久々のラウンドで、アプローチ&バンカーがうまくいかない時に確認すべきこと【ゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム101回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

不安な心がアプローチのミスの原因

アプローチなどの距離を調整するショットは、目から入る情報を体や手に伝えることが必要になる。そのため、ラウンド間隔が空いてアプローチの感覚が鈍ってしまい、苦戦した経験を持つ人もいるのではないだろうか。そこで今回は、久々にラウンドする人に向けて、アプローチショットとバンカーショットの基本ポイントをおさらいしていこう。

先日、半年ぶりにラウンドをするという知人とコースをまわったのだが、久しぶりにクラブを握るということもあり、すっかりコースでクラブを振る感覚を忘れていたようだった。特にグリーン周りのアプローチショットでは、ダフリを何度も繰り返してまともに当たらなくなっていた。

見ていて特に気になったのはボールを打とうとしてクラブを急角度で打ち込んでいたことだ。そのため、インパクトでクラブの動きが減速し、フォロースルーが極端に小さくなっていた。このような打ち方になるのは、久々のラウンドでちゃんとボールを打つことができるか不安なため、クラブヘッドをボールに当てにいってしまっていたためだ。このような動きではインパクトが点となり、ダフったり、トップしてしまって再現性が乏しくなる。

アプローチといってもドライバーなどのスイングと同じで、スイング軌道の中でボールをとらえることが必要だ。知人にはアドレスで右足の前に置いていたボールをスタンス中央よりも少し目標寄りにセットしてもらい、バックスイングとフォロースルーの振り幅が同じになるように振ってもらった。更に、フォロースルーをしっかり取れるように、左足に体重をかけてスイングしてもらった。

「ボール位置はこんなに左でいいんですか⁉ とりあえずフォロー大きめに振ってみます」と言ってアプローチしたボールは見事に20ヤード先のピンに寄っていった。

ボールをスタンス中央より目標寄りに置くことで、バンスが使えるためボールをゾーンでとらえやすくなる。更にフォロースルーを大きくすることで、インパクトでボールを意識せず、軌道の中でボールをとらえられるようになる。

それに加えて、左足に体重をかけることで、体が回転しやすくなりフォロースルーを大きくとれるようになった。アプローチでは飛ばす必要がないので、左右の体重移動は必要ない。左右に体重移動することで打点のブレにつながるし、右足に体重が残ってしまうとすくい打ちにもなる。左足を軸に回転することで、アプローチショットの再現性が高まるのだ。

バンカーショットではクラブを長く持つ

アプローチショットでフォロースルーをとれるようになり、知人のアプローチも安定してきたが、今度は苦手としているバンカーに入った。知人はバンカーから出るか不安だったのか極端にクラブを短く握り、ボールに近く立って構えていた。

そこで私は「クラブを目いっぱい長く持ってください。そしてボールから離れてください」と指導をした。

「えっ? クラブを長く持つんですか⁉ 長く持って離れて構えたらボールが飛んでいきそうな気がしますが大丈夫ですかね……」

と言いながら、渋々アドレスを変え、スイングを動作に入った。

「パンッ」という乾いた音とともに放たれたボールはフワッと上がり、15ヤードほどキャリーするバンカーショットとなった。知人は「思いきって振ったのに、全然飛ばないんですね!」と驚いていた。

普通はクラブを長く持った方が、遠心力でボールが飛ぶような気がする。しかし、クラブを長く持ったほうが入射角が鈍角になるので、フェースを開いて構えることできるためロフトを寝かせることができる。このようなセットアップを行うことで、ソール部分のバンスを使えるようになり、ボールと砂を一緒に運ぶエクスプロージョンのバンカーショットができるため距離が出ないのだ。むしろ、クラブを短く持ったほうが入射角が鋭角になり、フェースも開くことができないためロフトが立って当たるのでボールが飛びやすくなる。また、バンスが使えないためリーディングエッジが直接ボールに当たる可能性も高いので、トップなど飛びすぎてしまうミスが出る可能性が高い。

いずれにせよ、アプローチにしろ、バンカーショットにしろ、クラブをボールに当てに行くのは禁物。スイング軌道の中でボールをとらえることが大切なのは、他のショットと変わりがない。適切なセットアップをし、インパクトを意識しないようにアプローチショットを行ってみてほしい。


Text=吉田洋一郎 Photograph= 小林 司  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