CEOがたどりつくゴルフと事業の共通性

越智社長がゴルフをはじめたのは、1983年、化学製品の製造工場に勤めていた31歳の時である。課長代理に昇進した際に、部長から勧められた。

一緒にラウンドすると人間性がよくわかる

スーツは銀座英國屋のものが多い。「作りがキチッとしていますよね。色や形にこだわりはなく、お店ではものの10分で決めてしまいます」

「古びたクラブ3本を渡されて、"やってみろ"と言われた。それで会社の空き地で初めてプラスチックのボールを打ってみた。僕の最初のゴルフ体験です」

すぐにハマって、ゴルフ教室に奥さんと通いはじめた。

しかし、当時は製造現場の責任者として忙しく、月に1度ラウンドできればいいほうだった。しかもラウンド中でも、現場で何かあればすぐにかけつけなければいけない。ゴルフ場には、「ポケベル」の電波が届くかどうか聞いてから出かけた。

本格的にプレーするようになったのは、本社で事業部長となった2001年頃から。

「当時は、飲み会の二次会は必ずカラオケという時代。じつは僕はカラオケが苦手で、こんなのやめにしたいと思っていた。夜遅くまで飲んで、歌って、シメにラーメンを食べて帰る......最悪だな、と(笑)。どうせ時間とお金をかけるなら......。お客さんとの付き合いもなるべくゴルフに代えることにしました」

ゴルフをすると、"人間を知ることができる"という。

「一緒にラウンドして半日会話をすると、相手の感情の起伏も、考え方も、性格もわかる。ゴルフは感情が顔に出やすい。自分が失敗した時は、表情に出ないようにジーッと我慢する。『なんでこんなにスコアが悪いんだ!』と、お客さんの前で怒るわけにもいかないからね」

これまでラウンドしたコースの数は、国内だけで146。01年以降の15年分のスコアはすべてブックに記録し、データ化もしている。

「振り返ると、仕事でストレスがたまっている時は、やはりスコアも悪い。製造現場時代は平均97~98、事業部に異動したばかりの頃は108~110。全部スコアに出るんですよ」

もうひとつ、ゴルフと仕事には大きな共通点がある。

「思いどおりにいかないこと。コースでは実力の3割減になる。練習して上達しても、本番ではうまくいかない。失敗した時はどう修正するか考え、我慢することが大切。仕事も同じですよね。一生懸命準備して、計画しても......、今、中期計画を立てて頑張っていますが、半分くらいうまくいかない(笑)」

「僕のウェアは全部Black&White。 ピュアでかわいいいでしょ?」。冬に半袖、夏に長袖、秋に冬物と、年3回、季節の変わり目に購入する。

自分から動き出さないとすべてが始まらない

シャツは白にしてネクタイの色で変化をつけるのが基本スタイル。「今年は青がトレンドのようですが、あまり見ないような青にしてみました」

中田社長のゴルフを始めたきっかけが面白い。

「PA・DMI事業部長になった時に、『事業部長になったことですし、始めたほうがいいですよ』と部下に言われて、クラブ一式を着払いで送りつけられたんです。『練習やりましょう』と誘われて、次に『コンペを開催してください』と頼まれた。みんなはゴルフをやりたくてたまらない。事業部長杯と名のっていたコンペなら家族にも『仕事だから......』と言いわけができる。私はダシに使われたわけです。でも、そのコンペは今も続いていてみんな楽しんでいるみたいだから、まあいいか......」

始めてみると、ゴルフがビジネスに生きることに気がついた。一日一緒に歩いて喜怒哀楽を見せ合うことで、食事会などよりも相手の人柄がよくわかるし、親密になれるという。

一方、社交の面だけでなく、ゴルフそのものの面白さにも気がついた。それは自分の思いどおりにならないことだという。

「仕事など他のことでは、私も論理的に行動できるつもりです。でもゴルフは......。"力むな"と言われてそのつもりでも、バックスイングを始めた瞬間に身体が力み始めてしまう。精神的弱さを見せつけられます。でも負けずぎらいなので、それを克服してやろうと思っています」

実際にゴルフをやることで精神的に強くなれただろうか。

「社長になったこともありますが、感情を出しすぎないようになれたと思います。私の立場でやみくもに怒ったらシャレにならない。社員たちは冷静に働くことができませんよね。ゴルフで失敗した時も、カッとした姿を見せないようにしています。本当はクラブをたたきつけたいんですけどね(笑)。常に見られているという意識は強く持つようになりました」

最後に、ゴルフと仕事の共通点として、"自分から仕かけないと何も始まらない"ということを話してくれた。

「野球やテニスは来た球をはねかえしますよね。でも、ゴルフは止まっている球を打つ。自ら動かなければ何も始まらない。まさにビジネスもそうだと思います。来た球を打つだけではいけない。指示を待っていてはいけない。特に、社長に対しては誰も指示なんかしてくれませんよね。私も社長になってから、すべて止まった球を打ちにいっているつもりです」

派手すぎず地味すぎずを心がけている。日焼けを避けるために夏でも長袖(吸汗速乾性のあるタイツ)。シャツとパンツはポール・スチュアート。

ゴルフも仕事もいつもバーディ狙い

かつてはラグジュアリーブランドのスーツを着たが、ここ数年は三越でオーダーすることが多い。「やはり自分の身体にフィットしたものがいい」

上野社長は、スコアメイクのためでなく、中身の濃いゴルフをしたいという。

「毎回狙ってきっちりパーをとる人を尊敬しますが、自分はそういうタイプではありません。先の見えないホールでは、キャディさんに『どこを狙えばショートカットできる?』と一応は聞くし、6~7mのバーディパットなら入れにいく。大ケガすることもありますが、そうやって攻めるのが楽しいですね」

では、ビジネスにおいては?

