"ten to seven"って何時? ~英語力ゼロの私がロンドンに移住したら⑰

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めて渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第17回!

連載1回目の記事はこちら


なかなか覚えられない時間表記

渡英してきたばかりの頃に、トルコから来た語学クラスの同級生と二人、バスツアーで丘陵地帯のコッツウォルズという街に行きました。中世の古い家がそのまま残っていて、日本で言えば白川郷のような所でしょうか。

バスツアーを申し込む際、受付でこう言われました。

Please come to bus station until ten to seven.

バス停への集合時間を言っていますが“ten to seven”の意味がわかりませんでした。

「ten?10時?そんなに遅い出発?」と、スケジュール表を見ると書かれていた時間は「6:50」。

ten to seven =7時の10分前=6時50分

という意味でした。この時間の表現方法、慣れないうちは、複雑に感じます。

例えば 6:01〜6:30までは「6時を何分過ぎた」という言い方をします。6:05なら“five past six”、6:30なら6時を半分過ぎたので“half past six”です。

そして6:31〜6:59までは「7時まであと何分」という言い方に変わります。6:35なら「7時まであと25分」で“twenty-five to seven”となります。

まとめるとこうです。

6:00 = six o’clock
6:05 = five past six
6:15 = a quarter past six(「6時を1/4過ぎた」という意味でquarterです。aはあってもなくてもいいそうです)
6:30 = half past six
6:35 = twenty-five to seven
6:45 = a quarter to seven

この時間の表現方法は、そういえば日本での英語の授業でも習った気がします。しかし、やはりすぐに「何時か」理解できるようになるまで、少し練習が必要です。私はいまだに「ええと、twenty-five to だから30から25引いて5分のこってるから35分か」と理解に時間がかかってしまい、次の会話を聞き逃すばかりです。

結局バスツアーは「朝6:50にキングスクロス駅とユーストン駅の間の15番バス停に集合」だったのですが、土地勘のなかった私にとってはこの指示は最寄り駅もあやふやで、難易度の高い集合場所でした。さらにキングスクロス駅は日本でいう東京駅のような大きな駅なので、迷子時間も考慮した上で、家を出たのはかなりの早朝。バスの中ではトルコ人のクラスメイトと5分おきに、「今、何時?」と問題を出し合って、どちらが早くこの表現方法で正確に時間を言えるか、ゲームをしていました。

ちなみに観光地ごとにバスが止まり、そのたびにバスガイドさんに“please come back to the bus until half past〜“と戻り時間を指示され、「ええと、pastだから」とまた考えてばかりでした。ちなみに普段あまり時間に厳密でないイギリス社会ですが、時間が限られているバスツアーではとても厳密、集合に3分遅れた人がめちゃくちゃに怒られていたのが印象的でした。

コッツウォルズの街並み。

ボリス・ジョンソン首相は靴下を変えない!? ゴシップ紙が教えてくれる英語

先日、ゴシップ紙「ザ・サン」の過去記事を眺めていたら、「ボリス・ジョンソンは靴下を洗っていない!」という記事を見つけました。

7月からイギリスの首相になったボリス・ジョンソン、EU離脱を強行に進める姿勢で議会を閉会、現在ロンドンでは抗議デモも起こっています。

この記事はボリス・ジョンソンが首相に就任する前、選挙演説でTV出演した4日間のうち、3日間同じ靴下を履いていた、というものでした。しかもその靴下は、アッシリア王という古代の王様が描かれたかなり特徴的なもので、それぞれのTV番組でもバッチリ足元が映っていました。この靴下は大英博物館にて5.99ポンド(約775円)で販売していたものだそうです。

この報道に対して、補佐官は「同じデザインを何枚か持っている。ちゃんと毎日取り替えている」とわざわざコメント。一般紙のガーディアンではクリーニングの専門家に「そもそも洋服は何日に一回取り替えればいいのか」というインタビューを行い「そうですね……大人は毎日靴下を変えた方が……」という至極当たり前なコメントをとり、大真面目に掲載していました。

いまだに英文読解には時間がかかりますが、こういうくだらない記事だと面白く、諦めないで読み続けようという気になります。そのなかで、ひっかかった表現がこれでした。

He has been dogged by a fresh scandal.

dogは名詞の「犬」だけでなく、動詞で「付け回す」という意味もあるほか、ケンブリッジの英英辞書には“to cause difficulties”(困難を引き起こす)という意味もあると書かれています。この場合だとどっちの意味にも取れるので、意味合い的には

「彼は新たなスキャンダルに(つきまとわれて)困っている」

ということになると思います。また別に、dogには形容詞として「頑固な」という意味もあります。当たり前に知っている単語にも動詞、形容詞で全く違う意味がいくつもあり、ただでさえ単語力が少ない状態の私には覚えても覚えてもキリがないなぁと呆然とするばかりです。

この靴下、同じものを買ってみようかと大英博物館の売店の人に尋ねたところ、アリッシア王展は2月で終わったので、今は販売していないとのことでした。「ボリス・ジョンソンもあの靴下履いているらしい」と言ったら苦笑していました。

「合意なき離脱を誰が止めるか」という特集の、雑誌『エコノミスト』の表紙。ボリス・ジョンソンが退治されるゴーストになっていました。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。


Illustration=Norio


▼お薦めの記事はこちら⇩

"Do you have a fiver?"って?

 覚えておいて損はない!  ロンドンに移住してわかった流行りの造語

【35歳・英語力ゼロの私がロンドンに移住したら】シリーズをまとめて読みたい人はこちらをクリック!