パターのロフト角が自分に合っているのか? いないのか? ~大本プロのパターレッスン⑤

ゴルフでは、「パッティングが全ストローク中の約40%を占める」という話がある。たとえば1ラウンド100打の人は、40回もパターを使っている計算だ。18ホールでこんなに使う番手は、ほかにない。パッティングの向上がスコア改善に直結すると言われるのも、素直に頷ける話だ。では、どうやったら上達するのだろうか。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を受賞した大本研太郎プロのレッスン4回目。


手っ取り早く上手くなりたいなら、パターを変えろ!

前回までの4回では、主に、猫背のように上半身上部を"丸く"してパッティングすることが大事、というお話を取り上げてきました。

連載1回目の記事はこちら!

アドレスは本当に大事で、いいアドレスができれば、劇的にパッティングは変わります。でも、みなさん、アドレスの話は退屈だったりしますよね? そろそろ飽きてきている人もいらっしゃるのではないかと思います。本当なら今回も、まだお伝えできていないアドレスのことを続けたいところですが、ちょっとお休みします。より簡単に、パッティングのパフォーマンスが上がるかもしれないお話をすることにしましょう。

それは、「パター」です。パターを変えたほうが、手っ取り早いという場合があり得るんです。チェックしてもらいたいのは、ロフト角。みなさんお使いのパターのロフト角は何度でしょうか? 

じつは、アメリカのメーカーのパターには、4度など、多めのロフト角がついている場合があります。これには、もちろん理由があります。海外の芝では、ボールが沈んだ状態になることが多く、自ずとプレーヤーは、ハンドファーストでボールを捉えようとします。それを受けて、パターには多めのロフト角がつけられるというわけです。

でも、日本の芝では、ボールは浮いた状態になります。結果、日本のゴルファーはハンドファーストの量が少なく、リリースをしてアッパーブローで打つという人が多くなります。実際、私も多くのプレーヤーのパッティングを計測してきましたが、ハンドファーストが強く、ダウンブローで打っているような人は、本当に稀です。ほとんどが、ハンドファーストの度合いの少ないパッティングをしています。

このスタイルで、ロフト角の多いパターを使うとどうなるでしょうか。ボールが地面から離れて上がり、グリーン上を跳ねることになります。結果、距離感や方向性が安定しなくなってしまうわけです。

ですので、パッティングに悩んでいるという方は、一度、たとえば2度などの少ないロフト角のパターを試してみるといいと思います。もしくは、データ計測のできる場所で、ご自分のパッティングにおける、ハンドファーストの量やインパクトロフトを見てみるというのもありです。私は、0.5度くらいが理想的なインパクトロフトではないかと思っています。計測したデータから、最適なロフト角のパターを見つかって、ボールの転がりが大きく改善し、パッティングがすごく良くなる可能性があります。

ただし、ここで注意点があります。じつは、なかには、「ボールが地面から上がって飛ぶ」ほうが“気持ちいい”人がいるんです。かく言う私もそうです。以前は、究極の転がりを、物理的な観点から研究していたのですが、どうにも、スーッと転がるボールが、永遠に“気持ち悪い”。つまり、人によって理想の転がりというのは、違うということです。プロもそうです。パッティングのうまい人が、全員、きれいな転がりをしているかというと、そういうわけではありません。

ただ、とにかく一度、ご自分のロフト角に目を向けてみるのは、ありだと思います。もし、ロフト角を少し変えるだけでスコアが良くなるなんて、そんないいことはなかなかなありませんから。

大本研太郎
1974年生まれ。PGAティーチングプロA級。2012年、パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」を開設。以来、とくにパッティングの研究とレッスンに熱心に取り組み、全国からプロを含めて多くのゴルファーが指導を受けにやってきている。2013年には、「GPC恵比寿」(東京・渋谷。パットラボも併設)をオープンさせ、ヘッドプロを務めている。2018年、PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。
GPC恵比寿
住所:東京都渋谷区恵比寿1-15-6 OAK2ビル5F
TEL:03-6409-6793 
営業時間:平日10:00~22:00、土日祝日9:00~21:00
休み:火曜
https://www.gpc-ebisu.com/


Text=柴トシユキ Photograph=Getty Images


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