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TRAVEL

2022.06.05

新緑に包まれた上質なひと時。「奥入瀬渓流ホテル」が提案する大人の贅沢旅とは?

十和田八幡平国立公園を流れる奥入瀬渓流。その渓流沿いにある唯一のリゾートホテルが「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」だ。ここでは2022年6月30日まで、大自然のなかで3密を回避しながら贅沢な時間を過ごす「ワンランク上の奥入瀬おとな旅ステイ」というプランが用意されている。“ワンランク上”という言葉に惹かれ、実際にリゾートライフを体験してみると……。

奥入瀬渓流ホテル

リゾート地で楽しむ岡本アートの数々

東京からだと羽田から空路、青森県の三沢空港まで75分のフライト。そこからクルマで1時間ほどの場所に「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」がある。周囲を緑に囲まれ空気は澄み、聴こえるのは鳥のさえずりと渓流のせせらぎ。ヒーリング効果はすでに始まっている。

チェックイン後通されたロビーには、大暖炉「森の神話」がそびえ立つ。これは大阪万博の「太陽の塔」や渋谷駅の「明日の神話」で有名な芸術家・岡本太郎の作品で、ブロンズ製の筒は高さ8.5メートル、重さ5トンにもなる大作。奥入瀬の美しさに魅了された岡本太郎は、生前、ここを幾度となく訪れたそうで、館内には遺作となる大暖炉「河神」を含め、3点の岡本作品を見ることができる。

奥入瀬渓流ホテルロビー

エントランスを進んだ奥のロビーにある、岡本太郎作の大暖炉「森の神話」。鳥やキノコ、森の妖精が描かれている。

奥入瀬渓流ホテルラウンジ

読書や待ち合わせスペースとしてのラウンジにも、岡本太郎の大暖炉「河神」が。これは岡本の遺作で、奥入瀬渓流の水しぶきが水の妖精「ニンフ」に変わっていく様子が表されている。

奥入瀬渓流ホテル岡本太郎作品

ホテルと渓流の間の木立の中に佇む「太郎カッパ神像」。手の感じが「芸術は爆発だ」。自身をデフォルメした作品だろうか?

露天風呂テラス付きの客室にはゴージャスな銘醸ワインも

このプランで用意されるのは、広さ60平米の客室「渓流和室 露天風呂テラス付」。テラスの向こうはブナやカツラが生い茂る森林で、眼下には奥入瀬の渓流がさらさらと流れている。

そして客室に設置された小型ワインセラーの中には、ソムリエがこのプランのために厳選した銘醸ワインが。つねにグラン・クリュ、すなわち特級畑のワインが2本用意され、この日はシャンパーニュがピエール・トリシェの「ブラン・ド・ノワール・グラン・クリュ」、赤はブルゴーニュで、ドメーヌ・フォラン・アルベレの「コルトン・グラン・クリュ2016」だった。

どちらも生産量の限られた希少な銘柄で、有名どころはほぼ制覇したと豪語するワイン通さえ「おお」と唸る逸品。シャンパーニュはピノ・ノワールのコクが引き出された力強いタイプ。2016年の赤は豊かな果実味でもうすでに楽しめる。

渓流のせせらぎを聞きながら露天風呂にぽちゃりと浸かり、汗が引いたらよく冷えたシャンパーニュを一杯、もう一杯。赤ワインはディナーの後、ナイトキャップに取っておくことにしよう。

ディナーはオプションになるが、メインダイニングのフレンチレストラン「Sonore(ソノール)」で。渓流沿いのテラスでアペリティフを楽しんだ後、いざ、テーブルへ。岡亮佑シェフが創意工夫をこらしたコース料理をいただく。地元の旬な食材を用いたモダンなフレンチで、青森の郷土料理「イガメンチ」にインスパイアされた一品などじつにユニーク。それぞれの料理に合わせ、鈴木良隆ソムリエが選んだワインとのペアリングがおすすめだ。

奥入瀬渓流ホテルワイン

このプランにはグラン・クリュ(特級畑)のワインが2本つく。それぞれのワインに合わせて最大のパフォーマンスを発揮するフォルムのグラスを用意。

奥入瀬渓流ホテル部屋

畳敷きの和室ながら、低床ベッドの客室。60平米と十分な広さがあり、渓流を眼下に望む露天風呂が設られている。

奥入瀬渓流ホテルテラス

プランに含まれる夕食はビュッフェレストランだが、メインダイニング「Sonore(ソノール)」でのディナーをオプションでつけることをおすすめしたい。暮れなずむ頃合いに奥入瀬渓流の瀬音を聞きながら、優雅にアペリティフを楽しむ。

