【ファッションアドバイザーMB】数あるブランドのなかでも今、一番お気に入りのブランドとは?

発行する有料メルマガは個人配信者として日本一の規模を誇り、出版する書籍は累計100万部を突破するカリスマファッションアドバイザーMB。ビジネスパーソンにとって好印象を持たれることは非常に重要。そこでMBにビジネスに効く、 いま投資すべきファッションアイテムやテクニックをシリーズで教えてもらう。


日本人が「洋」服を作る意味を考える

京都にRAINMAKER(レインメーカー)というブランドがあります。年間1000万円以上を被服費につぎ込み様々なブランドを見ている私ですが、「今一番のお気に入り」と言えるくらいRAINMAKERの洋服に惚れ込んでいます。

ラグジュアリーブランドをしっかり見ている人からすると理解できると思いますが、海外のハイブランドと国内のブランドではクリエーションに大きな隔たりがあります。一つは海外製品の再生産的なモノ作りが多すぎるということ。多くの日本産ブランドのクリエーションは海外コレクションブランドから着想されます。パリやミラノで生まれたトレンドを見て、国内のデザイナーがそれを参考に意識してモノ作りをするケースが多い。

もちろん洋服のデザイン史を振り返っても「コピー」自体が悪いわけではありません。トレンドは上層であるハイブランドから下層である量販店に向かって川のように流れていくもの。コピーがコピーを産み、世の中に広がり浸透し、その結果次のトレンドの火種を作り、そうしてファッションデザインは発展していったのです。ビッグシルエットの流行も、ジェンダレスファッションの流行も、全て元を正せばパリのブランドから生まれています。コピーを否定したらファッション史そのものを否定することになる。完全な模倣はもちろんいけないことですが、「トレンドを真似する、意識する」ことはどのブランドにおいても必要でしょう。

しかしながらいくらコピーが必要なことだとはいえ、新しいものが日本からあまり生まれていないのは日本人として残念な限りです。パリやミラノのコレクションを参考にモノ作りをして日本で販売することが、もちろん悪いことではないのですが……それはつまり「海外製品の代用品」に過ぎないわけでそう考えると日本製ブランドの存在意義は希薄に感じてしまいます。

これはつまり「洋服」であるからですね。「洋服」は「洋」のものだからこそ、海外から感覚やセンスを輸入しているわけです。こう捉えると洋服を日本でわざわざ作る意義が希薄になるのも理解できます。

しかしRAINMAKERはここに迫っています。「洋服をわざわざ和である日本で作る意味」を求めてクリエーションにつなげています。

そこでRAINMAKERが選んだ土地は京都でした。京都は染めや織りなど日本の伝統技術が集まった土地。世界で見ても「京都にしか出来ない加工や織物」は実は山ほどあります。RAINMAKERは洋服をあえて日本で作る意味性に注目し、日本だからこそできるデザイン、日本だからこそできる加工や織物を使って、海外では実現できない洋服を作っています。

例えば着物の「着流し」のようなコートだったり。現代日本において「日常的に着物を着る」ことはやはり少し違和感を覚えるものですが、日常に溶け込むように和服の文化を洋服の範疇の中で表現しているのがRAINMAKERです。

洋の文化であるシルバーアクセサリーに、京都の『金網つじ』を使ってみたり。海外の再生産品ではなく、「わざわざ日本で作る意味のある服」を求めているあたりがRAINMAKERの大きな魅力です。

「ローカライズ」という意味でもRAINMAKERの洋服は優れています。フランス人が好むメガネ「クラウンパント」はかけてみると日本人の顔には馴染みにくかったりしますが……こちらのデザインはフレームがやや厚く作られており、またノーズ部分が盛り上がるように設定されており、鼻が低く目と眉毛の距離が短い日本人の顔にも馴染みやすいように作られています。海外のトレンドであってもこうした「日本人に合わせたローカライズ」がしっかり生きているのも嬉しいところ。

ハイブランドのアイコンや象徴的すぎるブランドネームを掲げた洋服もまた魅力があるとは思いますが、ファッションに興味がある人は是非こうした本質に迫るブランドにも目を向けて頂きたいのです。日本人がわざわざ「洋」の服を作る意味とは何か? 日本人だからこそ作れる「洋」服とはどんな形なのか?こうした視点を持つ稀有なブランドRAINMAKERを是非知っていだきたい。

旗艦店も都内ではなく京都の街中にあるこだわり様ですが、モノ作りには確かに魂が篭っています。是非一度見に行ってみてください。数多く見て来た私が自信を持っておすすめできる珠玉のブランドです。

MB
ファッションバイヤー/ファッションアドバイザー/ファッションブロガー/作家。誰もが理解できる「オシャレの教科書」KnowerMagを運営。ブログ「最も早くオシャレになる方法KnowerMag」を運営。発行する有料メルマガは個人配信者としては日本一の規模を誇る(配信メディアまぐまぐにて)。書籍『最速でおしゃれに見せる方法』、漫画『服を着るならこんなふうに』など多数。関連書籍累計100万部突破。