアムウォーター 秘書 高橋 慧 Kei Takahashi

 社長と一緒にトライアスロンも!アクティブ派秘書の素顔は人情派
 170cm近い長身、スタイル抜群の高橋慧さんは、ウォーターサーバー業界で急成長を続けるプレミアムウォーターの萩尾陽平社長の秘書である。
「萩尾は秘書を持たず、全部自分でやってきた人。でも忙しさに限界を感じて、昨年私が初めて秘書として採用されました」
 見た目は絶対的に女らしいが、社長の趣味であるトライアスロンにともに出場したり、社長が持つ大型の愛車の運転もこなすアクティブ派。
「トライアスロンやマラソン出場はネタになればと(笑)。クルマは私が運転すれば、社長は車中でお客様とじっくりお話しできたり、休むこともできます。私が代行できることはすべてして、萩尾にしかできない仕事に集中してもらえたら本望です」
 つい先日、社長に頼まれ、ケーキを見つくろって用意した。
「会食の場でケーキのセンスがよいと褒められたらしいのですが、その時も『僕じゃなく、秘書のセンスなんです』と言ってくれたと聞きました。私は幸せ者ですね」


レインズインターナショナル 社長室 社長秘書 杉田由貴 Yuki Sugita

 社長のひと言で、服装も髪形も改めさせていただきます
『牛角』をはじめ、国内外に1000を超えるグループ店舗を擁するレインズインターナショナル。杉田由貴さんは、西山知義社長の秘書を6年間務める。
「西山に一から教えられ、学びながら秘書になってきたという感じです。主な業務はスケジュール管理と出張の手配。レインズは国内外に店舗が多く、西山も出張がとても多いんです」
 実は杉田さん、他の会社の秘書との交流の場を盛んに設けている。その企業名をうかがうと、みなひと癖ありそうな、多忙な経営者ばかり。
「秘書同士とはいえ、仕事の話は抜きの気軽な飲み会です。社長? もちろんご存じです」
 社長には何でも話すという。
「だれよりも細かいところまで目が行き届くのが西山。業務のことだけでなく、髪形、服装の変化にもすぐに気がつき、いい時は褒め、悪い時はどこが悪いのか具体的に指摘してくれます。『お前あっての俺だし、俺あってのお前だからな』という言葉、注意を受けながらでしたが、秘書として本当に嬉しかった。改めて西山が引退するまでずっと側で支えたいと思いました」


いつかあなたを助けてくれる!?「私たち 秘書の卵です!」 

ここで紹介しているのは3人の19歳。只今、秘書を目指して勉強中の卵たちだ。“イマドキ”の女の子と思っていたら大間違い。可愛らしくて、素直で、とにかく勤勉なのである。就職活動もスタートし、さらに一生懸命に頑張っているそんな彼女たちの素顔を、学び舎で覗いてみた。

Text=坂口さゆり、今井 恵、藤崎美穂、小泉庸子
Photograph=アライテツヤ

*本記事の内容は2012年4月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい