【プライベートクルーザー】購入価格は?維持費は?必要な資格や免許は?専門家に一問一答

クルーザーを購入する前に知っておきたい基礎知識をクルーザーのメンテナンスを一手に担うドクタープラネット代表取締役である小山直誉が指南!


Q. そもそもクルーザーとはどんな船を指す?

A. 居住設備があるものをクルーザーと呼びます。
「クルーザー」という言葉を辞書でひいてみると、「クルージングを主目的として造られた、居住設備をもつヨットやモーターボート」(小学館『大辞泉』)とあるものの、「日本では、帆走する船をヨット、エンジンで走るものをモーターボートやクルーザーと呼ぶのが一般的です。ただ、モーターボートとクルーザーの違いは明確な基準がないんですよ」


Q. クルーザーの情報は、どこで入手すればいい?

A. 販売店やマリーナ、ボートショーで情報収集を!
「どんなクルーザーがあるのか、雑誌やネットでチェックする人もいますが、クルーザーを所有している知人・友人から情報を得ている方も多いです。実物を見て検討したい場合は、ボートショーに足を運ぶのがお薦めです。毎年3月には、国内最大規模となる『ジャパンインターナショナルボートショー』が横浜で開かれていますし、それ以外にも、全国各地でフローティングショーなどが行われています。機会があれば、世界各国で開催されているショーもご覧になるとよいでしょう。とても規模が大きく、豪華な船がさまざまに展示されています。1日では回りきれないくらい、たくさんのクルーザーなどが一堂に会しているので、見応えがあると思いますよ」


Q. クルーザーはどこで購入できる?

A. 国内の販売店や輸入代理店、マリーナに相談を!
「購入したいクルーザーによって変わってきます。国内メーカーなら販売店がありますし、海外メーカーなら、輸入代理店に問い合わせたり、海外から個人または代理店を通じて輸入することもできます。マリーナやヨットハーバー内にも、販売や輸入代行をしてくれるところがあるので、相談するのも一案。最近では中古艇の場合、SNS上で取引することもあるようです」


Q. クルーザーの値段、いったいいくら?

A. 値段はピンキリ。ただし、億超えがスタンダード!
「メーカーやサイズ、仕様、新艇か中古艇かなどによって値段は大きく変わってきます。いずれにしても、億を超えるものが珍しくない世界。むしろ、それがスタンダードといってもいいくらいです。中古艇でも、最低数千万円は見ておいたほうがよいと思います」。例えば、昨年発表されたヤマハのプレミアムヨッツ、「EXULT43」の場合。メインサロンとギャレー、ベッドルー ム2室を備えた43フィートのクルーザーだが、こちらの標準価格例は1億4,844万円[2019年11月現在]。安田造船所が輸入総代理店を務めるイタリアのラグジュアリーヨットメーカー、AZIMUTの「Atlantis 43」はメインサロン、ギャレ-、4ベッドルームで、8,000万円~1億円前後(オプションによる)。


Q. 維持費はどのくらい見ておけばOK?

A. サイズによっては保証金で1,000万円を超えることも。
「クルーザーを所有するうえで、主にかかるのは、係留費、燃料費、メンテナンス費、修理費、保険料などが挙げられます。特に大きいのは係留費ですね。マリーナによっても変わりますが、 初年度は保証金が必要なところが多く、サイズによっては初年度の支払いが1,000万円を超えることもあります」。例えば、都心からのアクセスがよく、設備が充実していることで人気の「横浜ベイサイドマリーナ」で、全長16.0m未満×m全幅5.5m未満の区画を契約するとなると、年間利用料245万7,000円(税別)、保証金351万円(非課税)で、初年度所要額は596万7,000円に。燃料費は、エンジンの種類や大きさにもよるが、1時間あたりの燃費が300リッターというクルーザーも珍しくないとか。保険料は、船体の価格に応じて高くなり、修理する際の部品代も総じて高額になってくる。また、船を上架して行うメンテナンスも、年に1、2回は必要であるという。


Q. 所有するのに必要な資格や免許は?

A. 所有するだけならば、無免許でOK
所有するのに資格や免許は不要だが、自ら操縦する場合は、1級か2級の小型船舶操縦免許証という国家資格が必須。「最近は、自分で操縦せずに、キャプテンはじめスタッフを雇うケースもあります。当社は、主に保守管理などメンテナンス全般を行っていますが、最近は、運航の依頼も増えていますね。その際は、オーナー様と、運航内容や金額、万が一事故が起きた際の取り決めなど、細かく打ち合わせさせていただきます。また、マリーナに提出する出港届けも必要です。出港日の風や波の状況をアプリでチェックするなどして、最適な運航計画を立てるようにしています」。ただし、こうした会社はまだ少数なので、係留先のマリーナや販売店に相談を。


Q. シェアリングサービスもあるというけれど?

A. クルーザー入門にお薦めです!
「所有するクルーザーを、会員に貸しだしているマリーナや販売店などもあります」。例えば、今年の10月から始まったAZIMUTヨットクラブの場合、個人会員は入会金300万円、預託金200万円、年会費60万円で、AZIMUT 53など3艇のクルーザーを、年10回まで利用可能(法人会員もあり)。「購入するよりお手頃なので、まずはこれで、クルーザーライフを試してみては?」


Text=村上早苗 Illustration=オガワナホ Supervisor=小山直誉(ドクタープラネット代表取締役)