ストップと言えない朝食のトリュフトースト

翌朝5時、お日様が顔を覗かせる前に「渓流露天風呂」で一番湯に浸かり、前夜のアルコールを抜く。源泉は猿倉温泉混合泉で泉質は単純泉。筋肉や関節の痛み、胃腸機能の低下、冷え性、疲労回復、うつ状態などに効くそうなので、食べ過ぎ、飲み過ぎの翌朝にはぴったりだ。

朝食は昨晩、アペリティフをいただいた渓流沿いのテラスで。スタッフが手に下げてもって来たのは、リンゴの木から製作した特別な朝食ボックス。メイクボックスのような仕掛けを開くと、ほうれん草とベーコンのキッシュ、生ハムのクロワッサン、ソーセージやミネストローネなどが詰められている。そしてこれこそ大人の味わい。朝から魅惑的な香りが漂うトリュフトーストだ。トリュフバターが塗り込まれたトーストの上に、こちらが「ストップ!」と声をかけるまで、トリュフがすり下ろされる。なんとも贅沢極まりない朝のひととき。

奥入瀬渓流ホテル大浴場

客室の露天風呂もプライベートでいいけれど、やはり広々とした大浴場の露天風呂にも入っておかねば。朝一番に大浴場を独り占め。ここでもすぐそばを奥入瀬渓流が流れている。

奥入瀬渓流ホテル朝食

渓流テラスでの朝食の目玉となるのが、このプラン限定のトリュフトースト。「ストップ!」というまでトリュフがすり下ろされる。すった回数で料金が変わることはないのでご安心を。

奥入瀬渓流ホテル朝

渓流テラスで朝食ボックスを楽しむ。飲み物はソフトドリンクやコーヒーのほか、ビールやシードルもあり。

奥入瀬渓流のプライベートツアーこそ最高のヒーリング体験

いくら素敵なホテルライフが送れるとはいえ、せっかく奥入瀬まで来たのに、ホテル内で過ごすだけではもったいない。朝食が済み次第、プランにある渓流プライベートツアーに参加しよう。通常の団体ツアーとは別に、専属ガイドが行程をアレンジのうえ案内してくれる。

ブナの木が生い茂る森の中、水が穏やかに流れる場所もあれば、強いしぶきを上げて流れている場所もある。渓流の中の大きな岩も苔に覆われていて美しい。奥入瀬渓流は十和田湖がクッションとなって水量が安定し、岩にむした苔が水の流れで剥がれてしまうこともないそうだ。おみやげとして売られている「苔玉」は、この奥入瀬渓流の苔むした岩をモチーフにしているという。

杉苔や蛇苔などさまざまな苔の説明を受け、実際に手で触れてみると、苔に対する愛着がじわじわと湧いてきて、実に癒される。

さらに渓流沿いには、「雲井の滝」や「銚子大滝」など、フォトジェニックな名所もたくさん。次回は三脚を持参して、長時間露光にチャレンジすることにしよう。

露天風呂付きの部屋に銘醸ワイン、渓流沿いのテラスでトリュフトーストの朝食をいただき、締めにはプライベートな渓流ツアー。ワンランク上のおとなのリゾートライフを満喫した2日間だった。

奥入瀬渓流

ブナの木が生い茂る森の中、十和田湖から流れ出した水がくねくねと行き交う。その周りには苔、シダ、キノコなどの隠花植物が。ガイドの方いわく、これが奥入瀬インカ帝国とのこと。

奥入瀬渓流ツアー

奥入瀬には300種もの苔が生えているそうだ。ルーペを使いながら、苔をじっくり観察。触れてみることも大事。質問には奥入瀬の植生に詳しいガイドの方が丁寧に説明してくれる。

ワンランク上の奥入瀬おとな旅ステイ
期間:〜2022年7月1日チェックアウトまで
料金:¥84,150〜(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込)
内容:渓流和室 露天風呂テラス付客室への宿泊、ソムリエ厳選の銘醸ワイン2種、ビュッフェレストランでの夕食、渓流テラスでの朝食(トリュフトースト付)、プライベートツアー
定員:1日1組限定(1〜5名)
予約:2週間前までに公式サイトより要予約

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
TEL:0570-073-022(予約)
客室数:187室
アクセス:三沢空港からクルマで約1時間

TEXT=柳 忠之

PHOTOGRAPH=鮫島亜希子

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