新生「東京モーターショー」は新しいビジネスモデルになる⁉~吉田由美の世界のクルマ見聞録⑩

女性カーライフエッセイスト・吉田由美は、日本列島だけでなく世界中のさまざまな国にひとりで飛び、クルマの最先端を肌で感じ続ける"現場主義者"である。ゲーテWEBでは『吉田由美の"世界のクルマ"見聞録』と題し、彼女が実際に現地に出向き「見て、聞いて、乗って、感じた」ことを独占レポート。第10回は東京モーターショーについて。


来場者は目標を大きく超す約130万人!!

大盛況の東京モーターショー2019。「私も11日中8日間通いました」

11日間の今年の東京モーターショーが無事に終了いたしました。会期中の入場者数は昨年の77万人を超え、目標の100万人を超す130万900人!!

ちなみに私は会期中、8日間会場に足を運びました! これもまた私の東京モーターショーの中でおそらく過去最高記録!

今年の東京モーターショーは当初は来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催準備のため、東京ビッグサイトの一部が使えず、「会場が2つに分かれていて、しかも距離が遠すぎる」とか、「輸入車メーカーの出展が少なすぎる」など、出てくる話はネガティブな話ばかり。挙句に、モーターショーの報道公開日前日は、天皇陛下の即位の礼の翌日でお祝いパレードが予定され、さらに世界中から要人が訪れているため交通規制が行われるなど何をとって心配なことだらけ。私も事前に何度か東京モーターショーを主催する方々との意見交換会に参加させていただきましたが、誰にも予測不可能といった印象で、本当に「どうなっちゃうの??」という感じ。

東京オリンピック・パラリンピックの開催準備のため、東京ビッグサイトの一部が使えなかった。

しかし、日本だけにとどまらず、世界中のモーターショーで、出展社数や入場者が減少傾向にあります。例えば2年おきに開催される世界最大のモーターショーのひとつ、ドイツ・フランクフルトモーターショーの今年の入場者は2年前の81万人を大きく下回る56万人。日本車メーカーの出展はわずか1社のみ。

各メーカーは出展するのに一地域1ヵ所と決めているメーカーも多く、アジアでは東京ではなく、中国(北京/上海)に出展します。北京と上海は隔年開催で、今年の上海モーターショーには私も行きましたが、前回2017年より今年のほうが約6万人増とのこと。世界的に見ても入場者数が減少している中、上海モーターショーでの今年の巻き返しは謎。さすが不思議な国、中国です。

直前まで今年の東京モーターショーは盛り上がっている感がありませんでしたが、開催間近になると、一斉にテレビで流れるCMの最後に東京モーターショーの告知が流れ始めました。そうそう! 私も随分前から提案していましたが、これは効果が期待できそう!

海外メーカーの撤退が相次ぐなかでメルセデス・ベンツはEVをアピール。

豊田社長がメディア露出を増やして猛アピール

そして、東京モーターショーのメディア取材日初日。東京モーターショーの様子が一斉にテレビで取り上げ始めました。自動車工業会の会長であり、トヨタ自動車の豊田章男社長もテレビのニュース番組に積極的に出演。私もたまたま青海エリアにある「FUTRE EXPO」会場で、イケメンと撮影中の章男社長に遭遇! お相手の方が誰かわからないまま自宅に帰り、たまたまテレビを観ていたら、テレビ朝日の夜のニュース番組「報道ステーション」で見覚えのあるシーンが。富川悠太キャスター、スーツ姿も素敵ですが、カジュアルなスタイルもカッコよかったです(笑)。

豊田章男社長は、ほかにもテレビ東京の「WBS」ほか、各局の報道番組に出演していたようです。さらにマツコ・デラックスさんなどのバラエティ番組などにも! 章男社長はメディア取材日の2日目、環境大臣の小泉新次郎氏と環境省のブースでトークショー(?)をしているところに私はまたまた遭遇。たくさんのテレビカメラとお客様に囲まれていましたが、この様子は話題の2人だけにニュースやワイドショーなどでも取り上げられていたようです。

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モーターショーの枠を超えた数々の演出

今年の「東京モーターショー2019」のテーマは「OPEN FUTURE」。従来同様、自動車メーカーが新型車やコンセプトカーを展示しつつ、モーターショーの枠を超えて約60社の最新技術体験やe-Motorsportsの大会が観戦できる「FUTURE EXPO」を含む「青海エリア」。東京ビッグサイト西・南展示棟がある「有明エリア」。さらにこの2つのエリアの繋ぐ約1.5㎞の一本道「OPEN ROAD」には約70台のいろいろなモビリティが展示されています。また、ここでは電動キックボードやパーソナルモビリティなどの体験プログラムもあり、しかも「OPEN ROAD」と「FUTURE EXPO」、ピストン西沢さんがプロデュースする同乗試乗やドローンのレース、ライブなどが日替わりで開催される「DRIVE PARK」はなんと入場無料エリア。

会場には先進的なさまざまなモビリティが展示。

入場無料エリアではありませんが、青海エリアには子供の職業体験施設「キッザニア」もあります。

驚きなのはトヨタのブース。一台も市販車が……ない。「FUTURE EXPO」に新型MIRAI 、ヴィーナスフォートに新型ヤリス、そして「DRIVE PARK」に新型スープラの同乗試乗車があるぐらい。思い切った振り切りです(笑)。ちなみに私がトヨタのブースで気になったのは空飛ぶホウキ「e-broom 」(実際には飛べませんが)。私はこれに乗れなかったのが今回のモーターショーの一番の心残りです。

市販車を展示しなかったトヨタ自動車だが、レクサスが示した未来のクルマ「LF-30」はひと際存在感を放っていた。

夜には500機のドローンがサウンドやライティングと共に夜空を彩るプログラムも!とにかくプログラムてんこ盛り!

結果、約130万人もの人が訪れる大イベントとなりました。

モーターショーとしては「国外」にではなく「国内」向けにシフトした今回の「東京モーターショー」。もしかしたらこの「東京モーターショー2019」が、世界に先駆けて新たなモーターショーの新たなビジネスモデルになるかもしれません。そして次の2021年の東京モーターショーがどうなるのか、今から楽しみです!

Yumi Yoshida
岩手県生まれ。カーライフ・エッセイスト。自動車評論家(日本自動車ジャーナリスト協会理事)。短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、女性誌など広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は、ピーク時で1日約20万アクセスを誇る。持っている資格は、普通自動車免許、小型船舶1級、国内A級ライセンス、秘書検定、ECO検定、カラーセラピー。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本ボートオブザイヤー選考委員。


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