「もちろん全部バーディ狙いです。私たちは、お客様がどうしたら満足してくださるかを徹底的に考えています。メルセデスを選んでよかった、期待以上だ、と思っていただきたい」

とはいえ、ビジネスはゴルフと違ってチームプレーゆえに、ブレーキとアクセルの具合を調節しやすいよさがあるという。

「誰かが行きすぎたり、逆に行かなすぎたり......。リーダーとしてそれを調節する。仕事だと僕はどちらかというとゴルファーではなくキャディなのかな(笑)。"池越えしたいんです"と言う部下に対して、"やってみましょう!"ってね」

僕のウェアは全部Black&White。青いシャツもストレッチ素材のパンツも、ドイツのヒューゴ・ボス。メルセデス本社のあるシュツットガルトに行った時に買うことが多い。

世界基準の真の"クラブ"を目指して

「色も形もオーソドックスなものが好きで、身体に合うものがよい」と語る。背後のリヤドロのゴルファー像は、コンペの景品としても人気。

「前職の頃、壁かけ時計を日本のトップクラスのゴルフクラブに置いてもらったり、コンペを開催していました。ちゃんとしたゴルフ場には本物を見る目を持つ富裕層が集まる。ブランディングとして、どんな広告より効果的でした。今はリヤドロの作品を置いてもらったり、日本一ラグジュアリーなコンペを目指して開催したりしています」

まさにゴルフに打ち込んできた人ならではの発想といえるだろう。しかし麦野社長は、日本にはまだ本当の"クラブ文化"が根づいていないと嘆く。

「欧米のカントリークラブは地域の名士が家族単位で集まるソーシャルクラブ。乗馬やテニスもできて、家族も遊べる。だけど日本にはない。だから今、発起人として真のカントリークラブの設立に携わっています」

そこ(東京クラシッククラブ)では乗馬ができるほか、子供が遊べる教育の森や野菜を育てられるクラインガルテンがある。

「家族と一緒に自然や動物と触れ合える。それが本当の"カントリークラブ"です」

伝統や本物志向を好む麦野社長の熱意が伝わってきた。

身体の線が強調される細身のウェアが好み。「ゴルフ場はジムではないので、スポーティーすぎるのはちょっとね。そのまま街に行ける恰好がいい」

ゴルフの帰りに練習場で球を打つ

白シャツに紺のジャケットは、いつもよりややフォーマルなスタイル。ファッション業界ということもあり、Tシャツのことも多いとか。

ユニオンゲートグループは、人気のバッグ「ブリーフィング」の企画・製造で知られる。中川社長は、同レーベルでゴルフラインを展開するほどのゴルフ好き。ゴルフとビジネスに欠かせないものとして"パーソナルスキル"を第一に挙げてくれた。

「圧倒的努力と言い換えてもいい。それなしにはゴルフもビジネスも次のステージに上がれない。経営者がなぜゴルフにはまるかというと、個人の努力が必要で、なおかつそれが面白いからではないでしょうか」

ゴルフで圧倒的な努力をし始めたのは33歳の頃からだ。仕事で海外に行き、取引先の社長とプレーすることも多くなった。

「欧米ではゴルフはステータス。成功している経営者は皆ゴルフがうまい。彼らと対等に"戦う"にはこちらもうまくないとね。あまりヘタだと向こうはつまらないでしょ。一日500球打った時期もある。ゴルフの帰りにひとりで練習場に寄って30分ドライバーを打つ。その積み重ねが圧倒的な努力になる。努力を続けていると、ゴルフも楽しくなるんですよ」

ジャケットはラルフ ローレン、パンツはJ.リンドバーグ。やや堅めスタイル。「本当はポロシャツ、短パンのハワイスタイルが一番好き」

目標値とアクションが合致すれば成功する

「清潔感に気をつけています。スーツについては、スリムな体形をキープするためにも、ダボダボのサイズのものは着ないようにしています」

「結果にコミットする。」でおなじみのライザップを率いる瀬戸社長は、ライザップ理論からゴルフ上達について説く。

「ライザップ視点からゴルフを見ると、うまくなるにはふたつのことが必要だと考えます。ひとつは目標値の設定。ライザップでマイナス10kgを目指していない人には10kg減はない。ふたつめは、その目標値に対してアクションが伴っているかどうか。ライザップをやっているのに夜中にラーメンを食べていてはだめ。練習せずにゴルフがうまくなることもない。目標値とアクションが合致すれば必ず成功します」

みずからに課した目標値は80台。それが相手に迷惑をかけないレベルという判断だ。

「でも実は......、まだ100前後なんです。先輩たちに教えていただいている立場でして、偉そうなことは何も言えません」とあくまで謙虚な瀬戸社長だが、ライザップで「グレックス」というパーソナルゴルフスタジオを六本木一丁目に開設。"自分で実験中"とのことで、スーパーゴルファーに変身した瀬戸社長の姿を見られる日も近い!?

上下ともにサブセブンティ。「目上の方と行く時はTPOに気をつけています」と言うとおり、若々しい色だが、フォーマル感も十分なウェア。

Text=大塚 真、相澤良晃(DECO) Photograph=杉田裕一(BGHE)、鈴木規仁

*本記事の内容は15年10月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格

2015.12.3