京都のホテル戦線異常あり! 心洗われるホテル「MOGANA(モガナ)」が誕生

京都は現在、空前のホテル出店ラッシュだ。「1万室不足」と言われていたのも過去の話。今後はホテルの差別化はさらに活発になり、宿泊者にとって利便性が高まるはず。より自分の気分にあったホテルをセレクトできる時代が到来するのだ。今回は、12月7日にオープンする新感覚のホテル「MOGANA(モガナ)」にひと足早く潜入した。


今まで見たことがない!? 新感覚ホテル

5スターのラグジュアリーホテルや使い勝手重視のビジネスホテルでもない。どこにも属さない個性的で、魅惑的なホテルに出合った。

京都駅からクルマで約10分の二条城近くに位置するホテル「MOGANA(モガナ」は、その内装にまず目を奪われる。

建築家・山口隆が手がけ、京都の伝統的な建築物である“京町家”の要素を新しい解釈で現代に蘇らせたデザインは、近未来の世界観を醸す。ロビー・ラウンジの廊下は、38mという東西に長い京都特有の敷地を生かした造りで、壁や天井に格子がはめられ、水平と垂直の直線美を演出。まさに、過去、現在、未来の融合を体感できるような新感覚のホテルなのだ。

ライブラリーにスクリーンがあり、夜には日本の四季の風景の映像が流される。棚には建築や日本美術に関する本が並び、自由に読むことができる。

こだわりの裏側には作り手の姿がある

そもそもホテル名である「MOGANA」とは、古語の終助詞である「~であったらいいな」という期待の意味を持つ。つまり「この旅が人生を豊かにするきっかけとなれば」「MOGANAとの出会いが、日常を愉しむきっかけとなれば」というオーナーの想いが込められたもの。それゆえに、ホテルのそこかしこに、あたたかなおもてなしとも言うべき、こだわりがちりばめられている。

客室タイプは4つ。壁や床、家具の素材や組み合わせが部屋ごとに異なり、まったく違う雰囲気を持つ。今回、宿泊した部屋は、漆喰をイメージして加工した風合いを持つ壁、パネルを配したダイナミックな天井、鏡面塗装を施した家具など、素材感が際立たせるつくりが特徴的だった。さらには、ソファや机などのすべての家具が、このホテルのためだけにわざわざ日本の職人によってつくられた代物だというから驚きだ。

特筆すべきは、客室内の約2m四方の曇りガラス。50㎡の「Deluxe Room」の窓からは太陽の柔らかな明かりが注ぎ込まれ、全身を優しく包み込み、身体を癒やしてくれるかのよう。部屋にはテレビがなく、始めは手持ち無沙汰だったものの、時が経つにつれ、心に静寂が訪れるかのような不思議な感覚に見舞われた。

一番の癒やし空間といえば、ジンバブエ石を全面に配した風呂といえる。ここにも大きな曇りガラスが設置され、朝風呂ならば、ふんわりと温かな陽光が注がれ身体の芯から洗われるような気持ちに。石風呂といえども、バスタブは背もたれが斜めになっていて寛げるつくりだ。

もちろん、アメニティにもこだわりが。ホリスティック(呼吸法、植物の力など)ビューティのエキスパートであるCHICO SHIGETAとのアメニティのコラボレーションを実現。パリ7区に本店を持つ「SHIGETA PARIS」は、世界中のセレブリティを顧客に持ち、オーガニックかつ効果実感の高い商品で定評がある。そんな心身のバランスを考えたオーガニックのシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、ローズバスソルトなどを風呂場で存分に堪能できる。肌に潤いを与えてくれ、オーガニックの爽やかな香りは鼻にぬけ、心身をリラックス状態へと誘う。

お楽しみの朝食には、古くから京都の朝廷に食材を提供した「御食国(みけつくに)」のひとつでもあった、淡路島の豊かな土壌で育てられた食材が用いられる。素材の美味しさを十分に味わえるよう、シンプルながらひとつひとつに丁寧な仕事がなされ、非常に満足感が高い。器やお皿なども日本の職人によるものを取り揃え、機能的で美しく、食欲が駆り立てられる。

朝食は外に出ることなく部屋でゆっくりと。淡路島の食材が、淡路島でつくられた「Awabi ware」と「樂久登窯(らくとがま)」の器で供される。

思い返してみれば、ホテルに一歩足を踏み入れた瞬間から、そこかしにほっこりとするこだわりに満たされていた。内装、家具、日本の美意識が通底する新しい服の創造をコンセプトに挙げるmatohu(まとふ)とコラボした草履やクッションカバー、ハブラシ、リネンの部屋着、備えつけの焙煎珈琲や煎茶……、数え上げればキリがない。

和装を現代的に仕立てたブランド「matohu(まとふ)」のアイコンアイテム“長着”をまとって、京都散策や永観堂の裏にある和菓子屋「とま屋」を訪れる体験型のオプショナルツアーも今後、販売予定。こだわりの裏にある作り手の“手仕事”や“想い”に触れることで、人の温もりを感じられる。ここはそんな希有なホテルだ。


MOGANA
住所:京都府京都市中京区小川通御池下る壷屋町450
TEL:075-606-5281
客室数:23室
アクセス:JR京都駅下車、京都市営烏丸線・烏丸御池駅下車徒歩約8分
料金:1泊朝食つき1室¥70,000〜(MOGANAルーム)※税・サ込み
http://yadomogana.com/


Text=谷内田美香(WEBゲーテ編集部)