もし“カトパン”が自分の秘書だったら 超絶技巧!の秘書たち 加藤綾子

時に忍びのごとく隠密に情報を集め、時に業界再編の要(かなめ)になる大技を繰り出す秘書もいれば、スケジューリングに細かな職人芸を駆使する秘書もいる。そう、個性的で優秀な経営者の秘書こそ、ボスを引き立て、会社を成功に導くための"超絶技巧"を持っている──。毎年恒例「秘書特集」、7回目の今回は、そんな秘書たちのテクニックを徹底取材。あの有名企業から気鋭のクリエイターまで、その技の数々は、まさに絢爛(けんらん)豪華! そんなプロローグを飾る妄想秘書劇場。今回は満を持しての加藤綾子さんの登場です。さて、加藤綾子さん、あなたが秘書だったら、どんな技を使いますか?

加藤綾子

ニット¥20,000(ソブ/フィルム TEL:03-5413-4141)、時計¥1,250,000、ピアス¥305,000(ともにピアジェ/ピアジェ コンタクトセンター フリーダイヤル:0120-73-1874)

「気持ちは常にアクシデントに備えている」

ジャケット¥42,000、パンプス¥33,000(ともにエストネーション)、スカート¥34,000(ユマ エストネーション/以上すべてエストネーション TEL:03-5159-7800)、ブラウス¥23,000(ソブ/フィルム TEL:03-5413-4141)、ピアス¥52,000(Shaesby/Shaesby 伊勢丹新宿店 フリーダイヤル:0120-62-4377)

もしもカトパンが自分の秘書だったら......。不埒(ふらち)な妄想が頭を駆け巡った人は、反省してほしい。加藤綾子の瞬発力、現場対応力、そして気遣いは、並の秘書では到底敵わない"超絶技巧"。長年にわたる『めざましテレビ』の生放送のMC、さらには明石家さんま氏など大物芸能人のアシスタントを数々経験した彼女こそ「理想の秘書」と呼ぶべき存在なのだ。

「アシスタント役の場合、自分がふられる時というのは、メインの方が少し困ってしまった時でもあるんです。だからその都度、その方がどういう流れにしたいかを察知しておく必要があります。アナウンサー的にそつなくまとめることもありますし、敢えて素の自分を出すことで盛り上げ役になることもある。大切なのはメインの方を立てつつ、場のリズムを壊さないことだと思っています」

生放送にはアクシデントがつきもの。常に瞬間的な判断が求められる。

フジテレビを退社、フリーランスになった理由とは?

ワンピース¥60,000(YOKO CHAN TEL:03-6434-0454)、ピアス¥305,000、ブレスレット¥205,000(ともにピアジェ/ピアジェ コンタクトセンター フリーダイヤル:0120-73-1874)、パンプス¥74,000(ジミー チュウ TEL:03-5413-1150)

「『めざまし』を担当していた頃、VTRが始まったのに、後輩が、読む予定だった原稿を見失いバタバタしたことがありました。比較的簡単なVTRだったこともあり、その場で私が映像を見ながらアドリブで話しました。生放送では、常にリスクを想定して、どんなことがあっても行動できる準備が必要。具体的に何かを用意しておくというわけではないのですが、気持ちは常にアクシデントに備えています。あの時は、その準備が功を奏したんです」

2016年春、フジテレビを退社、フリーランスになった。女性のアナウンサーがフリーランスになる場合、局アナ時代以上に活躍の場を広げていくイメージがある。だが彼女の場合、多忙な日々から「自分のペースを取り戻したい」というのが一番の理由だったようだ。もともと音大に通い音楽教師を目指していたという彼女。アナウンサーという職業に強い憧れを抱いていたわけではない。

ボーイフレンドに言われて女子アナに!?

「大学時代にボーイフレンドから『女子アナになれば?』と言われて、アナウンサーの学校に通い始めたんです。自覚が足りない部分もあり、個性がない自分には向いていないと思うこともありました。でもそれでも与えられた仕事に全力で取り組んでいるうちに達成感、やりがいが出てきました。その場、その場で求められることをやればいいと思えるようになったんです。フリーランスとしては個性を求められることが多くなるかもしれませんが、仕事のスタンスを変えるつもりはありません。自分のペースで、納得できる仕事をしていきたいと思っています」

美しい女性というのは、少なからず男に緊張を強いるものだ。しかし彼女と対面して、目を見ながら話していてもリラックスした気分でいられる。もしかするとそれは、「その場、その場の色に染まることができる"白"が理想」という彼女の性質によるのかもしれない。

カトパン流気配りの極意は?

「見返りを求めない。気配りは、誰かのためでなく自分のため」

「自分がどんなパフォーマンスをするかということよりも、サポート役に徹して、その場全体がうまくいくことのほうが気持ちよく感じます。番組でもカメラに映っていないところでの雰囲気作りを最も大切に考えているんです」

その気遣いは、共演者だけでなく、視聴者にまで及ぶ。

「『めざまし』の場合、毎朝"いつもと同じ"だと感じてもらえるように意識していました。急にメイクや髪型を変えたりすると、視聴者の方が違和感を感じてしまうと思うので。だから極力毎日同じような見え方になるようにして、日常を壊さないようにしていました」

気遣い、気配りという言葉はよく使われるが、それが時としてあざとさに見えてしまうこともある。そうなってしまわないためのカトパン流気配りの極意は?

「見返りを求めないことだと思います。私はここまでやっている。それを見てほしい、認めてほしいという思いがあると、あざとさが出てしまうんじゃないでしょうか。気配りは、誰かのためではなく、自分が気持ちよくいるため。そう思うことが大切だと思います」

31歳。ひとりの女性としての思い

今、31歳。ひとりの女性として、幸せな家庭を築きたいという思いもあるという。

「結婚願望というか、両親が私を育ててくれたような明るく温かい家庭を作りたいという思いは、ずっと持っています。フジテレビに入社した頃は、2~3年で結婚するだろうなと思っていました。想像していたのとは違う自分になりましたが、それはそれで嬉しいこと。仕事をがんばりたいと思えていることは、とても幸せです。でもやっぱり幸せな家庭を築きたい。10年後くらいには子育てをしながらマイペースで仕事をしているというのが理想ですね」

もしもカトパンが自分の妻だったら......。男がどうしても妄想を抱いてしまうのは、彼女のこの"白さ"のせいなのかもしれない。

『あさえがお 心のハンドルをぎゅっとにぎる33の言葉』 加藤綾子 著/小学館/¥1,200 幼少期から抱えたコンプレックス、アナウンサーになってからの激動の日々を等身大で語る加藤綾子初のエッセイ集。


Ayako Kato                             1985年埼玉県出身。国立音楽大学卒業後、2008年フジテレビにアナウンサーとして入社。同年冠番組『カトパン』を担当。『森田一義アワー 笑っていいとも!』『めざにゅ~』など数々の番組の進行を担当し、12年『めざましテレビ』のメインキャスターに就任、朝の顔となる。16年フジテレビ退社、フリーランスとなる。

Text=川上康介 Photograph=丸谷嘉長 Styling=後藤仁子 Hair & Make-up=陶山恵実 Cooperation=GROSVENOR

*本記事の内容は16年12月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)