今月末日本初公開の「ホンダe」がフランクフルトで丸裸に? ~吉田由美の世界のクルマ見聞録⑧

女性カーライフエッセイスト・吉田由美は、日本列島だけでなく世界中のさまざまな国にひとりで飛び、クルマの最先端を肌で感じ続ける"現場主義者"である。ゲーテWEBでは『吉田由美の"世界のクルマ"見聞録』と題し、彼女が実際に現地に出向き「見て、聞いて、乗って、感じた」ことを独占レポート。第8回はフランクフルトショーで見た「ホンダe」について。


唯一出展の日本車「ホンダ」が公開した電気自動車

2年に一度、ドイツ・フランクフルトで開催される「フランクフルトモーターショー(IAA)」。

今回のIAAは、アウディQ3スポーツバックの海外試乗会からの流れだったので、特に事前にインタビューなどの予定は入れていませんでした。が、直前で今年のIAA唯一出展した日本車メーカー「ホンダ」が公開した電気自動車「ホンダe」を取りまとめたホンダのLPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)人見康平さんからお話を聞けることに。

ちなみに今年のジュネーブモーターショーで「ホンダe」のプロトタイプが発表され、フランクフルトで量産モデルが発表されました。本邦初公開は、本年10月25日(金)から一般公開される(プレスデー:10月23・24日)「第46回東京モーターショー2019」のジャパン・プレミアとなります!

ホンダ LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)・人見康平さん(左)、ホンダオートモービルセンター第10技術開発室技術企画ブロック研究員・安藝未来さん(右)

「ホンダe」を手掛けた重要人物にインタビュー

ちなみに人見さんはこれまで、「フィット」や「N-WGN」などのスモールカーや「レジェンド」を手掛け、「ホンダe」では何を作るか? というところから関わっていたそう。

そこでいろいろ考えたり調査した結果、「EVはガソリン車と使い方を変えるため、200㎞走ればOK。その代わり、無駄な電池を使わないというところに辿り着きました」とのこと。

ちなみに「ホンダe」のモーターは、最大出力が100kWh (136PS)と113kwh(154PS)の2種類が設定され、最大トルクは135Nm(32.1㎏m)。35.5kwhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は最大220㎞(WLTPモード)。人見さんは「その220㎞をきっちり楽しく走れるクルマにしたい。そして目指したのは「必要サイズ」と「必要スペック」です」と言います。

そしてコネクティビティでも「新しい時代を感じてもらいたい」と。これもN-WGNやフィットの後、「その先はコネクトが大事」だと感じたとか。

また「ホンダe」には、フルデジタルで12.3インチで2画面の大型タッチパネルモニターが装備されています。ここには地域ごとのサービスを載せることもでき、AのモニターからBのモニターに情報を移動させることもできます。しかしコネクティビティで必要なものもインフラなども地域によって異なります。プラットフォームはグローバルで作るとしても、現地でのサービスと同意しながら進めることが重要です。「ただセキュリティの面などは現地で調整しなければなりませんが、これはホンダが苦手とする部分です」と人見さんは語ります。

充電に関しては、30分のCHAdeMOの急速充電(100kwh)で80%の充電が可能。しかし、ここで人見さんは「電池を大事に使いたい」と言います。「パワフルな充電器は環境にも負荷が大きいため必要ありません。バッテリーはできるだけ小さいものを使いたいと思っています」とのことで、これも生産台数や地域によってサイズを変えるとのこと。

"This is Honda デザイン"

そしてこの「ホンダe」は、まずはデザイン、続いてバッテリー容量を決め、その後、コネクティッドという作業の流れだったそうです。デザインは決まるまではスポーツカー、SUVといった案もありましたが、なぜかみんなしっくりこなかったそう。

「実は前回(2年前)のフランクフルトショーで3ドアのコンセプトモデルHonda Urban EV Concept(アーバンEVコンセプト)を作った時にこれだ! と思いました。それからブレていません。最高にクールなデザインは「クラリティ」のデザイナーが手掛けたもので、時代を変える、すべてを変えるための"This is Honda デザイン"です。デザインが道を拓いてくれました。

そして全長は3.9mとボディサイズは小さくても中は広くなっています。変えるためにいい意味で割り切りました。そこでできたのが、EV +ドアミラーなしでデバイスを使うという。というか存在自体が割り切りかもしれません。「ホンダらしさって何だろう?」と大いに悩んだそうですが「当方は一切模倣しない。それがホンダだ」という言葉を聞き、目を覚ましたという。「割り切ったデザイン、航続距離、そして大事に電池を使う車。そして自分が欲しい車を作ることにしました」と人見さん。

また、走りに関しても「タイムより気持ちのいい走りにこだわりました。静かにジェントルに走るという。そしてバッテリーの配置にこだわり、スピードより新しい質感を選びました」とのこと。使用している電池はパナソニック製で、「CR-V」と同じハイブリッド用のモーターを使用しています。「My Honda +(マイ・ホンダ・プラス)」というスマートフォン用のアプリを使うと、遠隔操作で車両のロックも解除できるとのことです。

つまり「ホンダe 」は今のホンダの答えなのかもしれません。

そしてその答えは、今年の「東京モーターショー2019」会場のホンダブースで見ることができます。ぜひ足を運んでみてくださいね。

Yumi Yoshida
岩手県生まれ。カーライフ・エッセイスト。自動車評論家(日本自動車ジャーナリスト協会理事)。短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、女性誌など広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は、ピーク時で1日約20万アクセスを誇る。持っている資格は、普通自動車免許、小型船舶1級、国内A級ライセンス、秘書検定、ECO検定、カラーセラピー。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本ボートオブザイヤー選考委員。


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